傘でふんわり宙を舞い、至近距離から敵に銃弾を放て！『Gunbrella』

『Gunbrella』は、傘と銃が一体化した「ガンブレラ」を移動・攻撃・防御に駆使して、ギャングやカルト集団と銃撃戦を繰り広げるノワールパンク・アクションアドベンチャーゲーム。

開発元doinksoftは可愛いネコの2D探索型アクション『Gato Roboto』で知られているが、『Gunbrella』では作風ががらりと変わっている。

主人公となるのは、家族を失って復讐を果たそうとする男。カルト集団が潜む敵地には、禍々しい異形の存在が待ち構えている。気になっている方は、トレーラーなどで雰囲気をつかめるのでチェックしてみよう。

スチームパンクとノワールの融合

「ノワールパンク」と銘打たれているように、重厚でダークな世界観だ。蒸気機関車が街をつなぎ、歯車むきだしのレトロな機械が至る所に並んでいる。

本作のメイン武器は前方に散弾を放つショットガンで、威力は高いが射程はやや短いため、至近距離に寄って撃つ必要がある。

敵を吹き飛ばすごとに血が飛び散り、床や壁を真っ赤に染めていく。銃の反動や、体力が残り少なくなったときに思うように体が動かなくなる演出など、随所に生々しい感触と重みを感じさせるのがいい。

本作では、普通にジャンプするだけではあまり高く跳べない代わりに、上に向けて傘を開くとふんわりと高く上昇できる。2段ジャンプなどで高く跳べるゲームとは一味違った操作感覚を楽しめる。

左右へのダッシュ移動は空中でも可能。落下するときにも傘を使って滑空して飛距離を伸ばし、ゆっくりと安全に降下しよう。傘がグライダーやパラシュートになるわけだ。

ワイヤーロープが張られた場所では、傘を滑車代わりにして、ジップラインのように滑り降りることができる。勢いをつけてワイヤーからジャンプし、スピードに乗ったまま進むのが爽快だ。

探索要素がある横スクロールアクションゲームなので、いわゆる「メトロイドヴァニア」なのかどうかが気になっている方もいるだろう。

メトロイドヴァニアに分類されるゲームは、いくつものエリアがひとつなぎになっていて、全体マップを見ながら探索を進めていったり、2段ジャンプ、壁張りつきなどの能力を獲得して行動範囲を広げていったりするのが共通点だと言えそうだ。

2時間ほど遊んだ限りでは全体マップを見る機能が見当たらなかった。列車に乗って駅から駅へと移動するため、単一のマップという感じではないようだ。

傘を用いた上昇、空中ダッシュ、滑空など、一通りのアクションが最初から使用できるという点も、あまりメトロイドヴァニア的ではない。

しかし、本作にはメインミッションのほかに、サイドミッションのような位置づけの探索要素が用意されている。例えば、カルト集団の隠れ家に向かうとき、さらわれた人物の救出だけでなく、NPCに依頼された宝石の捜索という目的があるため、分かれ道の先も探索する必要がある。

メトロイドヴァニアの特徴に当てはまらなくても、探索要素を楽しめるアクションゲームになっているようだ。まずは、街などにいるNPCと会話して情報を集めよう。新しい目的が「ジャーナル」に登録されていく。

NPCと会話するときは、もう一度同じ質問をすると会話の内容が変わる場合もあり、つい聞き忘れてしまいそうだ。会話が変わらなくなったら質問項目にチェックがつく機能があれば、さらに親切だったかもしれない。こういった点が、今後のアップデートで便利になっていけば嬉しい。

包帯などの回復アイテムや射程が長いライフル弾など、戦いに役立つアイテムをできるだけ集めておくとよい。ショップで購入することもできる。

特にライフル弾は、敵の攻撃範囲の外から安全に撃てる状況で有効だ。こうしたアイテムを集めて温存しつつボスの部屋までたどりつくことができれば、勝利にぐっと近づけるだろう。

複数のファイルに分けてセーブしておき、ボス戦の直前だけでなく、ショップ周辺から再開できるデータも残しておくといいかもしれない。どうしてもボスに勝てない場合は、準備を整えてから再挑戦だ。

筆者がプレイした範囲では、難易度「イージー」を選んでも攻略しがいのある手ごわさだと感じたが、回復薬や弾薬を集めてボスに対抗することもできるし、腕に自信のある方はアイテムに頼らず、難易度を上げて通常攻撃だけで戦ってみてもいいだろう。自分に合った楽しみ方を選ぼう。