【TGS2023】トーベ・ヤンソン氏の世界観が忠実に再現された新しい舞台『スナフキン:ムーミン谷のメロディ』ブースレポート


朝比奈 / Asahina

2023年9月21日~9月24日に千葉県の幕張メッセにて開催されている「東京ゲームショウ 2023(以下、TGS2023)」に出展された、『スナフキン:ムーミン谷のメロディ』のブースレポートをお届けしよう。

ノルウェーのオスロを拠点とするインディーゲーム開発スタジオ"Hyper Games"が手掛ける本作。フィンランドの作家"トーベ・ヤンソン"氏が描いた『ムーミン』シリーズを原作として、ムーミン谷を舞台にスナフキンが活躍する音楽アドベンチャーゲームだ。

国内外のインディーゲームのパブリッシング、および、パブリッシングサポートを担う「架け橋ゲームズ」のサポートタイトルとなるが、今回はメインホールとは別館のインディーゲームエリアに位置する「Norwegian Games」ブースでの出展となる。

スナフキンと一緒にムーミン谷を歩こう

本作のプレイアブルな体験版は昨年も出展されていたが、今回TGS2023ではより完成度を高めた状態での出展となっているとのことだった。

原作ファンの方はご存知のように、ムーミントロールたちは冬になると冬眠してしまう。筆者がプレイしたストーリーでは、春が訪れてそろそろ冬眠から覚める頃合いを見て、旅に出ていたスナフキンがムーミン谷に戻ってきたシーンが描かれているようだった。

そこは谷の中心部からはまだ離れている様子で、人工物のない自然の風景の中で歩みを進めることになる。そのためか、目の前にある川には橋もかかっておらず、容易に向こう岸に渡ることができない。

そこで、川を渡るために石を落として足場としたり、スナフキンが愛用するハーモニカを奏でることで、不思議な住人たちが反応して先に進めるようになったりと、ちょっとした発想でクリアできる仕掛けが用意されていた。

ゲームに慣れ親しんだプレイヤーにとっては簡単なギミックかと思うが、作品の性質上、幅広い年齢層に楽しんでもらいたいという思いもあるのだろう。

また、道すがら"名前のないいきもの"と出会い、道中を共に進んでいくこととなる。彼はチュートリアルのガイド役という役目を持っているが、ちょっと不思議な雰囲気をまとっており、こうした出会いも実に『ムーミン』という作品らしいところだ。

今回体験した内容は、あくまで基本となるシステムや操作感、雰囲気を体験してもらうためといったもので、原作ではお馴染みの主要なキャラクターたちと出会うことはなかった。しかし、そんな短い時間の中でも原作へのリスペクトを大いに感じられ、製品版は素敵な作品になるという十分な期待を持たせてくれる内容となっていた。

2024年第1四半期のリリース予定が待ち遠しいタイトルだ。

▲手作り感あふれる、ブースの装飾も素敵だ。

関係者インタビュー

ブースには本作をサポートする、架け橋ゲームズのローカライゼーションマネージャーを務める桑原 頼子氏がいらっしゃった。桑原氏は今作の翻訳も担当されており、その内容も含めて興味深いお話を伺えたのでご紹介しよう。

【質問】キャラクターのセリフが、とても『ムーミン』らしい日本語翻訳だなと感じました。

そう感じていただけたことは嬉しく思います。原作ありきの作品ですので、オリジナルのイメージを再現できるように、考慮を重ねて翻訳を行っているポイントでもあります。

筆者注:原作やアニメ版のファンの方には共感いただけると思うが、「『ムーミン』に登場するキャラクターは、こういう言い回しのセリフや喋り方をするだろう」という共通して思い描くイメージがあると思う。
  
これは感覚的で言語化が難しいものであり、作品への深い理解がなければ翻訳として書き起こすことはできない。それが見事に表現されているのは特筆に値するのだ。

【質問】グラフィックは水彩画風ですが、プレイしていると平成アニメ版の雰囲気もありますね。

はい、平成アニメ版の『楽しいムーミン一家』ですよね。関係者の皆さんが世代ということもあって、その雰囲気が出ているのではないでしょうか。

【質問】2024第1四半期のリリース予定ですが開発は順調ですか?

基本となるゲームシステムや、全体的なストーリーなど、既に完成度は高い状態にあります。ですが、『ムーミン』は厳格に管理されている作品ですので、(言わば公式による)そちらのチェックにもお時間を頂いています。

【質問】ノベルティグッズのシールが素敵でした。ファンとしてはグッズ展開にも期待したいですが……。

さまざまな案は出していますが、やはり管理されている作品ですので、現時点では決まっていません。ですが、もし実現できればゲームをプレイされない方にも、グッズという形で楽しんでいただけるのではないかなと思っています。

【質問】注目してほしいポイントはありますか?

グラフィックの雰囲気も素敵なのですが、音楽性も素晴らしい作品です。特に、シガー・ロス(本作のサウンドトラックに参加しているアイスランドのポストロック・バンド"Sigur Rós")の手掛ける楽曲は、心に響くものがあります。

▲プレイ後に頂けたステッカーは、原作ファンにも垂涎のアイテムだ。
Snufkin: Melody of Moominvalley on Steam
Join Snufkin in this musical adventure about restoring harmony and balance to Moominvalley, protecting it from the industrious Park Keeper.
基本情報 スナフキン:ムーミン谷のメロディ
開発 Hyper Games
販売 Raw Fury
配信日 2024第1四半期 / 日本語有り
定価 未定(Steam
基本情報 架け橋ゲームズ
公式サイト kakehashigames.com
公式X(旧Twitter) @kakehashigames
Indie Freaks

Support us