【BIC Festival 2023】韓国最大級のインディーゲームの祭典! 今すぐデモ版が遊べる3タイトル『Sagres』『Ratopia』『のらねこものがたり2: お外は危ないよ』

韓国最大級のインディーゲームの祭典Busan indie connect festival 2023(通称:BIC Festival)では、2023年8月25日から3日間にわたってオフラインイベントが釜山で開催されている。
Steamに特設ページもオープンしているので、まずは展示タイトルを眺めて楽しもう。この記事では、日本語対応のデモ版が遊べる注目の3タイトルをご紹介する。

Sagres
架け橋ゲームズによる最初のパブリッシングタイトルの1つが、この『Sagres』。大航海時代の幕開けに世界を巡るシミュレーションアドベンチャーゲームで、航海、造船、探検、貿易など、さまざまな要素が詰まっている。
現在の早期アクセス版は韓国語のみ対応となっているが、体験版がすでに日本語対応しており、製品版は日本語で全編遊べる予定だ。

プレイヤーは、ポルトガルの小都市「サグレス」の航海学校を卒業した青年フェルナンドとなり、親交のある女性ルシアが消息不明の父親を探す旅に同行する。
ゲームの流れとしては、遺跡や宝物を探す依頼を受けてから都市で情報を集め、船員、食料、水などを補充してから、目的地に近い港を目指して海路を進む。港から先は陸路を移動。目的地で発見した物や情報を都市に持ち帰って報奨金を手に入れ、名声を高めよう。

戦闘はジャンケンをベースにしたカードバトルとなっており、発掘や遺跡探険ではパズル的なミニゲームにチャレンジする。また、訪れた地域の言語を理解できる航海士がいないと情報収集ができないため、航海士を選ぶときは言語能力も重要になってくるというのも面白い。

Ratopia
『Ratopia』は、ネズミの市民たちが幸福に暮らせる都市を建設するシミュレーションゲーム。本作は7月の「BitSummit Let’s Go!!」にも出展されていたし、9月の東京ゲームショウ2023でもまた日本にやってくる予定だ。

開発元Cassel Gamesの前作『Ratropolis』をプレイした方も少なからずいるだろうし、都市建設シムを好んで遊んでいる日本のゲームファンに、良い形で届いてほしい。筆者としても継続的に情報をお伝えして、広めていきたいタイトルである。
プレイヤーキャラクター(ネズミの王女)を直接操作して指示を出し、前線で戦うこともできるという点が、このジャンルではやや珍しい。かわいい動物キャラクターで親しみやすいのもポイントだ。

本作で重要なのは、市民の「幸福度」。
市民たちが反乱を起こさないように、食事だけでなく娯楽も充実させて、幸福度を高く維持しよう。税金をしっかり徴収して資金を確保することも大切だが、税金を重くしすぎて市民が苦しい生活になると幸福度が下がってしまうし、経済がうまく回らなくなるだろう。
市民が幸福な生活を送るためには、職場があって収入を得ることができて、娯楽などにお金を使う余裕もなければらない。本作は、そのバランスを考えながら都市を建設し、国家を運営するゲームである。さらに、地下を掘り進めて遺跡を発見したり、新しい地域を開拓したりすることもできるようなので、探索と冒険も楽しめそうだ。

のらねこものがたり2: お外は危ないよ
本作は、飼い猫の「シナモン」が家の外に出てしまい、野良猫たちの厳しい生活を体験するアドベンチャーゲームだ。すでにゲームは正式発売しており、最後までプレイすることができる。

シナモンが新しい場所に行くときには、「倉庫番」式のパズルを解いていくことになる。また、1日を過ごす内にお腹が空いてくるので、狩りをして食べ物を確保しなければならないというサバイバル要素もある。

路上には他の野良猫たちがたくさんいる。街を歩き回って、さまざまなキャラクターに好きな物をプレゼントするなどして交流を深めよう。
本作は野良猫に関する社会問題を扱ったゲームでもある。悪質な多頭飼い、餌やりが近隣住民の迷惑となる問題、謎の人物によって飼い猫が消えていく事件など、野良猫たちを取り巻く環境の厳しさが描かれ、(本作が開発された韓国で)現状を知ってもらいたいという真面目な動機から企画されたゲームなのだ。
ただし、「猫が悲しい目にあうのを見るのは辛い」といったユーザーの声が反映され、ノーマルエンドでも悲しい結末にはならず、さらに幸福なエンディングを探す楽しみもあるという配慮がなされている。
韓国のインディーゲームシーンで印象的なのは、こうした社会問題を扱ったゲームを時折見かけることだ。本作以外にも、自殺防止をテーマにした『30 Days Another』や、司法解剖への偏見を減らそうとして企画された『For Your Tranquility』などがあり、韓国でクラウドファンディングが行われた際、それぞれの企画意図が語られている。

