プログラミング可能なボットで築く自動化帝国『Desynced』


テヌキボーズ

Desynced』は、目的に合わせてカスタマイズしたボットで資源を集め、基地を拡大しながら未知の惑星探索を進めるSFリアルタイムストラテジーゲームだ。

プレイヤーは、原因不明の損傷により惑星軌道上に足止めされた宇宙船の指揮官だ。ボットたちを地表へと降下させ、船の修理に必要となる物資の生産と、損傷の原因を探るのが目的となる。

しかし、最先端技術の塊である宇宙船の修理は容易なことではない。損傷の影響は大きく、船のデーターセンターも蓄積された知識を失っているからだ。それを補うため、惑星上で技術研究も進めていく必要がある。

とはいえ、ボットたちは優秀で、指示を与えずとも必要な場所へ物資を輸送してくれるのでRTS特有の煩雑さはなく、マップは自動生成で無限の広さを持つため、資源枯渇の心配もない

頼りになるボットたちの助けを借りて、この危機的状況を乗り越えよう。

▲理想の自動化基地を構築しよう!

基地を支えるボットをカスタマイズ

基地拡大の要は、何と言ってもボットたちだ。
ボットにはサイズの異なるスロット(Small、Medium、Large)が搭載されており、そこへスロットサイズ以下の採掘マシンやレーダー、さらにはタレットといったコンポーネントをセットして役割を与えていくことになる。

また、ボットたちは機体ごとに特徴が異なる。たとえば、比較的初期に入手できる"ワーカー"と"スカウト"は共にSmallスロットを1つ備えている点は同じだが、前者は移動速度が遅く、後者は速くて名前どおり探索向きだ。

"ワーカー"には、ほとんど移動が不要な採掘作業を割り当てるなど、適材適所に配置を行えば効率的な作業が実現できるだろう。こうして目的に合った自分だけのボット部隊を構築できる点は、特に本作のユニークな点といえよう。

他のボットは、技術研究を進めることで解除が可能だ。

▲目的に応じてボットをカスタマイズ

基地で生産を始めよう

ボットたちに指示して鉄鉱石やクリスタルといった資源を十分に集めたら、基地の拡大に取りかかろう。本作では、さまざまな用途に利用できる多目的施設や、ストレージ、ビーコンといった特定の役割をもつ設備の建設が可能だ。

多目的施設には、ボット同様にサイズの異なるスロットが搭載されている。ここへ鉄鉱石の製錬・加工に用いるファブリケーターや、研究で必要となるアップリンクといったコンポーネントを設置して、固有の役割を与えていくわけである。

面白いのは、サイズさえ合えば、ボット/建物ともにあらゆるコンポーネントを搭載できることだ。もちろん、前述のファブリケーターなどはボットにも積めるので、あらゆる設備をボットに搭載した遊牧基地なんてのも実現できるわけである。どのような基地を築くかは、プレイヤーの発想次第だ。

▲研究を進めて多彩な製品を生産しよう

発見があふれる広大な世界!

惑星の探索はとても重要だ。すべての鉱脈には埋蔵量が設定されており、うっかり枯渇させれば生産活動の停止という事態を招きかねない。常に新たな鉱脈に目を光らせておこう。

ときには、未知の資源や廃墟が見つかることもある。

廃墟は、ゲーム序盤を効率的に進めるのに役立つ。ちょっとしたパズルを解いたり、基板など要求された修理素材を持ち込んだりすることで、希少資源や、序盤では開発できない高度なコンポーネントを入手できるからだ。

廃墟や鉱脈は、レーダーで探知が可能だ。ただし、惑星には虫型エイリアンも生息しており、不用意に刺激すれば貴重なボットが破壊されてしまうかもしれない。探索用ボットには、タレットなど十分な武装を施そう。

▲廃墟ではパズルが出題されることも!?

ボットの行動範囲を決める電力網

ボットや各種コンポーネントは電力で稼働する。さすが近未来というべきか、幅広いエリアへの無線電源送信システムが実用化されており、初期施設であるコマンドセンターから、周囲のボットや施設へと電力供給が可能だ。

この電力網は、小型パワーフィールドなどを設置することにより拡大が可能だ。また、電力網内部に発電設備を設置することで、電力の供給量を増加できる。

ボットたちは基本的に電力網内部でのみ自律的に活動するため、積極的に電力網を拡大していこう。逆にこの仕組みを利用して、電力網を島のように切り離し、行動範囲を制限することで作業効率を上げるという手段もとれる。

ちなみに電力網から外れたボットは、自前のバッテリーを消費して稼働することになる。バッテリー切れになっても移動は可能だが、移動速度は大幅に低下し、さらに搭載コンポーネントも利用不能となるので注意が必要だ。

▲電力網は視覚化もできる

高度なプログラミング

ボットたちは基本的に優秀なので、指示は最小限で済む。だが、手動で細かく行動を指示することも可能だ。このままでも特に不便はないのだが、さらなる効率を求めるならばプログラミングという手段が用意されている。

技術研究を進めることでビヘイビア・コントローラーというコンポーネントが開発できるようになる。これを装着したボットは、ビジュアルプログラミングを用いた高度な行動を設定できるようになるのである。

たとえば基地周辺の廃墟を探すボットや、敵を発見したら仲間を呼ぶボットなど、目的に応じたプログラムを施せば操作量は圧倒的に減るはずだ。

▲思い通りに行動させるには慣れが必要

ボットを駆使して惑星開拓

これまで見てきたように、ゲームの中心となるのはボットたちだ。コンポーネント組み替えや高度プログラミングなど柔軟性に富んだ仕組みは、独自のプレイスタイルを構築しやすい非常に面白いシステムだと感じた。

筆者は試せていないが、本作はマルチプレイにも対応している。CO-OPで協力プレイするもよし、効率を極めたプレイでPvPによる対人戦に挑むもよしである。

残念ながら日本語には非対応だが、試行錯誤を繰り返しながら効率を追求するのが好きな方にはぜひともプレイしてほしい一本だ。

基本情報
開発 Stage Games Inc.
販売 Forklift Interactive
配信日 2023年8月15日 / 日本語なし
定価 $29.99(Steam
Indie Freaks

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