『メグとばけもの』は、魔物が少女をかばいながら戦うアドベンチャーRPGだ。この記事では、基本的なゲームシステムと、このゲームをどんな人におすすめしたいかをお伝えしていく。
本作は、地下の魔界に落ちてきたメグという人間の女の子を、魔物であるロイたちが見つける場面から始まる。メグが泣き出したときにロイたちは異変を感じ、世界の「崩壊を呼ぶ少女」なのではないかと疑う。
乱暴者のロイは、メグをどうあやしていいかわからないものの、しぶしぶ遊んでやり、敵から守る。メグが泣くと世界が滅び、ゲームオーバーになってしまうのだ。
キャラクターとあらすじから伝わってくるように、大人も子どもも楽しめる児童文学のようなお話で、泣ける!と評判だ。
かわいくデフォルメされたキャラクターとピクセルアートは、懐かしの名作RPGを見ているような親しみがある。掛け合いの会話も楽しく、とぼけたことを言う魔物たちにぼそっとツッコミが入るのもクスッと笑える。
メグを泣かせるわけにはいかない!
戦闘はターン制で、コマンドを選択するお馴染みの方式。ロイは魔界で最強と言われるほど強いけれども、メグをかばいながら戦う必要がある。
ロイが攻撃されると、メグは怖がって心にダメージを受ける。その心のゲージがゼロにならないように、戦闘中にさまざまな「おもちゃ」を使ってメグを回復させよう。ゲームオーバーになってもその戦闘からリトライできるので安心だ。
HPがメグの心に置き換わっただけのようにも見えるが、従来のRPGと大きく違うのは、最初からロイがほぼ無敵で、レベル上げの要素がないということだ。
歩き回っても敵と遭遇せず、戦うのはストーリーに組み込まれたイベント戦闘のみ。そのぶん密度が高く、ドラマチックな戦闘と物語を楽しむことができる。戦闘のひとつひとつに工夫があって、バリエーションが豊富なのも見所だ。
久々に感動した!
ゲームクリアまでは4~5時間ほどで、コンパクトにまとまっている。私のように「昔は大作RPGに熱中したけれども、今は新しいゲームが次々と出てくるし、長いゲームはちょっと…」と思っている方にも、おすすめしたい。
ただし、自由に探索できるわけではなく、やり込み要素もほとんどないので、長時間遊べるゲームを探している方は少し注意が必要だろう。
泣ける!という評価を普段から鵜呑みにしない私もぼろ泣きしてしまったぐらいなので、その点は自信を持っておすすめできる。大人になった自分も昔は子どもだったことを思い出し、そして、何か大切な思い出を忘れているんじゃないかと、心に響くものが随所にあった。そういう純粋な気持ちにさせてくれる、優しい物語だ。
本作の公式サイトには、動画配信ガイドラインが用意されていて、配信者にフレンドリー。もちろん、戦闘の緊張感は自分でプレイして体験していただきたいが、好きな配信者さんの実況を見て楽しめるのも嬉しい。
みんなで感動を分かち合って、何度も思い出を振り返ることができるので、いろいろな方たちの間で長く愛されるゲームになりそうだ!
基本情報 | |
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開発 | Odencat |
販売 | Odencat |
配信日 | 2023年3月2日 / 日本語有り |
定価 | 1,650円 (Steam) |