野球バットを握りしめヒーローたちを救い出そう！『Bat Boy』

『Bat Boy』は、野球バットで戦う変身ヒーローの横スクロールアクションゲームだ。

本作は戦隊ヒーロー作品のような世界観で、さまざまなスポーツのヒーローが登場する。敵に洗脳されてしまった8人のスポーツヒーロー（ステージボス）を倒すたびに、それぞれの能力を習得できる。

メトロイドヴァニアではなくステージクリア型で、ワールドマップからステージやショップを選択するという『ショベルナイト』に似たスタイルだ。

バットで敵の弾を打ち返せ！

操作する主人公の武器となるバットは通常攻撃のリーチが短めだが、野球のバッティングのように敵の弾を打ち返せる。斜め上や斜め下の方向に打ち分けも可能だ。

ジャンプして敵の頭上でバットを振りながら回転し、下突き・踏みつけのような攻撃もできるようになっている。

序盤で習得する「バットスピン」は、中距離までバットをブーメランのように投げて攻撃する技だ。回転しながら滞空するバットを足場にして、トランポリンのように跳ね上がることができる。

各ステージのボスを倒して洗脳を解くと、スポーツにちなんだ技（ムーブ）を教えてもらえる。ダッシュ攻撃、グラップリング、バリア、突進など多彩なムーブが習得できる。

ムーブはスタミナを消費するので数回しか使えないが、次のチェックポイントに着けばスタミナが回復する。ピンチを切り抜けたいときに使っていこう。

ジャンプテクニックが必要となる難所でも、スタミナさえあれば空中ダッシュやグラップリングを使って楽に突破できる。バリアを張ればトゲなどのダメージを受けずに進んでいくことも可能だ。ちょっと便利すぎる気もするが……。

スタミナを温存しておけば、通常のジャンプでは届かない所にあるアイテムもムーブを使って取れる。上達するばするほど、隠しアイテムを効率よく取っていくプレイを楽しめそうだ。

さらに、アイテムを集めてスタミナの上限を増やせば、もっとムーブを使って楽に移動できるようになっていく。クリア済みのステージをもう一度探索することもあるので、素早く移動できるのはありがたい。

壊せる壁の中や、通常のジャンプでは届かないところを探すと、アイテムや隠し部屋が見つかることが多い。

各ステージには赤、緑、金の種が1つずつ隠されており、ワールドマップで獲得状況を確認できる。種は極めて重要で、HPやスタミナの上限を増やすポーションと交換できる。ステージに散らばる宝石は、ショップで種を購入する通貨として使う。

中盤以降のステージは難易度が上がっていくものの、アイテムを集めてHPやスタミナを増やせば攻略しやすくなるだろう。

ショップの利用方法は少し分かりづらかったのでここで補足しておきたい。種のアイコンで「赤の種/金の種×3」と表示されているのは、赤と金どちらでもOKで、合計3個あれば交換できるという意味だ。在庫の数は、店内に陳列されている種を見れば分かる。

他にも、BGMが聴けるカセットテープを手に入れたり、迷子になった犬や猫を探したりと、収集要素や隠し要素が充実している。

見つけた犬や猫は酒場に集まっており、なでられる。洗脳が解けたスポーツヒーローたちと酒場で会話することもできて賑やかだ。

本作は、キャラクターが豊富でドット絵がよく動き、チップチューンのBGMも楽しめる。総合的にクオリティが高いだけでなく、随所に遊びやすくなる工夫があって、人におすすめしやすいと思った。

特に、本作で楽しいのは探索だ。気づきやひらめきがあって、隠しアイテムが取れたときの喜びが大きい。アイテム収集がHPやスタミナの強化につながり、ムーブが使いやすくなるのも嬉しい。

習得するムーブが多彩で便利すぎるような気もするが、どんどん能力が拡張されていく楽しさがあるし、やはりヒーローは強くて活躍するほうがいい。君もヒーローになろう！