『RAILGRADE』は、鉄道や工場を建設して工業コロニー復興を目指す、ステージクリア型の経営シミュレーションゲームだ。
インフラが崩壊した地球外コロニー惑星へと赴任したばかりの管理者になり、鉄道による輸送網の構築と、工場や資源抽出施設を建設。産業を発展へと導き、工業コロニーにかつての輝きを取り戻そう。
2022年よりEpic Games Store/Nintendo Switchにて先行販売されていた本作が、今回ついにSteam/GOGでもリリースされる。
予習も兼ねてゲームの概要を追っていこう。


ようこそ、新人管理者様
コロニーのインフラ崩壊は、電力不足や産業の停滞、都市の人口減少など多くの問題を招いている。この事態に対処するのが新人管理者たるプレイヤーの仕事だ。
とはいえ、右も左も分からないままポンと放り出されることはないので安心してほしい。ストーリーミッションで少しずつ明かされるコロニー事情へ理解を深めながら、実践をまじえつつ管理者として必要な知識を学んでいこう。
ストーリーは50以上のミッションから構成されており、それぞれ達成すべき目標が異なる。発電所で生成した電力をツェッペリン(飛行船)発着場へと輸送したり、都市の需要を満たすべく工場で生産した品々を届けたりと、その内容はさまざまだ。

鉄道でゴー!
陸路を走るトラックもなければ、ドローンのような手軽な空輸手段も存在しないこの世界において、輸送の要は鉄道である。ツェッペリンも存在はするものの、おそらく長距離輸送向きであり、短~中距離での利便性は鉄道が勝る。
そのため、あらゆるミッションの達成には、鉄道網の構築が欠かせない。
たとえば、電力生成が目標ならば、発電所と燃料の抽出施設を建設した後、それぞれを結ぶ鉄道網を構築する必要がある。生成した電力を配送先へと届ける路線の構築も必要だ。
線路の敷設は、シンプルながら奥が深い。異なる高度で線路を敷いて立体交差を構築することもできるし、線路を分岐させて列車ごとに別々の路線を走らせることも可能だ。

山岳地帯もなんのその?
重要なのは、いかに効率の良い路線を構築するかだ。列車同士が正面衝突しても事故にこそならないものの、片方が通過するまでもう一方は停車を余儀なくされるため、大幅な時間ロスが発生する。また、アップダウンの激しい線路は、列車の速度を著しく低下させる。
機関車によって特性が異なる点も注意が必要だ。登攀性能は高いが速度が遅いものや、逆に平地なら高速で走行できる代わりにアップダウンに弱いものなどさまざまである。加えて、当然ながらけん引する貨物車両が増えるほど速度は低下する。
たとえば、山岳地帯を走らせるならば貨物車両を減らして少しでも速度を稼ぐなど、路線に応じて編成を考える必要もある。
各ミッションは、目標達成までの時間に応じて評価が下される。最高評価であるSランクを得るためにも、十分に吟味しながら鉄道網を構築しよう。

この先、人海戦術が有効だ
効率という点では、労働者の割り当てと施設のアップグレードも重要だ。
工場や発電所といった生産施設の稼働には、労働者が欠かせない。残念ながら無人でも生産が行われるほどには技術が進歩していないのか、施設に労働者を割り当てなければいくら原料を運び込もうとも生産は止まったままだ。
しかし、労働者は畑で採るように必要な数をいつでも揃えられるというものではない。
ときには生産速度を犠牲にしてでも、少ない労働者で施設を稼働させねばならないこともあるだろう。一方で、十分な原料が確保できていないのに、必要以上に工場へと労働者を割り当てても無駄になるだけだ。効率を考えながら、適切な割り当てが必要となるのである。
時間はかかるが、都市の需要を満たして人口を増やす手もある。人口が増えれば労働者も生まれるので、最終的には全生産施設のフル稼働も夢ではない。生産施設の稼働と並行して、都市にも目を配っておくと良いだろう。

クーポン券で新技術を手に入れよう!
施設に投資して生産効率を大幅に引き上げることもできる。ただし、アップグレードにかかる費用はとても高いので、投資のタイミングは十分に見極めるべきだろう。
また、最初からすべての施設をアップグレードできるわけでもない。
そこで登場するのがクーポンである。先にも書いたとおり、各ミッションは目標達成までの時間によって評価が決まる。そして報酬がわりに評価に応じた枚数のクーポンが発行されるわけである。
このクーポンは、新たな機関車や施設のアンロック、あるいは既存施設のアップグレードなどと交換できる。アップグレードは効率化に欠かせないため、なるべく多くのクーポンを集めてアンロックしていきたいところだ。

敷居は低いが奥が深い
鉄道網の構築と工場建設によって産業の復興を目指す本作。直観的な操作と、ストーリーミッションでのゆるやかな学習曲線により、同系統のジャンルの中でも極めて取っつきやすく仕上がっていると感じた。
燃料補給や車両の維持管理、信号機による列車事故の回避といった、鉄道運営がテーマのシミュレーションゲームにありがちな要素を取り払った結果、手軽に鉄道網の構築が行えるようになっている。
一方で、ミッションを高い評価で終えようと思うと、どうすればより効率の良い生産/輸送網を構築できるか頭をひねる必要があり、初心者から上級者まで幅広く楽しめるはずである。
Steam/GOGリリース後も開発は継続し、Steam Deck対応や蒸気機関車の実装、ユーザー作成マップのシェアやサンドボックスモードの実装も予定されている。今後も目が離せない一本になりそうだ。
基本情報 | RAILGRADE |
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開発 | Minakata Dynamics |
販売 | Minakata Dynamics, Gamera Games |
配信日 | 2023年10月13日(Steam/GOG) / 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |
未定(GOG) | |
2,460円(Nintendo Switch) | |
3,280円(Epic Games Store) |