ラスティレイクでローラの人生と記憶に触れる旅『Underground Blossom』


朝比奈 / Asahina

Underground Blossom』は、ラスティレイクの地下鉄を舞台に"ローラ・ヴァンダーブーム"の人生と記憶の旅を描いた、謎解き要素のあるポイントアンドクリック方式のアドベンチャーゲームだ。オランダのアムステルダムを拠点とするインディーゲーム開発スタジオ"Rusty Lake"が手掛けている。

本作は、スタジオ名と同名の『Rusty Lakeシリーズに連なる物語となる。とはいえ、本作は基本的に単体でプレイしても楽しめるように制作されているものだ。

シリーズのファンには馴染みのあるものだが、プレイヤーはこのどこか淡々とした雰囲気の中で、特徴的なアートスタイルの中に散りばめられた謎を解いていくこととなる。

ローラの人生と記憶に触れる旅

プレイヤーは、ローラ・ヴァンダーブームという1人の人間がどのような人生を辿っていったのかを、地下鉄の駅に降り立つ形で垣間見ていくこととなる。そこには、彼女が人生の節目における象徴的なシーンが切り取られるかのように、6つの駅が存在している。

この視点が誰のものなのか、なぜローラ・ヴァンダーブームなのか。そして、本作が『Rusty Lake』シリーズの一端としてどう関係してくるのかは、ストーリーを進めることでわかってくるかもしれないし、そうではないかもしれない。なぜならば本作は『Rusty Lake』であり、ときに考察が必要になる物語だからだ。

本作のゲームシステムは、古典的なポイントアンドクリック方式。地下鉄のホームを舞台に、何かを調べたり、入手したアイテムを特定の場所で使ったり、誰かと会話をしたりすることでストーリーが展開していく。

緻密な観察と閃きが重要で、ヒントやアドバイスの類が示されることがないので、怪しいと思った箇所はとにかく全てクリックしていくようにしよう。そうして、入手したアイテムはインベントリに入るので、今度はそれがどこで使えるものなのかを想像していくのだ。

常識に囚われない発想の転換も必要

本作にはある種のシュールさも持ち合わせていて、普通ならば実行しようと思わない行動を取らなければならないときもある。そこで、ここでは第1章「ゆりかご駅」の攻略の様子を動画でご用意した。

流れるようにプレイしているように見えるかもしれないが、実際には観察とトライアル・アンド・エラーを繰り返して探っていくことになるので、初見ではこの何倍もの時間がかかるはずだ。さらに、見逃した謎もあるかもしれない。

なお、第1章だけではあるが、全編を通して自分で攻略したい方はご注意いただきたい。

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Rusty Lakeとは何なのか?

冒頭でも触れたが、"Rusty Lake(ラスティレイク)"とは今作を手掛けたスタジオ名であると同時に、彼らがスタジオ設立以前から制作し続けている『Rusty Lake』シリーズの総称でもある。

同シリーズでは、架空の湖"ラスティレイク"の存在する地域が舞台となる。同じ世界感を共有しており、直接的・間接的に繋がっているが、基本的には単体でプレイしても楽しめる内容だ。だが、全ては大きな輪の中にあり、その全貌や、背景を理解したければ、シリーズを通してプレイしてみるのもいいだろう。

謎解きが主体となる作品ばかりだが、1つ1つは長編として制作されているわけではないので、そこまで身構える必要はないが……如何せんタイトル数が多い。

公式に示されているわけではないが、時系列やストーリーの流れから推奨される順番がある。まずは、『Rusty Lake Hotel』からプレイしてみて、気に入ったのならば、非公式にまとめている方もいらっしゃるので、それ以降のタイトルのプレイ順を調べてみるといいだろう。

なお、Steamではお得にシリーズを揃えることができるバンドルも販売されているので、まとめてプレイしようと考えておられる方は、単体で購入するよりもこちらがおすすめだ。


基本情報 Underground Blossom
開発 Rusty Lake
販売 Rusty Lake
配信日 2023年9月27日 / 日本語有り
定価 580円(Steam
Indie Freaks

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