『Farworld Pioneers』は、コロニーシム要素を備えたオープンワールドのSFサンドボックスゲームだ。
未開の惑星へと不時着した開拓者の一人となり、仲間(NPC)を集めながら、力を合わせて自給自足可能な居留地を築き上げよう。
惑星で見つかる未知の素材を研究して新たな技術を獲得していけば、やがては宇宙船を建造し、多様な環境を備えた星々へと至ることすらも可能となる。一人で楽しむことはもちろん、最大32人のオンラインマルチプレイ(協力/PvP)にも対応。協力して惑星を開拓するか、派閥に分かれて争うかは自由だ。
本作の開発を手がける「Igloosoft」は、『Starbound』や『RimWorld』といった作品に携わってきたRho Watson氏が設立したスタジオ。
サンドボックスらしい自由度の高さと、仲間への作業指示やニーズを管理するコロニーシム要素を備えた本作は、まさに過去の開発経験の集大成とも言えるだろう。

指示するだけの惑星開拓
物語は、あなたと親友Buddyが未開の惑星へと不時着したところから始まる。
手持ちの物資は乏しく、このままでは全滅必至。生き延びるために資源の採取や、キャンプファイアーのような基本的な設備の建設から手をつけることになるだろう。
一般的なサンドボックスであれば、一人で木々の伐採や鉱石の採掘を始めるところだ。しかし、コロニーシム要素を取り入れた本作の場合、仲間に手間のかかる作業を任せることが可能となっている。
指示可能な作業は、木々の伐採や地面の採掘はもちろん、拠点の建設や各種クラフトなど多岐にわたる。また、仲間には各アクションに対してスキルが設定されており、同じ作業を繰り返すうちに成長して作業効率が上昇していく。プレイヤーはどっしり構えて、作業の終了を待っていれば良いのである。
もちろん、自力で作業を行うこともできるので、無心で採掘するあの瞬間が好きなんじゃぁ!という方も安心して欲しい。

無法者たちの襲撃だ!
いくらか生活が安定してくると、仲間が一人だけという現状を心細く感じるかもしれない。幸い(?)この惑星はバミューダトライアングル的な何かなのか、頻繁に誰かが乗ったライフポッドが墜落してくる。そのため、勧誘する仲間に事欠くことはないだろう。
一方で、惑星に居るのは友好的な開拓者ばかりではない。自ら生み出すことを嫌い、略奪を糧に生きる存在。レイダーもまた、惑星の住人なのである。
レイダーたちの襲撃は、居留地発展に伴って徐々に脅威を増してくる。プレイヤー1人で蹴散らせるほど甘くはない相手なので、自分だけでなく仲間たちの武装も十分に整える必要があるだろう。

未知なるものを求めて
居留地運営が軌道に乗り、レイダーの襲撃も大きな犠牲を払うことなく乗り切れるようになった。惑星の探索も一通り終えた。そうしたら、宇宙へと目を向けてみるのも良いだろう。
宇宙の彼方には、環境や生態系の異なるさまざまな惑星が存在する。ときには敵対派閥の基地や、危険とお宝に満ちたダンジョン、凶悪なボスと出会うこともあるようだ。
過酷な自然環境にさらされた惑星では、極地用装備がなければ長くは生きられないだろう。しかし、困難を乗り越えた先には、それだけの価値あるものが眠っているはずだ。
もっとも、宇宙というのは気軽に出かけられる場所ではない。
まずは、移動手段たるドロップシップを建造する必要がある。未知の素材を集めて研究を推し進めたり、さまざまな素材を加工したり…。決して簡単な道のりではないが、船の完成は自由な冒険の幕開けとなることだろう。

宇宙の彼方へ出かけよう!
一通りプレイして感じたのは、特にコロニーシム要素が上手く機能している点だ。アクション要素も豊富な2Dサンドボックス作品は数あれど、大半は住人を部屋に割り当てて終わりという簡易的な扱いが多い印象である。
本作のように仲間を連れ歩いたり、採掘作業などを任せられたりする作品は少ない。仲間の成長要素も、個々に愛着がわく良い仕組みと感じた。
SFらしい異種族の仲間が存在しない点や、装飾ブロックやコンテンツの少なさは目に付くものの、そういったところは今後の開発で充実していくはずだ。リリース後も継続的なコンテンツアップデートを実施することを開発チームが公言している。
星々を渡り歩いて未開の地を切り拓き、歴戦の仲間と共に未知なるものを追い求める。そんな冒険に心躍るものを感じたなら、ぜひチェックしてみて欲しい一本である。

基本情報 | |
---|---|
開発 | Igloosoft |
販売 | tinyBuild |
配信日 | 2023年5月30日(※海外時間) / 日本語あり |
定価 | 15ドル(Steam) |