
2023年7月14日〜16日に京都みやこめっせで開催されている「BitSummit Let’s Go!!」において、日本国外タイトルの国内パブリッシングサポートを担う「架け橋ゲームズ」の「10周年記念ステージ -これまでの軌跡&特別なお知らせ-」が行われた。
ステージのMCは、弊Indie Freaksの一員でもある、架け橋ゲームズ マーケティングテキストマネージャーのLayerQ(YouTube・Twitter)が務める。
架け橋ゲームズ (Kakehashi Games) とは
日本国外のゲーム開発者/販売会社が日本向けにタイトルのリリースを望む際にビジネスサポートを行っているチーム。
クライアントは国内のパブリッシャーパートナーを持つことなく、高品質の日本語ローカライズやユーザーの手に届くマーケティング、レーティング審査、メタデータ編集、そして、国内のイベントオペレーションなどさまざまなサービスを受けることが可能。
これまでの軌跡
ステージの前半では、今年で設立10周年を迎えた「架け橋ゲームズ」がこれまでに歩んできた軌跡が語られた。
代表のザック・ハントリ氏と、現在は同社を離れて活躍されている矢澤竜太氏(公式サイト)による創設の成り立ちとともに、同社が手掛けるパブリッシングサポートの内容が、ローカライズやリリース支援といった細やかな分野にまで及ぶこと、そうしてこれまでに手掛けられたタイトル数は300本を超えることが紹介された。
なお、今回に先駆けて2023年4月7日にYouTubeにて「【架け橋ゲームズ】設立10周年記念!特別ライブイベント」が行われている。
そこでは創設者座談会や、多くのファンから高い評価を得ている同社の日本語ローカライズに関するよりディープなエピソードなども語られており、本誌でも記事で取り上げているので、あわせてご覧いただければ幸いだ。

パブリッシング事業のアナウンス
ステージの後半では「特別なお知らせ」として、「ワールドワイドでのパブリッシング事業」を開始するとの発表が行われた。

これまで、日本国内向けのパブリッシングサポートに専念していた同社の新たな一歩というわけだ。先に触れた4月のオンラインイベントで、代表のザック氏から語られていた展望が形として成ったものだろう。
以下は、最初のパブリッシングタイトルとして発表された2タイトルだ。
Sagres

韓国の開発スタジオ"ooze"が手掛ける、15世紀の大航海時代をベースとした航海シミュレーションアドベンチャーゲーム。
世界を股にかけた冒険が繰り広げられる本作だが、船員として選んだ航海士たちが冒険で赴く先で使われている言語知識がないと、現地の会話が意味として理解できない表示になる、というユニークな要素が面白いシステムとして紹介された。
2023年4月3日より、すでに早期アクセスを開始しているが現在は韓国語のみのサポート。これが製品版では日本語、および英語がサポートされる。
今年のBitSummitの架け橋ゲームズブースに置かれた試遊台、およびSteamにて公開されているデモ版には日本語が収録された状態となっているので、ぜひ体験してみるといいだろう。

SONOKUNI

日本の開発スタジオ"DON YASA CREW"が手掛ける、バイオSF×日本神話という奇抜な世界観が魅力的な見下ろし型ハードコア高速アクションゲーム。
アクションは「攻撃」「受け流し」「スロー」の3つだけなので直感的な操作が可能だが、その限られた手段でいかに攻略していくかという戦略性と操作の正確性が要求されるものとなっている。
そして、開発チームであると同時にJ-HIPHOPグループとしても活躍する"DON YASA CREW"による、さまざまな日本語ラップ楽曲がBGMとして流れるという、音楽性の高さや表現力といったところもまた魅力的だ。

今回のステージでは、"DON YASA CREW"のHIPHOPクルーの"佐川ドン"氏がスペシャルゲストとして登場し、HIPHOPグループからゲーム開発という異分野へと挑戦したきっかけや、現在の開発状況などが語られた。
佐川氏の魅力的なキャラクターは文章ではなかなか伝えきれないため、ぜひ公式放送アーカイブを見て体験してほしい。

ステージでも語られたが、これまで10年にわたって海外と日本を繋げてきた実績と経験、それに裏打ちされたインディーゲームコミュニティからの厚い信頼こそが同社の強みだ。
パブリッシャーとしての今後の活躍にも、ますます期待していきたい。
基本情報 | 架け橋ゲームズ |
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公式サイト | kakehashigames.com |
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