誰かの発想が散りばめられる実写パズルゲーム『IDEA』


朝比奈 / Asahina

IDEA』は、上空からドローンで撮影された北欧の実写映像の上を、ひらめきを表す「電球」となって転がっていき、さまざまな風景を目にしてひらめいたアイデアを、他のプレイヤーと共有できるというユニークなタイトルだ。

ゲームシステムはとてもシンプルで、マップからマップへと道に沿って転がっていくだけ。このときプレイヤーができることは電球をクリックして弾き、好きな方向へと誘導するか、入り込んでしまった袋小路から脱出させることぐらいだ。

▲フィールドには現実の北欧を切り取った場所が使用されている

さまざまな風景がアイデアを生む

移動できるマップは街の交差点、脇に小川がある細い小道、廃材置き場、湖畔の桟橋、雪の降り積もる通りなどさまざま。そうしていくつか用意された目的地のどれかに到達できれば、もうエンディング。

と言っても、決まった道筋はないので「この道はどこにつながっているんだろう?」と気ままに探索していく楽しみがある。何度も通り過ぎているのになかなか気づけない脇道や、ただ転がっていくだけでは入り込めない道もあったりするのだ。

やがてエンディングに到達するか、制限時間を迎えてゲームオーバーになると、そこまでの体験を通じてプレイヤーがひらめいた「アイデア」を、メッセージという形でオンライン上のプレイヤーに共有することができる。

同じように他のプレイヤーから共有されたアイデアは、マップ上に置かれたアイコンに触れることでプレイ後にまとめて読むことが可能だ。同じゲームを遊んでも自分とはまったく違ったアイデアに出会えるのは、面白い体験ではないだろうか。

▲日本語入力には非対応なのでローマ字でアイデアを残してみる

ただ、ここまでご覧になった方はお気づきかと思うが、本作が提供してくれるものは限られていて、とても感覚的なゲームだ。確かな手応えといったものを求めてしまうと物足りなさを感じてしまうかもしれない。

また、本作を開発したTLR Gamesでは初めての日本語サポートタイトルということもあり、日本語環境での表示などに少し問題が起きてしまっている。しかし、フィードバックに前向きに応えようとしてくれているので、改善にも期待ができる。

本作は多くのアイデアが共有されていくことで体験に変化が起きていく。いろいろなプレイヤーのアイデアが残されていく、これからの形にも注目していきたいタイトルだ。


基本情報 IDEA
開発 TLR Games
販売 TLR Games, Shinyuden, IndieArk
配信日 2023年3月10日 / 日本語有り
定価 1,400円 (Steam)
Indie Freaks

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