棒人間が世界を創造しながら、惑星にかつての栄光を取り戻す!『マイリトルユニバース』


テヌキボーズ

マイリトルユニバース』は、荒廃した惑星を復興しながら、強敵と戦ったり、ダンジョンを探索したりと、小宇宙をまたにかけた冒険を繰り広げるアクションアドベンチャーゲームだ。

モバイル(iOSAndroid)でスマッシュヒットし、世界中に三千万人以上のプレイヤーを抱える本作が、今回、PC/Nintendo Switch向けにブラッシュアップしてリリースされる。

移植にあたっては、グラフィックの高解像度化や操作の最適化、コンテンツの追加、最大4人での画面分割ローカル協力プレイ対応、そして、課金要素の削除など、さまざまな仕様変更や機能追加が行われているようだ。

本稿ではPC版をベースにその魅力に迫っていこう。

▲複数の惑星が舞台の壮大な冒険にでよう!

「資源あれ」と棒人間は言われた

一見平凡なオレンジ色の棒人間。それがこの世界でのプレイヤーの姿である。

しかし、この棒人間には、集めた資源を消費することで世界を復元できる神のごとき力が宿っている。その力を使って、9つの荒廃した惑星にかつての栄光を取り戻すのがプレイヤーの使命だ。

舞台となる惑星は、わずかな陸地を残して海の底へと沈んでいる。復興のため、まずは斧やツルハシを振るって、木々の伐採や岩の採掘に励むことになるだろう。神のごとき力があろうとも、労働は避けられないのである。

ちなみに、本作は木々などの資源に近づくだけで勝手に採取を行ってくれる「自動」モードが搭載されている。木には斧、岩にはツルハシと適切な道具を自動で使い分けてくれるので、プレイ時間の大半を占めるであろう採取作業も苦にはならないはずだ。

もちろん、「手動」モードも存在するので、すべて自らの手で操作して労働の実感を得たい方にも安心である。

▲みんな大好き労働タイム!

世界のカタチを取り戻せ!

ひととおり資源を集めたなら、いよいよ世界の復興へと足を踏み出すときだ。

陸地を探索していると、白い枠が描かれたタイルを目にするだろう。それが資源投入ポイントである。たとえば丸太30本や、岩を50個など、ポイントによって要求される資源は異なる。

必要な数の資源を集めてポイントに投入することで、新たな陸地が出現する。こうして世界は、徐々にかつての姿を取り戻していくわけである。

新たに生まれた陸地には、まだ見ぬ資源はもちろん、ダンジョンの入口や、装備のアップグレード台、丸太や岩などの加工設備など、さまざまなイベントが待ち受けている。世界のどこかに存在するゲートを見つけて復元できれば、他の惑星へとテレポートすることも可能だ。

ただし、ゲートの復元には大量の資源が要求される。ときにはダンジョンへと潜って、「ソースコア」と呼ばれる希少アイテムを探す必要もでてくるだろう。世界の復興と探索。それが、次の惑星へのチケットとなるわけである。

▲テーマの異なる9つの惑星が待っている

装備強化とブースターでパワーアップ!

新たな陸地を生成していくと、創造主たるプレイヤーに牙をむくモンスターたちと出会うはずだ。よりタフで強力なボスと戦わねばならないこともある。斧やツルハシといった道具はもちろんだが、降りかかる火の粉を払うためにも、武器や防具の強化は重要だ。

装備の強化は、探索中に見つかるアップグレード台で行うことができる。陸地の生成と同じく、要求された資源を投入することで、装備のレベルと性能が向上する仕組みだ。道具であれば作業効率が上がり、武器や防具であれば戦闘が楽になるため、状況に応じて強化を進めるのが良いだろう。

それとは別に、もう少しお手軽に能力を向上させる手段がある。

それが「ブースター」だ。敵の撃破や資源の採取で経験値を獲得し、一定値まで貯まるとレベルアップ。ランダムに選ばれた3種のブースターから一つを選ぶ形で、新たな能力を獲得していく。

ブースターは、特定資源の採取効率を高めるものから、武器に発火や毒といった特殊能力を付与するものまでさまざまだ。最大10まで獲得できるので、これらの能力を活用して冒険を有利に進めよう。

ちなみに、死亡するとレベルは0に戻り、これまで獲得したブースターもすべて失われる。とはいえ、レベルは比較的サクサクあがるし、他にペナルティもないので、安心して命を散らしてほしい。

▲ブースターで他の棒人間と差をつけろ!

意外に近いのはJRPG?

多様な環境の惑星を探索しながら資源を集め、世界を少しずつ元の形へと復興していく本作。常にやるべきことは明確で迷うことがなく、自動生成ではない固定マップと相まって、往年の国産RPGのようなリニアな冒険が楽しめる。

採取の作業効率が悪くなってきた、あるいは敵が強すぎると感じたら、探索を休止して装備の強化に励むのも良い。陸地の生成に必要な素材が見つからなかったら、他の場所を探索することで道が開けることもある。このように限られた選択肢の中から方針を決めて旅を進める点は、国産RPGを思い起こさせる。

一方で可能な限りテキストを廃し、プレイヤーごとの物語が楽しめるよう配慮されてもいる。たとえるならば、国産RPGの文脈で遊ぶサンドボックスとでも言おうか。これが存外楽しくて、かくいう筆者も記事を書くことを忘れて延々5時間ほど夢中でプレイしてしまった(※今はゲームを封印して執筆中)。

ほかにも、惑星ごとに探索率が設定されているため、すみずみまで冒険しつくしてコンプリートを目指したり、あるいは惑星に隠された衣装を見つけだして一味違う棒人間を目指したりと、多彩な楽しみ方が用意されている。

あまり難しいことを考えることなく気楽に没頭できる本作。気になった方は、ぜひチェックしてみて欲しい。

基本情報 マイリトルユニバース
開発 Estoty
販売 SayGames
配信日 2023年10月5日 / 日本語有り
定価 未定(Steam
1,900円(Nintendo Switch
Indie Freaks

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