『OXENFREE II: Lost Signals』は、高く評価されたSFアドベンチャーゲーム『OXENFREE』の続編だ。前作をプレイしておけば物語をよりディープに楽しむこともできるが、本作を単独でプレイしてもかまわない。
主人公は前作のアレックスたちから新主人公のライリーに交代。
故郷である海岸沿いの町カミーナに戻ったライリーは、謎の無線信号を調査するために送信機を設置するように指示される。彼女は前作で描かれた5年前の出来事を知らない。ということは、前作をプレイしていないユーザーはライリーに近い立場で不可解な現象を体験できるだろう。
歩きながらの会話が自然!
本作の特長は、自然な会話のようにリアルタイムにキャラクターが発言し、2~3択の選択肢からセリフを選んでいくことで物語が紡がれていく点だ。
例えば、調査の相棒となるジェイコブと合流したあとは、登山道を登りながら話を聞く。実は高校の同窓生でライリーと面識があるということやジェイコブの仕事について、長い自己紹介が続く。
その間ずっとプレイヤーはライリーを操作しながら道を進んでいき、障害物を乗り越えていくのだ。
2~3択の選択肢はかなり頻繁に出てくる。どれを選んでもあまり影響なさそうな場面が多いけれども、たまに相手が反応してキャラクターの顔アイコンが出て、相手が頭の中で誰のことを考えているのかが分かる。好感度のような要素がありそうだ。
面白いのは、選択肢を選ばずに時間切れになると「何も発言しなかった」という扱いになることだ。相手がしゃべっているときに割り込まずに聞くこともできるし、無線通信で応答を求められたときに返事しないのも自由だ。あのとき黙っていたらどうなったんだろう? と思わせる場面が随所にあった。
無線機を使うタイミングはあなた次第!
無線機を持っているときは、いくつかの「チャンネル」から選んで無線会話ができる。無線を使うタイミングはプレイヤー次第なので、頻繁に連絡するかしないかによっても展開が変わってきそうだ。
また、無線機で「周波数」を合わせるとラジオのように音声を拾える。これもタイミングは自由なので、特定の場面で聴ける音声が見つかるかもしれない。
前作をプレイした方にはお馴染みの要素だが、無線の周波数調整が超常現象にも関わってくる。
このように、会話選択肢と無線機によってプレイヤーが物語に影響を与えていく機会がごく自然に組み込まれている。
最初の60分で物語に引き込まれる!
物語の導入部分をプレイしてみたところ、送信機を設置するという最初の目的を達成したあたりからドッと押し寄せるような展開に引き込まれた。
序盤がテンポよく進んだのも好印象だ。物を調べたり、謎の機械を見つけてちょっとしたパズルを解いたりもするが、行き詰るようなものではないし、没入感を削がれることもない。
会話やストーリー中心に楽しみたい方に安心しておすすめできる。
軽いビックリ演出はあるらしい
最後に、警告が必要なコンテンツについてご説明しておこう。タイトル画面から「コンテンツ警告」を選ぶと「このゲームでは、選択するシナリオによって精神面や感情面での不快感を引き起こす恐れがあります」と書かれている。詳細はリンク先にある開発元のウェブサイト(英語)で確認することができる。
このシリーズは心理学的なテーマや、超自然現象、SF、ホラーを扱っていることも詳細ページに書かれている。ただし、レーティングは「12歳以上」「ののしり言葉(軽度)」であり、それ以上ではない。
ホラー中心というよりは、不穏な影がちらつきながらも美しいアートスタイルのゲームという印象を受けた。前作未プレイの方も含め、アドベンチャーゲームファンにぜひプレイしてみてほしい。
基本情報 | |
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開発 | Night School Studio |
販売 | Netflix |
配信日 | 2023年7月13日 / 日本語あり |
定価 | 2,500円(Steam, Nintendo Switch) 2,750円(PS Store) |