2023年11月12日に秋葉原UDXで同人ゲームとインディーゲーム限定のゲーム展示・即売会であるデジゲー博2023が開催された。本記事では、デジゲー博2023で筆者が実際に試遊して気になった3つのゲーム、『漢字インダストリー』、『食糧天使』、『ブレイクダンス シミュレーター』をご紹介しよう。
※本記事では、暴力的なシーンや描写があるゲームを紹介しています。

漢字を自動生産する工場を大きくせよ
はじめに紹介するのは、Tsune Studioが開発した漢字生産自動化ゲーム『漢字インダストリー』である。

このゲームのプレイヤーは、漢字工場の経営者。部首とつくりなどの漢字の部品を組み合わせる機械を配置して、工場の生産ラインを構築していくゲームだ。
たとえば、「立」と「日」を組み合わせると「音」になる。これを、「立」と「日」を作る生成機、「立」と「日」から「音」を合体させる組み立て機、組み立てた漢字を運ぶ輸送機、そして、完成した漢字を納入する搬入機を適切に配置して、生産ラインを作っていく。

このゲームには、ふたつのモード「ステージモード」と「ワールドモード」がある。ステージモードでは、制限時間内に指定された漢字を生産するラインを構築する。ステージをクリアするたびに報酬として工場で使える生成機や組み立て機などの機械を獲得できる。

一方、ワールドモードでは、漢字工場の経営者として効率よく漢字を売り、より多くの利益を得なければならない。実は、生成機などの機械はリース品なので、レンタル料金も考慮する必要がある。こちらのワールドモードのほうがステージモードよりもじっくりと考えて遊ぶモードとなっている。
小学生の漢字学習にも。親子で対決もおすすめ
最近は小学校の授業でもタブレットを利用してプログラミングを学習したり、インターネットで調べ物をしたりなど、IoT化が進められている。
この『漢字インダストリー』は、漢字の学習になるだけではなく、経営者としてのお金の稼ぎ方の学習にもなる。さらに、このゲームは、プログラミングの要素も含むゲームなので、小学生にぜひおすすめしたい。親子で一緒にプレイして、どちらが大きい工場を作れるか対決するのも楽しそうだ。
『漢字インダストリー』は、Steamで早期アクセス版が発売中。早期アクセス版でも数時間は遊べる。2024年には製品版がリリース予定で、今後プレイできる漢字も増えていくとのこと。

人間の幸せは、天使の肉でできている
続いてご紹介するゲームは、爆爆赤青(バキバキレッドブル)が製作したノベルゲーム『食糧天使』だ。

『食糧天使』はフリー作品で、以下のページからブラウザ版かDL版を選んでプレイできる。iPhoneにも対応している。ただし、『食糧天使』には暴力的なシーンや描写があるので、苦手な方は注意してほしい。

このゲームの主人公は、肉屋で毎日お肉をさばく青年リン。来る日も来る日も何者かが運んでくる食糧の豚をさばき、コロッケを作る。そして、売れ残ったコロッケをふたつ食べてお腹いっぱいになったら休むという毎日を過ごしている。

次第にリンの元に送られてくる食糧が変化していく。豚、猿、人間…そして、天使リゥ・リゥが送られてくるのだ。食糧の天使とは。リンは天使をさばくのか。ぜひ、プレイして確認してほしい。

『食糧天使』の総プレイ時間は約1時間半。かわいくて表情も豊かなキャラクターなどのグラフィックは荻野月氏が担当し、シナリオはエベレスト食肉センター氏が担当している。エベレスト食肉センター氏は小説家で、今作は初めてのゲーム開発。エベレスト食肉センター氏のnoteを見ると、製作の裏側もチェックできる。次回作を開発しているそうなので、とても楽しみだ。


ブレイクダンサーになろう!
最後に紹介するのは、ブレイクダンサーになってさまざまな技を繰り出すリズムダンスゲーム『ブレイクダンス シミュレーター』である。iPhoneとAndroidに向けてフリーでリリースされている。
このゲームの開発者いなも氏は、10年ほどブレイクダンスを踊ってきたブレイクダンサーだ。ふたりのダンサーが向かい合って、踊りを見せ合う文化があるブレイクダンス。その技の中には、習得までに1~2年、長いと5年近くかかってしまうものがある。一般の人にもブレイクダンスの技を繰り出す楽しさを感じてほしい、という思いが今回のゲーム開発につながったのだそう。

画面左上には、プレイヤーのスタミナとバランスの量が表示されている。画面右下のお気に入り、エントリ、パワー、スタイル、フリーズの部分をタップして、技を選ぶ。画面右上には、技の評価結果が表示される。
2024年に開催されるパリオリンピックでは、新種目として、ブレイクダンスであるブレイキンが採用された。オリンピックでブレイキンを観る前に、この『ブレイクダンス シミュレーター』で技の予習をしてみてはいかがだろうか。
『ブレイクダンス シミュレーター』は、今のところスマホゲームだが、Steam版の発売も検討中とのこと。無料でダウンロードして、友達と技を見せ合おう。

デジゲー博2024まであと1年
本記事では、筆者がデジゲー博2023で出会った3つのゲームをご紹介した。デジゲー博のようなインディーゲームイベントでは、自分の好みのゲームを見つける喜びも体験できる。デジゲー博2024ではどんなゲームと出会えるか今から楽しみだ。
#デジゲー博 準備会です。
— デジゲー博(同人・インディゲーオンリー) (@DigiGameExpo) November 12, 2023
撤収を完了し、スタッフも解散いたしました。
これでデジゲー博2023の全日程終了です。皆様、ご参加ありがとうございました。また来年も、宜しくお願いします。 pic.twitter.com/5DJjTiSUvy
