選択と結果が繰り返される群像劇『17(セブンティーン)に咲ク!』


朝比奈 / Asahina

17(セブンティーン)に咲ク!』は、ポストアポカリプスのSF世界を舞台とした2DタクティクスRPGゲームだ。

主人公は、アンドロイドによって管理された、下層の集落に住む人間の少年少女たち。彼・彼女たちは17歳の誕生日を迎えると、アンドロイドが住む上層へと赴いて「送り出される」ことになっている。

なぜ、アンドロイドは人間を管理し、17歳という年齢まで育てて送り出すのか。これは、そのサイクルの謎と秘密に迫る物語だ。

戦略性の高い奥深い戦闘

本作は、ストーリーに沿って進行していくが、ある種の「選択」と「結果」によって、その道すじが枝分かれしていく。しかし、その選択が実を結ぶためには成長していなければならない。

周辺には制御を失った機械や、野生の動物たちが徘徊しているので、戦闘を繰り返すことで経験を重ねてレベルアップし、また、ドロップした素材を集めることで装備をアップグレードしていくことができる。

▲理解が進むと一気に楽しくなる奥深い戦闘

戦闘はシンボルエンカウントで、敵に接触すると戦闘画面に突入する。パーティキャラクターを盤上のコマとして操り、マウスで線を引くようにマス目に沿ってコストを払い移動させることで、線上の敵にダメージを与えられるというものだ。

移動と攻撃がセットになっているようなものだが、この際に仲間とも接触することで連携技のような特殊スキルが発動される。手軽なギミックだが、接触する順番や、マス目の入れ替わり、効果範囲を考えておかないとあまり有効に働かないので工夫が必要だ。

▲連携時のカットインは「わかっている」演出だ

また、敵の強力な攻撃は予兆としてマスが「WARNING」と表示されるので、時間差で襲ってくる攻撃を安全をとって避けるか、攻撃しつつ安全地帯まで切り抜けるかはプレイヤー次第だ。

雑魚戦ですら難易度が高いものの、味方のレベルや装備の充実、ゲームシステムへの理解が深まると一気に攻めることができるようになるので、戦略性の高い奥深い戦闘が楽しめるだろう。

▲リアルタイムではないので考える余裕はある

重厚でシリアスなストーリー

本作は、少年少女たちのSF群像劇が描かれていて、無料のブラウザゲームとしては驚くほどの完成度と重厚なストーリーが展開される。

しかし、ボリュームはあるが長編というわけではないので、ここで少しでもその内容に触れてしまうとプレイヤーの楽しみを奪ってしまいかねない。

このため、ストーリーとそこに関わる重要なゲームシステムや、主要なキャラクターには触れずに紹介しているが、ブラウザゲームという性質上、気になった方はすぐにでも手にとってスタートすることができる。

ぜひ、彼・彼女たちの冒険に寄り添ってみてはいかがだろうか。


基本情報 17(セブンティーン)に咲ク!
開発 しょーへー90.9
販売 しょーへー90.9
配信日 2023年4月29日 / 日本語有り
定価 無料(ブラウザゲーム
※PC・Android
Indie Freaks

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