『D Life(デンシライフ)』は、まるで宇宙空間のような電子の海を漂う電子生命体を撮影することで、ハイスコアを狙っていくレトロな雰囲気が特徴の2Dゲームだ。
トレーラーやスクリーンショットからもご覧いただけるとおり、本作はどこか懐かしさを感じさせるレトロなビジュアルと電子音で制作されていて、古き良きアーケードゲームを彷彿とさせるものとなっている。実際に、インターフェースもテーブル筐体を模したものとなっていることに気づくだろう。
レトロでありながらも、既存のジャンルに当てはまらないユニークさを感じる本作を紹介しよう。

電子を感じて撮影する
本作の目的は、電子の海に漂う電子生命体を撮影してハイスコアを狙うというものだ。
ゲームを開始すると、画面には電子の海が広がっている。そこには、6種類の色を持った電子生命体が無数に漂っていて、プレイヤーはステージ毎に指定されるミッションに応じた「色数」に収まるように、彼らを撮影することでステージクリアとなる。

撮影するには、マウスをクリックし続けると広がるサークル状の「撮影範囲」に電子生命体を収めればいいのだが、予測のつかない動きをする彼らを捉えることは難しい。電子生命体の1匹1匹はドットのような小さな粒。それが、粒状のまま漂っていたり、群れのように固まっていたりするのだ。
指定された色数を下回っても上回ってもアウトだが、指定の範囲内で電子生命体を多数撮影できればハイスコアが獲得できる。小さなサークルで堅実にクリアするか、大きく広げたサークルでハイスコアを狙うか、その見極めが難しくも面白い。
直感的に理解できるほどのシンプルさながら、そうした駆け引きに思わず繰り返しプレイしてしまう魅力が感じられた。

2つのゲームモード
ゲーム開始時には「BASIC」と「TIME LIMIT」の2つのゲームモードが選択可能だ。
BASICがチュートリアルにあたり、制限時間がないので、撮影タイミングの測り方などじっくりと時間をかけてゲームシステムに慣れていくことができる。
そして、言わば本番であるTIME LIMITでは制限時間があり、さらにステージクリア毎に「クリア条件」と「報酬(制限時間の加算など)」を、プレイヤー自身が選択して先に進んでいくのだ。
制限時間があるため、BASICのようにいつまでもタイミングを待ってはいられないが、限りある時間の中でスコアを稼いでいくためには思い切りも必要。それ自体もプレイヤーの判断として、楽しめるポイントだろう。

本作にストーリー性はないが、ゲームシステムのみで勝負をしている趣きが感じられるのは潔い良い。既存のジャンルにあてはめることは難しいが、スコアアタックを好む方には特におすすめだ。
なお、本作は『ディグダグ』や『ゼビウス』、『ドラゴンバスター』といった名作タイトルの楽曲を手掛けた"慶野由利子"氏が、楽曲や効果音などすべて担当されているとのことだ。そうした部分に思い入れのある方にも、たまらないタイトルになっているはずだ。
基本情報 | D Life(デンシライフ) |
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開発 | Mindware Co.,Ltd.(有限会社マインドウェア) |
販売 | Mindware Co.,Ltd.(有限会社マインドウェア) |
配信日 | 2023年6月22日 / 日本語有り |
定価 | 800円(Steam) |