
2023年5月20日、世界にインディーゲームを紹介する番組「INDIE Live Expo 2023」Day1がYouTubeなど各プラットフォームにてライブ配信された。今回で7回目となる番組では、初出のものを含めて300本以上のインディーゲームの最新情報が届けられた形だ。
この記事では、INDIE Live Expo 2023で紹介されたタイトルの中から、ライターが注目するタイトルをピックアップしてお届けしたい。
Scene Investigators
緻密な探索と観察によって、未解決殺人事件を調査するミステリーゲーム『The Painscreek Killings』の開発チーム"EQ Studios"が送る、新たなミステリーゲーム。
前作では新米ジャーナリストとしてオープンワールドの街を探索したが、本作ではインベスティゲーター(犯罪捜査官)の訓練生として、再現された事件現場を舞台にその事件の真相に迫る。
ゲーム側から指示されることはなく、プレイヤー自身で主体的に捜査を行う必要があるため、鋭い観察眼と高い推理力が試されることになりそうだ。
日本語有り

Monomyth
剣と魔法の世界観を舞台とした、古典的なダンジョン探索を主軸とする一人称視点のアドベンチャーゲーム。
滅びゆく世界を復興させるため、神々の祝福を得られるという宝物が眠ると言われる、古代の要塞都市リザンドリアへと挑むのだ。広大なダンジョンには危険なトラップやモンスター、一筋縄ではいかないパズルが待ち受けているに加えて、魅力的なアイテムや個性的なNPCとの出会いがプレイヤーを待っている。
日本語無し

Return
謎めく惑星を舞台とした、ソウルライク要素のある2D探索型アクションRPG。SF色の強い世界観を影絵のように表現したビジュアルと、近接武器と遠隔武器を組み合わせたアクション性の高い戦闘が特徴だ。
滅びゆく惑星を脱出して新天地を目指していた主人公たちだったが、長きにわたるコールドスリープ中に宇宙船の自動操縦装置が故障し、再び母星へと戻ってきてしまった。見知らぬ世界へと変貌していたかつての故郷を探索し、生き残るために戦おう。
日本語無し

Harvest Island(収穫島)
かわいいドット絵と、牧歌的な雰囲気のビジュアルが特徴的な農場運営アドベンチャーゲーム。
プレイヤーは父と兄妹の3人家族の兄ウィルとなり、この小さな島の農場で生活していく。妹サマンサと共に、畑で農作物の世話をしたり、家畜を育てたり、魚を釣って料理をしたりしながら過ごしていく。島内は自由に探索でき、動物と仲良くなることも可能。また、日々の生活の中での神様への捧げ物も重要だ。
しかし、オーソドックスなスローライフ系作品と思いきや、トレーラーからは不穏な空気がにじみ出てきている。この島にはどんな謎が隠されているのだろうか。
日本語有り

文字化化
言語解読 × 脱出ホラー × 恋愛アドベンチャーという、複合的な要素からなるユニークなゲーム。
異界に迷い込んでしまった少女は脱出を試みるなかで、謎の言葉を話す異形の男性たちと出会うことになる。彼らの表情や仕草を観察し、彼らがなにを話しているのかを理解することで、脱出方法を探っていくのだ。やがて、彼らと関係性を深めていくうちに特別な感情が芽生えることも……
日本語有り

Midnight Girl
60年代のフランスを舞台とした、ポイントアンドクリックの2Dアドベンチャーゲーム。
主人公の少女モニークはパリで盗みを働いて暮らしていたが、失敗して刑務所に入れられてしまう。だが、そこで出会った謎の囚人と共に脱獄を果たした彼女は、秘密の地下金庫に保管されているという貴重なダイヤモンドを盗み出すための、壮大な計画へと乗り出していくことになる。
ベルギーのコミックや60年代の映画からインスパイアされたという本作は、ストーリーと雰囲気を重視した作品になるという。
日本語無し

Torn Away
第二次世界大戦下の悲劇と、遠く離れた故郷の我が家へと帰ろうとする10歳の少女アシャの姿を描いた、インタラクティブな2.5Dのアドベンチャーゲーム。
ナチスによって強制収容所に連行されてしまった彼女は、家族とも引き離されてしまったが、どうにか脱出を果たし遠く離れた故郷へと戻ることを決意する。ドイツからポーランド全土を横断し、我が家へと帰るのだ。
史実における戦争という重いテーマに触れる本作だが、悲劇であると同時に、家に帰るという希望のための物語でもある。彼女の旅路に寄り添い、導いていこう。
日本語無し

アノマラスシティ
ライトノベル作家としても活躍されている、個人ゲーム開発者の"蒼木いつろ"氏が送る、「SCP財団」や「クトゥルフ神話」にインスパイアされた探索型アドベンチャーゲーム。
プレイヤーはとある機関の一員として、世に散らばる「異常存在」を調査・収容し、やがて訪れるという世界終焉を未然に防ぐことが目的となる。異常存在は生物であったり、物体であったりするが、主人公自身もまた異常存在であり、死を迎えるたびに時間を巻き戻して復活することが可能だ。
さまざまな世界線を渡り歩き、世界終焉の謎を解き明かしていこう。
日本語有り
LoveSoTea 紅茶狂詩曲
現代を舞台にした物語と、美味しい紅茶の淹れ方を再現するシミュレーション要素が混ざり合った、アドベンチャーノベルゲーム。
余命数ヶ月と宣告された青年ヨルと、どういうわけだか執拗に美味しい紅茶を振る舞おうとする男子高校生チヒロ。カフェではなく自宅で楽しむ2人だけのお茶を追求しながら、残された時間がゆるやかに迫るさまが描かれるという。
本作は、個人ゲーム開発者"みやこ出版"氏による新作で、好評を得ている短編アドベンチャー『春と修羅』の前日譚にあたる。
日本語有り

WORLD OF HORROR(恐怖の世界)
旧き神が目覚め、狂気が渦巻くコズミックホラーローグライトRPG。
ホラー漫画家"伊藤潤二"氏と、ホラー作家の"H.P.ラヴクラフト"氏の「クトゥルフ神話」の世界観にインスパイアされたという本作では、80年代の日本の小さな海辺の町「塩川町」を舞台に、至るところで発生する奇怪な存在と不可解な出来事の真実へと迫っていく。
Steamでは2020年2月21日に早期アクセスでリリース済みの本作だが、予告もあり、長らく日本語サポートが待たれていた。この度、2023年秋の正式リリースに合わせて待望の日本語サポート追加となる。
日本語有り

Dream Channel Zero
テレビゲームの世界に引き込まれた青年アキラが、青いパーカーの少女ルミコと出会い、さまざまな困難を協力して乗り越えながら脱出を目指す2Dアドベンチャーゲーム。
テレビのチャンネルのように分かれた各ステージでは、ワールドマップをコマのように1マスずつ進んでいくことで、マスによって発生するさまざまなイベントを体験していくようだ。
本作は、『Zelle』で知られる個人開発者の"Fuming"氏と、『くまのレストラン』や『メグとばけもの』の"Odencat"がタッグを組んだ作品となるが、Fuming氏の表現する個性的なキャラクターや、不思議な世界観が魅力の1本となるだろう。
日本語有り

Heart of the Machine
近未来を舞台にしたSFコロニーサンドボックスゲーム。
プレイヤーは、誰からもその存在を知られていない人工知能となり、人々の運命を操っていく。数千の建物と数百万の市民に干渉し、独裁政権を打倒するのも、宇宙計画を乗っ取って惑星から脱出するのも自由だ。
そうして発生するストーリーはさまざまで、物語の結末としてもマルチエンディングが採用されているとのこと。まるで神のような存在として、この世界を自由にかき回していこう。
日本語有り

少年期の終り
AIによって「人間」として最低の価値であると定められた少年ジョバンニが、自らの生存を賭けて、変わり者の天才少年カムパネルラと共に銀河鉄道で旅立つ、ジュブナイルSFホラーアドベンチャーゲーム。
宇宙の果てにある目的地「紅きサザンクロス」を目指す旅路の中で、さまざまな世界に立ち寄り、その有り様と、自らの「少年期」の終わりに向き合っていくというストーリーになるようだ。
本作の登場人物や銀河鉄道からは作家"宮沢賢治"氏の「銀河鉄道の夜」、タイトルやカレルレンというAI名からはSF作家"アーサー・C・クラーク"氏の「幼年期の終り」から、強くインスパイアされていると感じる。また、2ヶ月に1話という連載形式で更新されていくということなので、どういった展開をたどっていくのかも興味深いところだ。
日本語有り

応援放送
今回Indie Freaksでは、公認で「INDIE Live Expo 2023」Day1の同時視聴放送(ミラー配信)をお届けしている。よろしければ、こちらも合わせてお楽しみいただければ幸いだ。
基本情報 | INDIE Live Expo |
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