【デジゲー博2023】独特の世界観を追求するダンスバトル『亜電』や『Echoes』『レトロゲームエイリアンズ』ライター注目タイトル 第2弾

朝比奈 / Asahina

2023/11/14

2024/03/03

2023年11月12日、秋葉原UDXにて同人・インディーゲームの頒布/販売イベント「デジゲー博2023(以下、デジゲー博)」が開催された。今年はイベント当日に突然の冷え込みに見舞われ、生憎の雨模様ともなってしまったが、来場者が途切れることもなく会場内はなかなかの盛況ぶりだった。

今回の参加サークル数は約200。本記事では、そんな数ある出展タイトルの中から筆者が注目する魅力的な作品をピックアップしてご紹介しよう。

当記事内の掲載写真は、許可を得て撮影を行っています。

亜電

亜電』は、空を割って落ちてきた記憶喪失の少女"とあか"が、世界を救うためにダンスの力で戦いを繰り広げる新機軸のベルトスクロール(横スクロール)型ダンスバトルゲームだ。

ぶつかる→よける→ふっとばす→ダンス! 基本となる攻撃手段は体当たりのみ。十分にぶつかって体力を減らすとボスとのダンスバトルに突入。BGMに合わせてリズムQTEで勝利を手にするのだ。

2018年にリリースされた『YumeCore』にも通ずる独特の世界観は、かわいいドット絵のキャラクターのコミカルな動きも含め、言葉では言い表せない不思議な魅力を感じる。

開発を手掛ける個人ゲーム開発者の鷹館氏に伺ったところ、ダンスゲームにしようと思ったきっかけは、単純な横スクロールにより動きの速さを取り入れたかったからなのだという。

今回スペースには試遊台も用意されていたが、2024年2月の「Steam Next フェス」には新たなデモ版を公開予定とのこと。

流行りには乗らず、自分の世界感を追求していきたいという新作『亜電』は、現在開発期間は5年ほど。製品版の完成ももうそろそろではないかと期待したい。

ADEN on Steam
Dance! Dance! There’s nothing to do but dance! A kawaii belt-scrolling dance battle for the new age! You save the world from destruction by controlling the mysterious girl and Akaka who appeared from the sky!

Echoes

Echoes』は、ダンジョン探索型2Dドット絵ローグライクゲームだ。

ゲームシステムとしては、いわゆる「不思議のダンジョン」系。ダンジョン内に落ちているさまざまなアイテムを駆使しながら、侵入する度にランダムに変化する地下50層のダンジョン最深部を目指していくというものだ。

探索に有利なアイテムを発見できるかは運が絡むところはあるものの、初めて見るアイテムは説明を読んで一喜一憂するのも楽しみのひとつ。お腹が空けば食べ物を食べ、敵と遭遇すれば死力を尽くして戦う。プレイヤーと敵が交互に行動するターン制で、敵が多数ともなれば戦略性も重要となってくる。

言ってしまえばオーソドックスな不思議のダンジョン系なのだが、武具を装備した際や、アイテムを使用した際に入るキャラクターカットインがキュートで、これが筆者の推しポイントだ。

本作を手掛ける個人ゲーム開発者の冬犬氏にお話を伺ったところ、開発期間は7ヶ月ほど。もともと『風来のシレン』シリーズが好きで、なかなか新作が出ないので自分で作ってしまったのだという。

と言いつつも、2024年1月25日のリリース予定でシリーズ最新作『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』が発表されたため、結果的にその念願は叶ってしまったとのこと。

既にシリーズ続編として『Echoes 2』の制作を予定されており、今作はエンディングはあるものの明確なストーリーがないため、続編ではそうした部分にも力を入れていきたいとのことだった。

デジゲー博の翌日となる2023年11月13日にSteamにてリリース済なので、手軽に楽しめる不思議なダンジョンとして手にとってみてはいかがだろうか。

0:00
/
Echoes on Steam
サクッと遊べるダンジョン探索型2Dドット絵ローグライクゲーム

レトロゲームエイリアンズ

レトロゲームエイリアンズ』は、8bitパソコン世代に贈る、1980年代に隆盛を極めたゲームジャンルを再現するかのようなコマンド選択型アドベンチャーゲームだ。

気が付くと深夜、住宅街を歩いている――そんな中年男性が、路上で出会った少女に携帯ゲームのクリアを頼まれる。そこに収められた「1980年代に日本のPC用にリリースされたゲームのリメイク版」という設定の3タイトルのゲーム内ゲームを攻略する、という形で物語が展開していく不思議なゲームだ。

今回会場では、開発を手掛ける同人誌&ゲーム制作サークル"qbert(キューバート)"の戸塚伎一氏にお話を伺うことができた。長年ライターとしても活躍されている傍らで活動されているが、今日のゲーム文化を形成してきた多くの方々への恩返しの意味があるという。

今回スペースにも並べられていたが、qbertでは「ビデオゲーム史を語る冒険シリーズ」として、かつて時代を彩ったテレビゲームタイトルの制作に携わったものの、当時を顧みる証言を発信する機会が少ない人物へのインタビュー取材を同人誌という形態で発行されている。

▲実は筆者は以前から、個人的にqbert発行の同人誌を購入させてもらっている。筆者よりも上の世代の話題だが、貴重な資料として楽しめる内容だ。

『レトロゲームエイリアンズ』も、ゲームという形態でフィクションを混ぜつつも体験を通じて当時の真実に迫りたいという思いがあるそうで、かつての不条理さをも再現して6~8時間ほどのボリュームになるとのこと。

2019年から開発が始まったが、これまではあまり時間を割くことができていなかったそう。だが、今後はより集中して取り組んでいける見込みとのことで、遠からずその完成を見ることができそうだ。

Retro Game Aliens on Steam
A late-night adventure for the 8-bit PC generation. - Retro Game Aliens is packed with nostalgia and love for the text-based genre of adventure games that shaped the evolution of RPGs and visual novels before fading into obscurity.

この記事で紹介されているゲーム

Retro Game Aliens / レトロゲームエイリアンズ

インディー

アドベンチャー

To be announced
日本語対応

Echoes

RPG

2023年11月13日
日本語対応
¥500

YumeCore

アクション

2018年2月16日
日本語対応
¥520

亜電

アクション

Coming soon
日本語対応