腐敗した荒野に理想の庭を造り出そう『Horticular』


テヌキボーズ

Indie Gemは、リリースを控える期待の作品群から、明日を煌めく原石のようなタイトルを発掘し、デモ版を元に紹介していくコーナーです!

*※ 2023年5月9日 訂正 ※
対応言語に「日本語」が追加されたため、記事中で日本語非対応の点に触れていた箇所を削除しました。

*※ 2023年7月13日 訂正 ※
コインとノームの設定について筆者の認識に誤りがあったため、記事を訂正しました。


Horticular』は、荒れ果てた地を緑で満たし、生命あふれる庭へと変えていくガーデンビルダーだ。ノームによって召喚されたあなたは、前代の庭師が投げ出した仕事を引き継ぐことになる。

土を入れ替え、草花を植えて荒野に緑を取り戻そう。環境を整えていけば、この地を去った動物たちも帰ってくるはずだ。

ただし、最高の庭を作りあげるのは簡単な仕事ではない。かつて緑であふれていたこの地を荒野へと変えてしまった「腐敗」。そして、腐敗をもたらした悪意ある存在が徐々に姿を現し、庭づくりに影を落とす。ノームたちと力を合わせ、腐敗を浄化しながら元凶を探ろう。

▲ぺんぺん草も生えない荒野

庭造りの第一歩は土から!

庭師たるプレイヤーが最初に目にするのは、かつては「庭」だった砂漠のごとき不毛の大地。腐敗によって植物は枯れ、そこに住む動物や昆虫たちも姿を消してしまった。

このまま草花を植えても、決して根付くことはないだろう。まずは、地面を掘り返して、栄養満点の土や草地へと交換してしまおう。そうして初めて、草花を育てる下地ができるのである。

庭に植えるべき草花は、ノームたちにコインを渡すことで無から生成してくれる。ちなみに、コインは魔法に疎い人間(=プレイヤー)が量的な概念として扱いやすいよう、あえてコインという形に変換してくれている。おかげでプレイヤーは、欲しい商品を売買する感覚で魔法の力を行使してもらえるわけである。

なお、コインは地面を掘り返した際にたまに見つかるほか、植えた草花も日々収入を生み出すので安心である。

▲土地の拡張、維持にもお金が必要

不毛の大地にかつての輝きを

草花が根付いたなら、次は動物や魚、昆虫を呼び戻すための環境づくりだ。それぞれの生物には好みの環境が設定されている。たとえば「マルハナバチ(Bumblebee)」が好むのは、日よけ、花畑だ。

そこで、条件を満たす「ノコギリソウ(Yarrow)」で花畑を作ると、やがて住処を求めるマルハナバチが庭を訪れる。こうして種の生存に適した環境を整えて、生物を呼び戻していくわけである。多種多様な生物であふれる庭を目指そう。

かつての姿を取り戻していく庭へと戻ってくるのは、生物だけではない。利に聡い商人たちも姿を現すことだろう。新たな草花や、庭造りに役立つ道具のアップグレードを取引すれば、効率よく作業を進めていけるはずだ。

▲柵などの装飾も配置できる

庭を巡る物語と危機

ノームや商人などの登場人物たちとの交流は、手紙を中心に行われる。その内容は「庭にカエルを5匹住まわせよう!」といったチャレンジから、物語に関するものまでさまざまだ。手紙からは差出人の個性も伺えて、読み物としても楽しい

しかし、生命あふれる庭は、よからぬものまで呼び寄せてしまう。かつてこの地を荒廃へと追いやった腐敗だ。放置しても腐敗に侵された草花が消えることはないが、日々の収入が減少してしまうので早めの対処をオススメする。ノームから授かった魔法の力で浄化してしまおう。

▲腐敗は魔法の力で浄化だ!

イベントに事欠かない庭造り

デモ版をプレイした感想は、とにかくイベントが多くて飽きさせないゲームだ。前述の手紙やチャレンジもそうだし、世界中のプレイヤーと腕を競うコンテストや、庭を襲う腐敗への対処などやるべきことは尽きない。しかし、ゲームオーバーや時間制限はないため、自分のペースで庭造りを楽しめるはずだ。

一方で、ゲーム内の時間の流れを変更できない仕様は、すぐに資金が底をつく序盤は特に、収入が入るのを待つだけの退屈な時間を発生させる。

とはいえ、そんな欠点を覆い隠すほどの魅力がつまった本作。愉快なノームたちと物語を追いながら、理想の庭造りに挑んでみてはいかがだろうか。

基本情報
開発 inDirection Games
販売 Slug Disco
配信日 2023年 / 日本語あり
定価 未定 (Steam)
Indie Freaks

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