岸壁を登り、遥かなる高みを目指せ『New Heights』


テヌキボーズ

New Heights』は、手軽に本格的なクライミングやボルダリング体験を楽しめるシミュレーションゲームだ。

クライマーによって作られた本作は、実在する場所をスキャンしてゲーム内へと取り込むなどリアリティを追求しており、自宅に居ながらにして「本物」のスリルと興奮を楽しめる一作に仕上がっている。

▲こんな場所も、ゲームならスイスイ登れる!

まずはトレーニングから!

何事においても基礎は重要である。応用というのは、基礎をしっかり固めてこそできることだからだ。そんなわけで、まずはトレーニング場でボルダリングをしながら、操作の基本を学ぼう。

ボルダリングとは、ロープやハーネスといった道具を使わず、自身の身体と判断力のみを頼りに「ホールド」と呼ばれる石のようなものが取り付けられた壁を登るスポーツだ。

本作においては、両手・両足を個別に操作して身体をしっかり保持できるホールドを探しながら、ボルダリング壁を登っていくことになる。保持できないとスタミナが削れていき、最終的に落下してしまうので注意が必要だ。

▲現実なら全身筋肉痛になりそう

グリップの向きと身体の重心

身体を保持できるホールドとはどういう意味か、もう少し詳しく書いてみよう。

よさげなホールドを求めて手や足を動かしてみると、内部にメーターが記された矢印が表示される。これがグリップ力と向きだ。

ホールドはそれぞれ形状が異なるため、当然ながら場所によってつかんだり足を置いたときの安定度が異なる。それを表現したのがこのメーターと矢印なのだ。

メーターはグリップ力を表し、安定度に応じてメーターが増減する。メーターの示す値が高いほど、安定していることになる。矢印はグリップの向きだ。向こう向きなら引っ張れるし、こっち向きなら押せる。

身体を動かして重心を変えることもでき、それに応じてグリップ力と向きも変化していく。そして、両手・両足のグリップ力の合計が一定以上に保てれば、身体をしっかり保持できているとみなされるわけである。

▲スタミナが尽きると落下。これは痛そうだ!

いざ、アルデンヌへ!

トレーニング場で基礎を学んだなら、応用となるクライミングに挑むときだ。

クライミングは、目的や登り方によって呼称が細分化される。本作では道具に頼らず、己の肉体と技術のみを頼りに岸壁を登ることから「フリークライミング」が該当するだろうか。

アルデンヌには3つのロケーションが存在し、それぞれに複数のセクション、コースが用意されている。しかし、最初にアクセスできるのは、初心者向けの岸壁「ロシェ・デュ・カジノ」だけだ。残りのロケーションやセクションは、クライマーとして経験を積むにしたがって徐々にアンロックされていく。

▲難易度別にコースが用意されている

クライマーの頂点を目指せ

ボルダリングとクライミングの違いは、手がかり、足がかりの数の差だろう。

複雑な形状をした岸壁は、コースとして指定された狭い範囲であっても、無数の選択肢を与えてくれる。ホールドが進むべき道を示していたボルダリングとは大きく異なる点だろう。試行錯誤を楽しもう

チェックポイントを経由しながらゴールへと辿り着ければ、コースクリアだ。各コースにはチャレンジ目標も設定されており、それらを達成できれば「星」を得られる。目標は「ゴール到達」というシンプルなものの他に、「ゴールまで一度も落下しない」「規定タイム以下でゴール到達」の3つが用意されている。

「星」を集めていくことで、新たなコースが含まれたセクションがアンロックされていく。さらなる試練を望むなら、積極的にチャレンジ目標達成を目指そう。

また、各コースには世界中のプレイヤーのゴールタイムが記録されたリーダーズボードが用意されているため、記録更新に挑んでみるのも良いだろう。

▲世界中のクライマーとタイムを競おう!

さらなる高みを目指して

本格的なボルダリング、クライミング体験を題材とした珍しい本作。

早期アクセス中ながら目立った不具合もなく、加えて全てのコースを完全にクリアしようと思ったら50時間以上は楽しめるボリュームとなっている。日本語の翻訳品質も高い。

今後、新たなロケーションや、「キャリア」クエストの追加に加えて、マルチプレイ対応も検討中のようだ。

現実でクライミングに挑むのは不安だが、興味はあるという方は是非チェックしてみてほしい。

基本情報
開発 Wikkl Works
販売 Wikkl Works, WhisperGames
配信日 2023年7月7日 / 日本語あり
定価 2,300円(Steam
Indie Freaks

Support us