決定づけられた死を回避せよ! 残された24分間で運命を変えるアドベンチャー『3ミニッツ・トゥ・エイト』


Masa Kei
Masa Kei

2023.10.31

3ミニッツ・トゥ・エイト』は、近未来を舞台としたポイント&クリック式のアドベンチャーゲーム。主人公は午後7時57分ちょうどに死ぬ運命にあり、ループしているかのように、残された24分間を何度も繰り返しながら運命から逃れようとする。

なお、本作の舞台となる都市名はプレイヤーのIP(ジオロケーション)と結びついた最寄りのサーバーの位置に基づいて表示されるという注意書きがストアページにある。住んでいる地域を知られたくない方は、オプションで無効にして、デフォルトの都市名にしておこう。

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Three Minutes To Eight is a mind bending pixel art adventure. A gaming experience threading the edge of consciousness, where everything is possible and yet remains elusive. Players will find themselves in ███ ██ █ ▓ ▒ ░ ¿⊕ξד¶¶¶ Error 0x80070570.
▲バルコニーで一服しながらネオンやタクシーを眺める
▲街のロボットたちがどうストーリーに関わってくるのか気になる

現実を疑い、悪夢をさまような体験

ネオンサインが輝き、空飛ぶ車が行き交う近未来都市の夜。主人公はマンションの一室に住んで平凡な暮らしをしているが、インターホン越しに予言めいたことを言ってきた謎の人物を探して、辺りをうろつくことに。記憶が不確かで、自分が何の仕事をしていたのかさえ、他人に聞いて回らなければならない。

ストーリーのテイストとしては、現実だと思っていたことに確信が持てなくなり、自分が何者なのかを見失うという崩壊感覚を描いているように見えた。ピクセルアートのアドベンチャーゲームで、思索的なテーマのSFが楽しめそうだ。

▲「アンドロイドは夢を見るか」という意味ありげな問いかけ

違う場所に行くと1分経過。24分で死を回避せよ!

マンションの自室で目を覚ますと、午後7時33分。今いる場所を出て、隣に移動すると1分経過する。自室から玄関を出て、廊下を通ってエレベーターで1階へ行くだけでも4分経過して7時37分になり、自室に戻ったら7時40分。死ぬ瞬間まで、あと17分しかない! あっという間に時間が過ぎる。

ただし、同じ場所にいる間は時間が経過しない。調べられる場所を片っ端から調べてもかまわない。自宅を出るときに必要な鍵を探すなら、各部屋を隅々まで調べてみよう。

おそらく1回目のプレイでは、外に出たり自宅に戻ったりするうちに7時57分が来てしまうはずだ。2回目のプレイも、ほぼ同じことの繰り返しになるかもしれない。ふと1回目との違いに気づかされることもあるが、ストーリーが大きく分岐しないまま終わってしまうかも……。

このまま1回目と同じように7時57分を迎えるのか? せめて場所を変えてみてはどうか? あがいても結局死ぬこと自体は避けられない……!

▲どこにいようと7時57分ちょうどに死ぬ!?

分岐のきっかけを探して未来を変えろ

だが、筆者の場合は3回目以降に、ストーリーを分岐させるための「ヒント」が、あるところで聞けるようになっていた。そのヒントはゲームを実際にプレイして探していただければと思うが、その他にも、分岐を確認する機能がゲーム内に用意されている。

メニューを開いて「ジャーナル」を見ると、やるべきこと、知っていることが記録されており、「分岐02」のように、その項目によって分岐したことが示される。このジャーナルに記録される事柄を見つければいいわけだ。

「ゲーム統計」を見ると、プレイ時間と周回数を確認することができて、さらに、解除できる「実績」が死亡4種類、エンディング10種類、シークレット6種類用意されている。この実績の埋まり具合が、どれぐらい謎が残されているかを判断する目安になりそうだ。

▲ジャーナルに記録された事柄が分岐のきっかけになるようだ

アイテムの使いどころを考えよう

チュートリアルで、ライターとその場に置かれたゴミ箱や、持ち物リストにあるタバコに使用したことをよく覚えておこう。さまざまな対象物を見て「ここにあのアイテムを使えるのでは?」と考えたり、所持品のリストを見て「このアイテムをあのアイテムに使えば……」と考えたりすれば、試せることが実はまだまだあるのだ。

7時57分が来て死亡しても、次の回に1つだけ所有アイテムを持ち越せる。どのアイテムを残すかも考えどころだ。

ユーザーレビューでも謎解きの難易度について言及されているが、本作は、キャラクター全員と会話するだけで先に進めるわけではなく、アイテムを使う場所とタイミングを自力で見つける必要があり、やや難易度は高め。ひらめくまで、あれこれ試行錯誤が必要なゲームのようだ。

▲所有アイテムを対象物に使ってみよう

街を見て回りたかったが、デモ版では……

前もってデモ版も遊んでみたのだが、製品版との大きな違いは、マンションの外に出られないことだ。そこから先は製品版でお楽しみください、ということになっている。

やはり本作に惹かれた方には、ネオンサインが輝くサイバーパンク都市を歩き、雑踏の賑わいを楽しみたい方も多いのではないだろうか。外に出て世界の広がりを感じれば、この街で何が起こっているのかを知りたいという興味がいっそう湧いてくるはず。トレーラーなどで、ぜひ街の様子を見ていただきたい。

▲サイバーパンクらしい、陰鬱で退廃的な街
▲警備ロボットをどうにかして、ここを通れないだろうか?

デモ版ではマンションの中という限られた空間で過ごすことになるが、PCに入力するパスワードのヒントを手に入れるところまでは筆者も確認できた。ついに有力な手がかりをつかんだ! という興奮が味わえるシーンだ。これからデモ版をプレイされる方は、ぜひ3回目、4回目あたりまではトライしてみてほしい。

本作は、ストアページなどのゲーム紹介でも、かなりネタバレが控えられている。そのおかげで、まるで自分の身に起こったかのように、いったい何が起こっているのか分からずに動揺し、徐々に謎に迫っていく体験が味わえるだろう。周りのゲーム友達が真相を知るよりも先に、「我こそは」と思う方はぜひチャレンジしよう!


基本情報 3ミニッツ・トゥ・エイト
開発 Chaosmonger Studio
販売 Assemble Entertainment
配信日 2023年10月23日
定価 1,700円(Steam
Indie Freaks

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