2023年7月14日〜16日に京都みやこめっせにて開催されている「BitSummit Let's Go!!」より、新鮮な感動を与えてくれるパズルアドベンチャーゲーム『Akurra』のブースレポートをお届けしよう。
ユニークなゲームシステムを紹介すると共に、会場ブースにいらっしゃった開発者さんへのインタビューも載せているので、ぜひ最後までご覧いただきたい!
メトロイドヴァニア・パズルゲームと名付けたい!
『Akurra』は、複数のエリアが繋がって作られた世界の謎を解いていくパズルゲームだ。1マスずつ押せるブロックを動かして、スイッチを押したり穴を塞いだりしながら、用意されたパズルに挑戦していく。
例えば、赤い鐘を鳴らすと赤いブロックが壊れ、緑のカギを持っていれば緑のカギマークのブロックを壊すことができる。そうして別のエリアへの道を開いて次のエリアにあるパズルに挑む、といった感じだ。
キャラクター操作に必要なのは十字キーのみ。プレイヤーを急かすような時間制限がある場面も一切なく、常にリラックスしたゲームプレイを楽しめる。なので、クラシックな『倉庫番』のようなパズルゲームを想像していただいて差し支えない。
しかし、『Akurra』にはそのクラシックスタイルなパズルに、より刺激的なシステムが組み込まれている。

Steamページの言葉をそのまま引用すると、それは「オープンワールド」のシステムだ。『Akurra』のパズルはエリアごとに独立しているのではなく、互いに影響を及ぼしている仕掛けが散りばめられている。
通常であれば、エリアAに緑のカギブロックがあれば、必ずエリアAに緑のカギがあるはずだが、『Akurra』ではそうとは限らない。他に進めるエリアBやエリアCの道を見つけて、そこで手に入れた緑のカギをエリアAで使用する、ということが起こるのだ。
つまり、プレイヤーはエリアのパズルを解きつつ、世界全体の探索も行っていくことになる。パズルを解いた喜びが、「これ以上進めないな…」と思っていた他のエリアの道を開く嬉しさに繋がり、さらにその先には新しいパズルが待っている。
このパズルと探索による喜びと快感の連鎖が、『Akurra』を非常にユニークなパズルゲームに仕立て上げている。個人的にはオープンワールドと言うよりは、「メトロイドヴァニア・パズルゲーム」と呼びたいところだ(開発者さんも笑顔でうなずいてくれていたので正しい印象のはず!)。

パズルが解けない≠前に進めない
ここまで聞くと、ある不安が頭に浮かぶかもしれない。
どこかのパズルが一つでも解けないと、別のエリアへの道も開けず、そうなるとゲームが手詰まりになるのでは…という不安だ。
実は、この不安に対しての配慮もちゃんと行われている。物語上、進む必要のある道は、すべてのエリアのパズルを解かなくても進めるように作られているのだ。つまり、解き方がわからないパズルを後回しにすることが案外気楽にできるので、この点も先ほどの快感の連鎖を途切れさせない工夫のひとつのように感じた。
もちろん、すべてのパズルを無視して進めるようには出来ていないが、すべてのパズルを解くことを強制されることもない。ただし、100%コンプリートしてゲームクリアすると特別なエンディングを迎えることができるとのこと!
ゲーム紹介の最後となるが、『Akurra』は言語に頼らないゲームプレイと物語で構成されている。Steamを見ると英語のみの対応となっているが、どの国・言語のプレイヤーが遊んでも楽しめる作りになっているのはとても嬉しいことだ。

最初は趣味で作っていただけだった
ここからは会場ブースにいらっしゃった開発者「Jason Newman」さんへのインタビュー内容を紹介していきたい。
【質問】開発を始めたきっかけを教えてください。
実は、5年前に趣味として作ってただけなんです。2年前にあるチャンスを得て、Kickstarter(クラウドファンディング)でプロジェクトを発表して成功を収めて、そこから本格的な開発を始めることになりました。
【質問】開発チームは何人ですか?
音楽以外は全部1人でやっています。プログラミングはもちろんだけど、トレーラーに出てくるイラスト(Steam)も僕が描いてます!
【質問】インスパイアを受けたゲームはありますか?
ゲームを見てもらうと伝わるかもしれませんが、スーパーファミコンやゲームボーイの作品がすごく好きなんです。その中でも『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実』や『スーパーメトロイド』は特別です!
【質問】ゲーム全体のボリュームはどのくらいですか?
パズルゲームなのでプレイヤーによって差が出ると思うのですが、大体10〜12時間でクリアを想定しています。ただ、100%のクリアを目指すならその倍はかかるかもしれませんね! エンディングは今のところ2種類を考えていますが、もう1種類ぐらいは増したいと思っています。
【質問】対応機種は決まっていますか?
今決まっているのはSteamだけなんですが、任天堂のゲームが大好きだからNintendo Switchに出したい気持ちがやっぱり強いですね。もちろん、PlayStationやXboxへの対応も検討しています!
【質問】発売日やお値段は未定ですか?
今のところはっきりとした発売日はアナウンスできてないんですが、来年にはリリースできるよう頑張っています。価格は19.99ドルです。
かなり前から『Akurra』は気になっていたタイトルだったが、こうして開発者さんとお話ししながらの短時間のゲームプレイでも練り込まれたユニークさに興奮したので、個人的には確実に「買い」の1本となった。
『Akurra』は現在Steamから無料のデモ版をダウンロード可能。デモ版でも100%クリアするのは簡単ではないとのことなので、気になった方はぜひ気軽にチャレンジしてみよう!
※ちなみに、Steamに記載されている日本語はかなり怪しげだが、このテキストも将来的に改善する予定とのこと。
