倭寇という強大な敵に対して孤独に戦い抜く『The Last Soldier of the Ming Dynasty(平寇志)』


朝比奈 / Asahina

Indie Gemは、リリースを控える期待の作品群から、明日を煌めく原石のようなタイトルを発掘し、デモ版を元に紹介していくコーナー!


The Last Soldier of the Ming Dynasty(平寇志)』は、中国のインディーゲーム開発スタジオ"Circuit_Art"が手掛ける、中国の明朝を舞台に倭寇と1人戦おうとする兵士の姿を描いたアクションゲームだ。

2023年第4四半期のリリースに向けて鋭意開発中のタイトルとなるが、2023年10月10日~10月17日にSteamにて開催されている「Steam Nextフェス」でデモ版が配信されているので、今回はこちらをプレイした内容についてご紹介しよう。

倭寇を相手に1人戦う兵士の姿を描く

本作の舞台となるのは、中国史における明の時代。倭寇(主体ではないが日本の海賊も含まれる後期倭寇)の襲撃を撃退する任務を負った主人公たちの部隊だったが、嵐にあって船が難破してしまう。1人生き残り、倭寇の支配する島に流れ着いてしまった主人公が、それでも戦おうとする――というストーリーだ。

今回、筆者がプレイしたデモ版では、スタート地点でチュートリアルを受けてから、倭寇が支配する集落のようなところを進んでボス戦までを体験することができた。

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▲中ボス戦も手強く、プレイフィールは想像以上に良い印象だ。

主人公はさまざまな武器を扱えるが、デモ版では「長剣」のみ。縦方向の斬り下ろし・横薙ぎ・突きの3種類を組み合わせたり、コンボに発展させたりできる。製品版では槍・棒術・日本刀・野太刀・盾・二刀流など、武器種に応じたスタイルのバリエーションはさらに増えるそうだ。

これに、スタミナ消費のガードと回避を駆使することで戦いを繰り広げていく。

道中の敵は比較的弱めだが、中ボスやボス戦は打って変わって強力な相手として調整されていて、ほど良いゲームバランスを目指している印象を受けた。ソウルライクに代表される高難易度タイトルが多数を占める昨今では、こうしたオーソドックスな難易度のアクションはむしろ新鮮かもしれない。

デモ版の率直な感想

中国の伝統的な水墨画にインスパイアされているという本作のアートワークは、倭寇に支配されているという暗い背景のシーンにあっても、独特のグラフィックの鮮やかさや美しさを感じられた。

敵の攻撃パターンが限られているなど、まだまだ調整中とは感じるが、主人公のモーションもこだわりを感じられてアクションとしての手触りは良い印象だ。敵もガードを多用してくるので、相手の動きを見て攻撃手段を変えていく駆け引き感があるのは面白い。

製品版において主人公の扱う武器が増えれば、プレイヤー毎に好みの戦い方を探っていくことができるだろう。

一方、今作では回復アイテムは消耗品なのだが、例えばボス戦で倒されてしまっても補充されることがない。休憩ポイントの役割を果たす「鳥籠」に触れた際や、リトライ時には少数で良いので無条件に補充されれば再戦もしやすくなるはずだ。

開発中のタイトルにとって、こうした気になったポイントへのフィードバックやアイデアの提供は貴重な意見となる。デモ版はオリジナルの中国語と英語(機械翻訳)のみのサポートとなるが、興味があればSteamNextフェス期間中にデモ版をプレイして、ぜひ意見を投稿してみよう。

日本語サポートは検討中

パブリッシャーの2P Gamesによれば、現時点では日本語サポートを含めた日本市場での展開は検討中だそうだ。

かねてよりお伝えしていることではあるが、ウィッシュリストの登録数は特定の言語サポートの判断要素のひとつとなる。史実に則ったテーマだが、演義的な要素を感じられ、こうした遠い過去の出来事を扱った時代物を好む方も多くいらっしゃるのではないだろうか。

本作に期待を寄せる方は、気軽な気持ちで良いのでぜひウィッシュリストに登録しておこう。


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基本情報 The Last Soldier of the Ming Dynasty(平寇志)
開発 Circuit_Art
販売 2P Games
配信日 2023第4四半期 / 日本語無し(検討中)
定価 未定(Steam
Indie Freaks

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