無線機を手に超常現象に対処せよ『OXENFREE II: Lost Signals』

Masa Kei

2023/07/13

2024/09/14

OXENFREE II: Lost Signals』は、高く評価されたSFアドベンチャーゲーム『OXENFREE』の続編だ。前作をプレイしておけば物語をよりディープに楽しむこともできるが、本作を単独でプレイしてもかまわない。

主人公は前作のアレックスたちから新主人公のライリーに交代。

故郷である海岸沿いの町カミーナに戻ったライリーは、謎の無線信号を調査するために送信機を設置するように指示される。彼女は前作で描かれた5年前の出来事を知らない。ということは、前作をプレイしていないユーザーはライリーに近い立場で不可解な現象を体験できるだろう。

▲空間を裂くように大きな三角形が……!?

歩きながらの会話が自然!

本作の特長は、自然な会話のようにリアルタイムにキャラクターが発言し、2~3択の選択肢からセリフを選んでいくことで物語が紡がれていく点だ。

例えば、調査の相棒となるジェイコブと合流したあとは、登山道を登りながら話を聞く。実は高校の同窓生でライリーと面識があるということやジェイコブの仕事について、長い自己紹介が続く。

その間ずっとプレイヤーはライリーを操作しながら道を進んでいき、障害物を乗り越えていくのだ。

▲登山道を登りながら会話が続く

2~3択の選択肢はかなり頻繁に出てくる。どれを選んでもあまり影響なさそうな場面が多いけれども、たまに相手が反応してキャラクターの顔アイコンが出て、相手が頭の中で誰のことを考えているのかが分かる。好感度のような要素がありそうだ。

▲車が故障してるか試してみてと言われたら?

面白いのは、選択肢を選ばずに時間切れになると「何も発言しなかった」という扱いになることだ。相手がしゃべっているときに割り込まずに聞くこともできるし、無線通信で応答を求められたときに返事しないのも自由だ。あのとき黙っていたらどうなったんだろう? と思わせる場面が随所にあった。

無線機を使うタイミングはあなた次第!

無線機を持っているときは、いくつかの「チャンネル」から選んで無線会話ができる。無線を使うタイミングはプレイヤー次第なので、頻繁に連絡するかしないかによっても展開が変わってきそうだ。

▲チャンネルを選んで無線会話できる

また、無線機で「周波数」を合わせるとラジオのように音声を拾える。これもタイミングは自由なので、特定の場面で聴ける音声が見つかるかもしれない。

前作をプレイした方にはお馴染みの要素だが、無線の周波数調整が超常現象にも関わってくる。

このように、会話選択肢と無線機によってプレイヤーが物語に影響を与えていく機会がごく自然に組み込まれている。

▲試しに野球中継の周波数に合わせてみたところ

最初の60分で物語に引き込まれる!

物語の導入部分をプレイしてみたところ、送信機を設置するという最初の目的を達成したあたりからドッと押し寄せるような展開に引き込まれた。

序盤がテンポよく進んだのも好印象だ。物を調べたり、謎の機械を見つけてちょっとしたパズルを解いたりもするが、行き詰るようなものではないし、没入感を削がれることもない。

会話やストーリー中心に楽しみたい方に安心しておすすめできる。

▲マップもある。行ける場所がたくさんありそう!

軽いビックリ演出はあるらしい

最後に、警告が必要なコンテンツについてご説明しておこう。タイトル画面から「コンテンツ警告」を選ぶと「このゲームでは、選択するシナリオによって精神面や感情面での不快感を引き起こす恐れがあります」と書かれている。詳細はリンク先にある開発元のウェブサイト(英語)で確認することができる。

このシリーズは心理学的なテーマや、超自然現象、SF、ホラーを扱っていることも詳細ページに書かれている。ただし、レーティングは「12歳以上」「ののしり言葉(軽度)」であり、それ以上ではない。

ホラー中心というよりは、不穏な影がちらつきながらも美しいアートスタイルのゲームという印象を受けた。前作未プレイの方も含め、アドベンチャーゲームファンにぜひプレイしてみてほしい。


基本情報
開発 Night School Studio
販売 Netflix
配信日 2023年7月13日 / 日本語あり
定価 2,500円(Steam, Nintendo Switch) 2,750円(PS Store

この記事で紹介されているゲーム

Oxenfree

インディー

アドベンチャー

2016年1月15日
¥1,010

OXENFREE II: Lost Signals

インディー

アドベンチャー

2023年7月13日
日本語対応
¥2,500
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発売日2023年7月13日
ジャンル
アドベンチャー
インディー

カテゴリ
シングルプレイヤー
Steam実績
フルコントローラサポート
Steamクラウド
ファミリーシェアリング
ストアページリンク

OXENFREE II: Lost Signals

「OXENFREE」で起こった一連の出来事から5年、主人公ライリーは謎の無線信号を調査するため、故郷のカミーナに戻ってくる。そんななか、彼女は近隣のエドワーズ島で想像を絶するものを発見するのだった。

Play the mind-bending original, OXENFREE

https://store.steampowered.com/app/388880/Oxenfree/


ゲームについて


テレビがついたり消えたりし、飛行機は通信能力を失い、ラジオ局は雑音障害のため放送不可能な状態に。海岸沿いの小さな町カミーナでは、異常な電磁波により、電気機器や無線装置に障害が起こり始めた。この不可解な現象を調査するため、しぶしぶながらライリー・ポヴァリーが故郷に舞い戻る。そんな彼女を待ち受けていたのは、想像を絶する体験だった。

「OXENFREE II: Lost Signals」は、Night School Studioが制作し、高く評価されたナラティブ・アドベンチャーゲーム「OXENFREE」の画期的続編。続編だけを単独ストーリーとしてプレイすることも、オリジナルを先にプレイしてよりディープに掘り下げることもできる。プレイしながら、オプションを選択することで、ストーリーが順々に構成されていく。迫りくる超常現象にどう対処するか、その決断が未来を左右する。



プレイヤーによる選択が重要。
会話とセリフの選択により、ストーリー全体が構成されていく。高校時代の旧友と友情を深めたり、助けを必要とする釣り人を無視するなど、状況ごとの選択により、ライリーの人柄や人間関係、また物語の展開に合わせて表示されるオプションが変化する。



どこからでも自由にチャットを開始。
新しい無線会話システムを使って、相手とチャットし、カミーナに潜む謎の解明に役立つ情報を収集。特定の情報を求めたり、地元の住人に聞いてみたり、あるいは、どんな情報も完全に無視することも可能。すべてプレイヤーの決断次第。そして決断ひとつひとつがその後の展開に影響を及ぼす。



ペアレンテージを阻止。
5年前、近くのエドワーズ島で、数人のティーンが偶然に異次元への扉を開けたことで、現実世界と時系列の間に亀裂が発生。そして今、ペアレンテージと呼ばれる謎めいたカルト集団が新たな扉を開き、そこから何かを呼び出そうと企んでいる。彼らはいったい誰なのか? その目的は? 幽霊と交流しようとしているのか?



無線を受信。
霊的な信号が飛び交うカミーナ。「OXENFREE」で登場した独特の無線システムを使用して、不気味な音声とノイズを解明。時空に不自然に生じた亀裂に周波数を合わせることで、超常世界と通信し、世界を操り、過去に旅することが可能になる。



世界を救う。
「OXENFREE」では未来が危機にひんしていたが、「OXENFREE II」ではその脅威はさらに高まる。美しくも危険をはらんだカミーナの町を舞台に、高所に登ったり崖を下りたりしながら、その複雑な地形のあちこちを探索していく。ライリーはもとより、全員の未来のため、リスクを恐れずに道を切り開いていこう。それが危険を招くか、未来を救うか、やってみなければわからない。