
『ザ・ラムジー』は、リスのラムジーが6つの島を冒険するメトロイドヴァニア(探索型アクションゲーム)だ。
※追記(2023年11月30日)
Nintendo Switch版の発売予定日が2023年12月7日と発表された。
特に、ドット絵のかわいい動物キャラクターとチップチューンのBGMが好きな人にプレイしてほしい。暴力的な表現がないので、お子さんのいるご家庭にもおすすめしたい。
筆者は以前から韓国インディーゲームの日本での展開を個人でサポートしており、実は『ザ・ラムジー』のPRでもちょっとしたお手伝いをしている。ゲームクリアまで遊んでみて面白かったので、紹介させていただきたい。




「コットンガン」で道を開け!
本作では、『メトロイド』シリーズのように多彩なショットを撃ち分けて進んでいく。
ラムジーが使用する「コットンガン」は弾(植物の種)を切り替えて撃つことができる。攻撃だけでなく、パズルのような仕掛けを解くのにも使えるのが特徴だ。
ワタの種を撃てば、ワタをトランポリンにしてブロックを上に飛ばしたり、ラムジー自身が高く飛び上がったりできる。ゲームを進めていくと新しい種が手に入り、例えば、敵を凍らせて足場にするショットも撃てるようになる。

島を襲う自然災害!
遠い宇宙にあるリス星は異常気象に見舞われており、ラムジーはその原因を作った発明家の行方を追って、6つの島を冒険する。
異常気象が起きている島々は、リゾート地の洞窟にマグマが流れたり、雷と豪雨が続いてトルネードまで発生したりと、危険地帯になっている。

発明家の残した「設計図」を手に入れ、材料の「ボルトナッツ」を集めると、冒険に役立つ発明品を製造できる。

依頼の報酬は新しい設計図!
メインクエスト以外にも、サブクエスト的な「依頼」がある。島にいるキャラクターから依頼を受けて、未探索のエリアに寄り道して取ってきたアイテムを渡すと、発明品の設計図がもらえる。
マップを隅々まで探索するうちに、設計図と材料がそろってきて冒険が楽になるだろう。発明品は必須ではないので、アクションに自信がある人はメインクエストだけを進めてもいい。

選べる3つの難易度
本作は初心者も楽しめるように配慮されている。ストーリーに集中したいプレイヤー向けの「語り手」モードがあって、ボスの体力が少なめに調整されているようだ。
他には、手ごたえのあるアクションを楽しむ「冒険家」モードがあり、さらにNintendo Switch版発売に向けて、ボスがさらに強くなった最高難易度の新モード「野生動物」が追加され、PC版も同内容にアップデートされている。
実績は「冒険家」と「野生動物」モードでしか達成できないようになっている。中にはハートの器を取らずに初期のハート4つだけでゲームをクリアするという"縛り"もあり、意外と本格派のアクションゲームなのだ。
コンパクトに楽しく遊べる!
実際にプレイしてみた感想としては、まず、ラムジーの機動力が高く、ステージを駆け抜けるスピード感がよい。
げっ歯類好きの開発者が作ったゲームだが、リスだけでなく、敵キャラとして登場するコウモリ、ペンギン、ドローンなど、かわいいキャラがいっぱいで見ていて楽しい。

ラストステージは最後の難関だけあって手ごわく、BGMもクライマックスの興奮がある。そして、最終ボスとの激戦! クリアした自分をほめてやりたい。
5時間ほどでクリアできて、最後までプレイできたという満足感があった。
パズル要素寄りの2Dアクション
好みが分かれそうなのは、他のメトロイドヴァニアに比べると戦闘要素が少なく、ジャンプテクニックやパズル的なギミックを利用して進んでいくという点だ。
島ごとに特色があるとはいえ、中盤では同じようなギミックの繰り返しという印象も受けた。緩やかに難易度が上がっていくのはいいが、少し単調かもしれない。その代わり、ボルトナッツが隠された小部屋は、やや難易度の高いアクションにチャレンジする場になっている。
より多くの人に広まってほしい!
PC版の発売時点でSteamのレビュー数は多くはなかったが、埋もれてしまうには惜しい良作だ。英語圏や日本での露出がまだ少ないからという理由もあるだろう。
Nintendo Switch版の発売を機に、もっと広まっていくことに期待したい。
基本情報 | |
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開発 | IKINAGAMES |
販売 | IKINAGAMES |
配信日 | 2023年4月28日 / 日本語有り |
定価 | 2,000円 (Steam) |
2,000円 (Nintendo Switch) |