魔法と発動条件のシナジーを駆使して上層を目指せ!『Spell Disk』


朝比奈 / Asahina

Spell Disk』は、アメリカ合衆国を拠点とするインディーゲーム開発スタジオ"Sunpeak Games"が手掛ける、さまざまな魔法の組み合わせによるシナジーが楽しめる2Dローグライト・アクションゲームだ。

本作は、2023年9月19日に早期アクセスでリリースされたものだ。早期アクセスとは、まだ開発段階にあるゲームを完成前に販売すること。開発者にとっては資金とフィードバックを得ながら開発を継続でき、プレイヤーはその支援ができるという仕組みとなっている。

開発段階であるため、実装されているコンテンツは限られていたり、ゲームシステムに不足があったり、時にはバグが残っていたりもするが、それらを踏まえた上でのご紹介であることをご理解いただきたい。

魔法と発動条件の組み合わせ

リリース時点で実装されているコンテンツは「本編」と「サバイバーモード」の2つだ。

まず本編では、主人公となる女性が、多層構造の塔らしき建物を無数の敵を倒しながら、上層を目指して登っていくものとなっている。ストーリーの一端と見られるシーンはわずかに描かれているものの、主人公が何者でどんな目的のために登っているのか、詳しいことは現在のバージョンでは実装されていないようだ。

ゲームをスタートすると、主人公は「ルートチェンバー」と名付けられた拠点を出発地として、武器と魔法を1種類ずつ選んで上層へと挑んでいく。

武器は剣や槍など7種類あり、それぞれ攻撃速度やリーチが異なる。魔法は火・冷気・雷の属性に連なる、さまざまな種類のものからランダムに置かれた3種類から選ぶこととなる。さらに、斬撃や貫通といった属性も備えていて、それらは本作のゲームシステムにとって重要な要素となるのだ。

階層毎に出現する敵を全滅させれば次の階層に進める。その際、敵を倒して得られる「魔石」と引き換えに「ディスク」と「魔法」と「遺物」から1つを選ぶことができる。ディスクはリンクさせた魔法の発動条件を指定し、遺物は性能を強化する効果を持ったアクセサリだ。

それらを主人公のスロットにセットし、攻撃手段を増やしながらさらに上層へと目指すのだ。

▲魔石の使い道はプレイヤー次第だが、まず手数を増やした方がいいだろう。

本作のユニークなシステムとなるのが、例えば「近接攻撃を当てる」という条件を持ったディスクと、炎の弾を撃ち出す「ファイアボール」をリンクさせてセットすることで、武器で攻撃すると自動的にファイアボールが発動する、というような仕組みだ。

さらに、別のスロットに「火属性の魔法を発動する」という条件のディスクと、雷のムチで攻撃する「ショックウィップ」を組み合わせてセットしておけば、先述のファイアボールと同時にこちらも発動。これが、本作の特徴である「シナジー効果」となる。

最初に開放されているスロットは3セットだが、これも「魔石」と引き換えに拡張できるので、さらに手数を増やしてもいいし、ディスクや魔法の性能自体をレベルアップすることもできる。強化プランはプレイヤー次第なのだ。

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▲一見複雑そうなUIだが、組み合わせは意外とわかりやすい。

だが、上層へと進むごとに敵は強化されていく。強力なボスも待ち受けているため、一筋縄ではいかないだろう。そうして、あえなく敗れてしまった場合には、再びルートチェンバーへと戻されることとなる。

そうなると全てはリセットされてしまうわけだが、進んだ階層に応じて「洞察力」というポイントを得ることができる。それによって、最大体力を20アップさせたり、最初から魔法が1段階強化されたりといった永続的な強化を行えるという、実にローグライトらしい要素も用意されている。

ストーリーやエンディングがまだ実装されていないため、肝心の登る目的がまだ無いのだが、現時点で33階層と3体のボスがいるのでボリュームはなかなか。シナジー効果によって多数の魔法が勝手に飛び交うようになると気分も爽快。今後の更なるアップデートが楽しみな印象だった。

制限時間を生き抜くゲームモード

もう1つのコンテンツ「サバイバーモード」は、ローグライト要素を持ったアクションゲームとして好評を得た『Vampire Survivors』に強くインスパイアされた内容となっている。

具体的には、ユニークな性能を持ったキャラクターを選んで操り、特定のステージに突入して、周囲から無数に湧き出てくる敵をひたすら倒し続ける、そして、レベルアップ毎に装備を入手したり、強化したりしつつ、制限時間を生き延びることを目指すというもの。

ただし、本作で現在用意されているキャラクターは主人公1人だけ(今後増やす予定とのこと)。制限時間は15分。レベルアップ時に得るのは装備ではなく、本編同様のディスクと魔法と遺物であり、本編と同じくスロットにセットしてシナジーを得た魔法を発動させて戦っていこう。

こちらのモードの拠点は「木の枝の部屋」と呼ばれる場所だが、本編とはまた別の「移動速度アップ」といった永続的な強化要素があったり、メリットとデメリットを兼ね備えた変化をゲームに与える特殊な遺物を選択できたりするなど、これも清々しいまでのオマージュとなっている。

魔法の効果が強いこともあり、本家よりも難易度は低めに感じるが、現時点でプレイできるステージは1つだけなのでバリエーションには乏しい。だが、本編のサイド的なモードとしてこれはこれで面白いと感じられた。

早期アクセス期間は6ヶ月

『Spell Disk』の早期アクセス期間は、リリース時点の発表では6ヶ月が予定されており、正式リリースは2024年第1四半期を目標に開発が続けられている。

今後の実装コンテンツを記したロードマップも公開されているので、併せてご覧いただきたい。ぜひ早期アクセス段階からプレイし、フィードバックに協力して一緒に本作の完成を目指してみてはいかがだろうか。


基本情報 Spell Disk
開発 Sunpeak Games
販売 Sunpeak Games
配信日 2023年9月19日 / 日本語有り
定価 1,700円(Steam
Indie Freaks

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