代わりはいくらでもいる。クローンの生命を糧にミッションに挑め!『Quasimorph』

朝比奈 / Asahina

2023/10/03

2024/09/14

Quasimorph』は、インディーゲーム開発スタジオ"Magnum Scriptum"が手掛ける、宇宙を舞台に危険なミッションへとクローンを送り込んで遺された技術や物資を回収する、ローグライク要素のあるターン制RPGだ。

本作は、2023年10月3日に早期アクセスにてリリースされたものだ。早期アクセスとは、まだ開発段階にあるゲームを完成前に販売すること。開発者にとっては資金とフィードバックを得ながら開発を継続でき、プレイヤーはその支援ができるという仕組みとなっている。

開発段階であるため、実装されているコンテンツが限られていたり、ゲームシステムに不足があったり、バグが残っていたりもするが、それらを踏まえた上でのご紹介であることをご理解いただきたい。

準備を取るか、リスクを負うか

本作の舞台となるのは未来の宇宙。国家よりも企業や団体が力を持ち、富と名声を狙っているという世界観だ。プレイヤーはPMC(民間軍事会社)のボスとなり、クローン兵を危険なミッションへと送り込んで技術や物資を手にし、PMCを成長させていくというストーリーとなっている。

PMCの宇宙船を拠点として、太陽系を中心とした星々に点在するミッションへ挑むことになるが、重要なのはそのための準備だ。

開始直後に選べるのは、個性的な4体のクローンと、攻略に有利なパークを備えた2クラス。そこに武装・弾薬・食料・回復アイテムを持ち込むわけだが、残ったインベントリの空きの分だけしか回収することができない。

本作の攻略難易度はシビアで、準備を怠れば割とあっさり死亡してしまう。そうなれば持ち込んだ装備も、入手したアイテムも全て失ってしまう。クローンなので、身体だけはいくらでも戻ってくるのだが……。

経験を重ねることで、これならば無事に帰還できるだろうという最低ラインを探って、ギリギリの荷物で挑む。もしくは運を天に任せてみるか。そういうシビアさを楽しむゲームと言えそうだ。

▲準備をしすぎると、今度は回収するためのインベントリの空きが無い。

その不便さは狙いすましたものか

入念な準備をして挑むミッションの目的は、一定の広さを持ったマップを探索して、技術や物資を持ち帰ることだ。次回の探索を有利にするためにも、できるだけ多くアイテムを持ち帰りたい。

マップ探索は1マスずつ進む方式で、敵対勢力やクリーチャーとの戦闘も交互に行動するターン制となっている。馴染みのある方にとっては『不思議のダンジョン』をイメージしてもらうとわかりやすい。

▲あまりにも細かいが……それもまたいい。

ただし、本作の特徴として、ある種のリアリティさを表現した手間がある。

空腹を満たすために食料を必要としたり、身体の各部位毎に負ってしまう負傷や骨折だったり、それを治すために医療品が細かく分かれていたりする。武器は摩耗するし、弾薬も持ち運ばなければならない。リロードにも1ターンを要する。

こうした要素はライト(カジュアル)志向に寄るほど簡素化されていくものなので、特定のプレイヤー層に向けて狙ってこの不便さを演出しているのだろう。これらは万人受けはしないが、刺さる人には刺さるものだからだ。

実際、本編のデモ版にあたる『Quasimorph:End of Dream(現在は配信停止)』は盛況だった様子で、国内外でコミュニティも形成されていたようだ。

▲物資を漁っているだけなのになぜか楽しい。

開発チームに声を届けよう

製品版の筆者の感触としては、デモ版であった『Quasimorph:End of Dream』よりもシビアさが強調されて歯ごたえが増した一方で、戦闘以外のシステム面の説明や導線が不足しているのでは?との印象を持った。

開発チームの意図としては、より手探り感を味わってほしいということなのかもしれないが、コミュニティの一部からは「デモ版からクオリティが下がってしまった」や「プレイフィールが落ちてしまった」と感じる声も散見されている。

だが、冒頭で触れたとおり、本作は「早期アクセス」でのリリースとなっている。開発の途上にあり、公開されているロードマップもその多くが実装されていない。バランス調整もこれからといったところだろう。

なので、プレイして気になったところはコミュニティからの意見として、公式DiscordサーバーやSteamフォーラムに届けてみよう。開発チームにフィードバックを送って、彼らとゲームを共に作り上げていけるのが早期アクセスの醍醐味でもある。

▲ゲームのトップ画面からも報告可能。気づいたところは気軽に送信してみよう。

バグで荷物を失うリスクもある

最後に1つ付け加えておこう。

何らかのバグによってミッション中にゲームが停止してしまったり、強制終了したりした場合はどうやら「ミッション失敗」扱いになるようだ。そうなると、そのミッションに持ち込んだり、獲得した装備やアイテムを全てロストしてしまう。

筆者も、あるミッションに突入したところ画面が暗転したまま操作を受け付けなくなったため、やむなく強制終了したところ、なけなしの装備を全て失って呆然としてしまった。

プレイヤーに非がないだけにやり切れない気持ちにもなるが、これも早期アクセスに付きもののリスクと割り切って寛容な気持ちで挑みたい。もちろん、この件については開発チームへのバグレポートを送信済みだ。


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基本情報 Quasimorph
開発 Magnum Scriptum
販売 HypeTrain Digital
配信日 2023年10月3日 / 日本語有り
定価 2,300円(Steam

この記事で紹介されているゲーム

Quasimorph

RPG

早期アクセス

ストラテジー

シミュレーション

インディー

2023年10月3日
日本語対応
¥2,300

Quasimorph: End of Dream

無料プレイ

インディー

RPG

シミュレーション

ストラテジー

2023年5月31日
日本語対応
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発売日2023年5月31日
ジャンル
ストラテジー
シミュレーション
無料プレイ
RPG
インディー

カテゴリ
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Quasimorph: End of Dream

『Quasimorph: End of Dream』はターン制RPG脱出ゲーム『Quasimorph』の第一章です。PMC、民間軍事会社の兵士や悪魔との熾烈な銃撃戦で恐れに立ち向かいながら、命をかけて任務を完了し装置を宇宙船へと持ち帰ろう!

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https://store.steampowered.com/app/2059170/Quasimorph/


ゲームについて

どの傭兵も一発で引退できるあの仕事を狙っている。どうやら君に、その任務がまわってきたようだ。アンコム社から、フレスコ社の知的財産を回収するよう依頼された。

装備を集めてクローンを準備し、太陽系に永久的な変化をもたらす物語の始まりを目の当たりにしよう。

何としてでもハンディをなくせ

民間軍事会社の代表になって企業からの命令を実行し、血と汗を流しその名声を手に入れよう。惑星の基地や秘密の研究所、難破した宇宙船を探索して、新しい技術や能力など、任務中に公平な状況を作るためのアイテムを見つけ出せ。

過ちを犯し、それを乗り越え成長せよ

君には、最高の従業員クローンを作り出し、敵の弱みを探るために彼らを死の任務に就かせることができるという利点がある。人間という貴重な財産を危険にさらし、自社PMCに不必要な法的リスクを負わせる必要はない。クローンが死んでも誰も気にはしないからだ。

集中攻撃にご用心

企業は冷酷な傭兵を雇って極秘の軍事作戦を遂行する。悪魔によって人間性はゆがめられ、人類の進化が悪用される。
プロのチームを形成して弾薬を数え、装備を記録して宇宙で繰り広げられるこの大量殺りくによる歪みに耐えよう。