『ゴールデンレコードレトリバー』は、異星人に誘拐された犬が、宇宙にばらまかれたレコードを回収する任務を与えられ、行く先々で異星人の乗組員をスカウトしながら、さまざまなミッションをクリアしていくデッキ構築型ローグライトゲームだ。
ただし、カードによるデッキを構築するのではなく、ダイスを集めたデッキというのが珍しい。
なんで犬が宇宙に……!?
『ゴールデンレコードレトリバー』というタイトルは、ボイジャー探査機(Wiki)に積み込まれた「ゴールデンレコード」と犬種の「ゴールデンレトリバー」を組み合わせたものだろう。
主人公である犬の「リバー」は、飼い主が温かいメッセージを込めて宇宙に送ったレコードが星々でトラブルを起こしていると聞き、レコード回収の旅に出ることになる。
本作は2023年8月3日に早期アクセスを開始した時点では日本語に対応していないが、「できるだけ早くローカライズするよう最善を尽くします」とストアページに記載されている。興味のある方はウィッシュリストに入れてそのときを待とう。
ダイスを振って3色のオーラを並べよう!
ゲームの流れとしては、マップ上に示された分岐路からアイコン(救難信号、リクルート、ショップなど)を選択し、必要であればダイスデッキを使ってさまざまな「状況」に対処することになる。
画面上部に表示された色と配置の条件を満たして、次々と出てくる状況を順に解決していこう。4×2個のボックスに6面体のダイスをひとつずつ振って配置すると、出た面に応じて、青(知恵)、赤(根性)、緑(策略)の3色のオーラがボックスに付与される。見事に解決できれば、報酬として「Dose」が手に入る。
手持ちのダイスを使い切ってもクリアできないときは、Doseを消費してリトライしよう。Doseはショップで使う通貨でもあるので、なるべく温存しておきたい。
乗組員をスカウトしてダイスを増やせ!
一部の星では、宇宙船の乗組員を雇うことができる。乗組員はそれぞれ1個のダイスで表現され、固有のスキルと、ダイスの面に応じた効果が設定されている。
例えば、「Three」というキャラのダイスは、左右にあるダイスを押し出すようにして移動させる。押し出されたダイスは、振ったときの効果がもう一度得られる(リロール)。「Three」のダイス自体も青か赤のオーラを生み出す。
このように、リロールの効果を狙ったり、押し出して空いたボックスに別のダイスを置いたりして、効率よくオーラを生み出していこう。
乗組員が持つ能力の相性を考え、シナジーが生まれるようにメンバーをそろえていくのが腕の見せどころであり、とても面白いポイントだ。
ダイスデッキを構築するゲームに加えて、ボードゲームやパズルの要素も持ち合わせたローグライトというのが、本作の際立った個性となっているように思う。
多彩なクエストで体験する宇宙探検ロマン!
さらに、クエストごとの特徴も変化に富んでいる。
例えば、最初のレコードを回収するクエストは、川底まで潜って探すという内容だった。まず、状況をいくつか解決すると酸素の量が決まり、続いて酸素を消費しながら状況を解決するたびに深度が深まっていく。さらに深く潜るか、それとも引き返すかという選択を迫られつつ、川底を目指す。
1枚の絵、ナレーション、乗組員たちの会話テキストでシンプルに表現されているのだが、ゲームシステム的にちゃんと潜水ミッションらしさが出ているのだ。
アナログのボードゲームを遊びながら想像力を働かせて、まるで冒険世界にいるかのような体験ができるのと似ている。本作は、奇妙な異星人たちと最高のチームを作って、危機一髪の宇宙探検ロマンを味わうナラティブなゲームとしてもおススメできるタイトルだ。
キミの行動が惑星の運命を変えていく!
さらに、ストアページによると、本作はレガシーシステムのボードゲームに強く影響を受けているとのことで、プレイヤーはやり直しのきかない永続的な影響を宇宙の星々に与えることになるようだ。助けた惑星はのちに恩返しをしてくれるだろうし、助けられずに衰退した惑星が増えていくほどミッション達成が難しくなっていくはずだ。
こうした形で、繰り返し遊ぶと環境が変わっていくというのも面白い。それぞれの惑星がたどる運命にプレイヤーが変化を与えることで、物語が紡がれていくのだ。
早期アクセスで明かされたストーリーは全体の40~50%で、6~7か月の早期アクセス期間を予定しているとのことだが、完成が楽しみなタイトルだ。ボードゲームやデッキ構築型ゲームのファンなら、チェックしておいて損はないだろう。
基本情報 | |
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開発 | Hoochoo Game Studios |
販売 | Hoochoo Game Studios |
配信日 | 2023年8月3日 / 日本語なし |
定価 | 1,800円(Steam) |