『HUMANITY』は、3D空間を舞台としたパズルアクションゲームだ。
ある朝、目覚めると、白く輝く1匹の柴犬となっていたプレイヤーは、意思も目的も失った人間たちを「光の柱」へと導いていく使命を与えられる。主人公に語りかけ、使命を与えた謎の存在は自らを"BLUE CORE"と名乗り、その行為を「実験」と呼んだ。
多数のステージで構成されたパズルを解きながら、謎を呼ぶストーリーに迫っていこう。
ある朝、目が覚めると、私は犬だった
ゲームとしての目的は、ステージ内の光の扉から出てくる群衆を、ゴール地点である「光の柱」へと誘導することだ。ステージ攻略型で、1つのステージをクリアすると次のステージへと進むことができる。
多数のブロックで構成されたステージは、先へと進むごとに新たな要素が追加され、徐々に複雑さを増していく。登れるブロックや、液体で泳げるブロック、群衆がぶつかることで動くブロックなど組み合わせはさまざまだ。また、複数のゴールに群衆を導かなければいけないなど、クリア条件も変化する。
群衆は進行方向へと進み続けるため、放置したままではゴールには辿り着けない。そこで、プレイヤーは群衆の進む方向を指定したり、ジャンプをさせたりすることで誘導していくのだが、先導ではなく「ここでこういう行動を取る」というアイコンをポイントに設置してルート構築をしていく形だ。
プレイヤーが指定できる行動は、ステージクリアに応じて段階的にアンロックされ、バリエーションが広がっていく。
また、プレイヤー自身が犬を操作して、アイコンを設置するポイントまで移動しなければいけないアクション要素もあり、ステージ構成や群衆の動きと相まって、大いに頭を悩ませることになるだろう。
なお、ストーリーモードでは90以上のステージが用意されていて、クリアしていくことでストーリーが展開されていく。人間たちはなぜ自我を失ってしまったのか。"BLUE CORE"の目的や、実験とはなんなのか。そして、プレイヤーがなぜ犬になってしまったのかが明かされていくことだろう。
あくまでパズル要素が主軸ではあるが、ストーリーの謎に迫っていくところも魅力の1つだ。
ステージ内に置かれた「GOLDY」という黄金に輝く人型の像を、群衆の流れに乗せてゴール地点まで運ぶことで、便利な能力をアンロックすることができる。
必須ではないが、例えば「時間の流れを速くする」といったように、別の視点を与えてくれる面白さがある。GOLDYの入手には単純にゴールを目指す以上に工夫が必要になるが、チャレンジしてみるのも面白い。
オリジナルステージにチャレンジ
基本となるストーリーモードとは別に、プレイヤー自身の手でオリジナルのステージを作成して、オンライン上の他のプレイヤーに向けて公開することができる。また、同様に他のプレイヤーが作成したステージに挑むことも可能だ。
本作は現在、PlayStation 4/5, Steamにてリリースされているが、作成したステージはクロスプラットフォームで公開できるため、挑めるステージ数も豊富だ。本編以上に難易度の高いステージもあることだろう。
本編クリア後のエンドコンテンツとして、長く楽しむことができそうだ。
群衆が苦手な方は……
ご覧の通り、プレイヤーが導く人々は1人や2人ではなく、文字通りの群衆だ。本作では、視点を引いて俯瞰的にステージを見ることになるので、特に「集合体恐怖症(トライポフォビア)」の方にはツラいかもしれない。
最近では、例えば「クモ恐怖症(アラクノフォビア)」のプレイヤーに向けて、クモを別の見た目(球体など)に置き換えるといった緩和手段を用意しているタイトルもあるが、本作では群衆そのものなので対策は難しい。
少しでも不安な方はトレーラーで実際に動いているゲーム画面を確認してから手に取るといいだろう。
群衆を導くというシンプルな面白さ
誘導型のパズルゲームには、『Lemmings(レミングス)』など代表的なタイトルがあるが、本作は行動に対するコストや、群衆の誘導を誤ってもペナルティがない。
立体的な視点でルートを考えていく難しさはあるが、操作そのものはシンプルなので、考えることに集中して遊ぶことができる。普段あまりゲームをプレイされない方でも楽しめそうだ。
基本情報 | HUMANITY |
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開発 | tha ltd. |
販売 | Enhance |
配信日 | 2023年5月16日 / 日本語有り |
定価 | 3,410円(Steam) |
3,410円(PlayStation Store) |