『Stick to the Plan』は、キュートな黒い犬のロベルトとして、理想的な"棒"を手に入れるための冒険を描いたパズルアドベンチャーゲームだ。
ゲームシステムは非常にシンプル。ロベルトを操作し、棒をくわえた状態でゴール地点となる肉球マークが描かれた場所まで行くだけだ。ステージ制となっていて、クリアすれば次のステージが解放されるという仕組みとなっている。
タイムアタック要素はないが、時間制限もペナルティもないので、プレイヤーのペースでじっくりと考えながらパズルを楽しめる。
想像以上に歯ごたえのあるパズル
個々のステージは小規模だが、道中にはさまざまな障害物があり、そのまま棒をくわえて進もうとしてもぶつかってしまう。
そこで、棒をくわえた状態で左右に回転して方向を変えることで通り抜けたり、くわえる位置を変えてぶつからないよう回転できるようにしたり、離れた向こう岸へ棒を渡したりといった工夫をこらしてゴールを目指すのだ。
しかし、棒の長さはロベルト2匹分、3匹分とどんどん長くなり、彼の棒に対する理想は留まることを知らない。ステージも進むごとに障害物やギミックは複雑さを増していき、棒の先に灯した火が頼りの暗いステージや、崩れる足場や、スイッチで移動する足場など、パズルの難易度はどんどんと上がっていく。
異なる5つの世界と、70ステージが用意されていてボリュームも豊富。シンプルなシステムゆえにヒントもないので、プレイヤー自身の論理的思考や発想力が試される。そのキュートな見た目以上に、侮れない歯ごたえのあるパズルが楽しめるはずだ。
なお、本作は日本語をサポートしているが、UIのみで、作中にプレイヤーに読ませるテキストの類は登場しない。物語的な何かがあると思うと期待とズレてしまうので注意してほしいが、きっと、棒を追い求めるというロベルトの行動こそがストーリーなのだろう。
ロベルトにとっての棒とは
犬であるロベルトにとって「棒」というものは、狩りや遊びの本能を満たすための道具だ。犬は棒をくわえて振り回したり、噛んだり、人に投げてもらって追いかけたりすることで、暇つぶしやストレス解消といった感覚を得るのだという。
棒は犬にとってただのおもちゃではなく、大切なパートナーのようなものだ。ただ、もっと長い棒、もっと良い棒、フィーリングの合ったなんかいい感じの棒を求めてしまうのは本能であり、古いパートナーとはサヨナラするドライな一面も持っている。
本作では、ステージの数だけ新たな棒との出会いがある。それは、ただの木の棒だったり、ステッキだったり、金属のパイプだったりするが棒であることに変わりはない。
果たして、ロベルトは最後のステージに到達して最高の棒を口にすることはできるのか。それは、プレイヤーであるあなたの手にかかっている。
基本情報 | Stick to the Plan |
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開発 | Dead Pixel Tales |
販売 | Dead Pixel Tales |
配信日 | 2023年9月12日 / 日本語有り |
定価 | 1,400円(Steam) |
$9.50(itch.io) |