高難易度ハイスピードアクションが帰ってきた! 反射神経の限界に挑め『Ghostrunner 2(ゴーストランナー 2)』


朝比奈 / Asahina

Ghostrunner 2(ゴーストランナー 2)』は、サイバーパンクなディストピア世界を舞台とした、一人称視点のハイスピード斬撃アクションだ。ポーランドを拠点とするインディーゲーム開発スタジオ"One More Level"が手掛ける。

タイトルのとおり、2020年にリリースされた『Ghostrunner(ゴーストランナー)』シリーズの2作目にあたる。プレイヤーの反射神経の限界に挑むような高難易度アクションながら、高い完成度とクオリティが話題を呼び、非常に高い評価を得たことは記憶に新しい。

主人公のGR-75こと"ジャック"は前作から続投。ストーリーも直接的な続編となっているので、前作をプレイ済であることが望ましい。このため、本記事においても1作目の内容に触れていることはご理解いただきたい。

なお、これまでのあらすじを追える動画(日本語字幕有り)がYouTubeにて公開されており、同じものがゲーム内からも確認できるので、どうしても今作からプレイしたい方はチェックしてから始めるといいだろう。

Pre-purchase Ghostrunner 2 on Steam
Blood will run in Ghostrunner 2, a hardcore FPP slasher set in a post-apocalyptic cyberpunk future. Become the ultimate cyber ninja and prepare for epic boss fights, improved skills, an interactive story, new game modes, and captivating synthwave soundtrack.
▲これまでの『Ghostrunner』 - 505 Games Japan

ジャックの過酷な戦いが再び始まる

前作『Ghostrunner』において、ダーマ・タワーという都市を丸ごと内包した超構造体を舞台に、タワーを掌握するマーラを打ち倒し、最後の最後で裏切ったアーキテクトの野望を阻止した主人公ジャック。

自らを犠牲に眠りについたジャックだったが、共に戦ったゾーイとその仲間たち(前作における反マーラのレジスタンス)の手によって再起動され、新たな勢力との戦いの渦中に再び身を投じることとなる。

そのサイバーパンクなビジュアルや高難易度アクションが目が向く本作だが、濃密なストーリーも魅力の1つだ。

身体の義体化はもとより、超構造体の概念や、基底現実からサイバー空間へのネット接続。SFコミックファンには、本作が影響を受けたであろう作品をいくつも思い浮かべられるのではないだろうか。

より進化したゲームシステム

『Ghostrunner』シリーズにおいて最も基本となるアクションが、斬撃・ジャンプ・ウォールラン・グラップリングフック。そして、センサリーブースト(空中ダッシュで発生する数秒のスローモーション)だ。

ストーリーが進行してもキャラクターの性能はさほど変わらず、シンプルにプレイヤー自身の腕が試され、ステージ構成で困難さを増していくタイプのレベルデザインとなっているので、これが本作における完成形なのだ。

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▲序盤のプレイシーンだが、このスピード感こそが『Ghostrunner』だ。

もちろん、今作『Ghostrunner 2』から進化したアクションもある。

例えば、走りながら敵の銃弾を刀で弾くことができるようになった。前作でもモジュールを装備すれば使えたが、サイボーグ忍者ならばデフォルトでほしいと思っていたものだ。

今作でもジャックの性能を拡張するシステムはあるが、突き詰めれば基本アクションだけでもクリアできるようになっている。多くを詰め込んで操作が複雑になりすぎてしまっているタイトルもある中、プレイフィールを重視してくれているのはプレイヤーとして歓迎したい。

▲前作では主要キャラながら直接出会うことのなかったゾーイ。

また、今作からはステージ間に訪れることができる拠点の存在が追加された。NPCとの対面での会話イベントや、前作では無線でのやり取りのみだったゾーイの素顔を目にできたことも率直に嬉しい。ストーリー描写にも、より力を入れてきたということなのだろう。

さらには、ダーマ・タワーの内だけではなく外にも世界が広がり、疾走感のあるバイクを使った移動シーンも追加されている。

前作ではこの世界の成り立ちと、ジャックのパーソナルな部分に迫りつつも、まだまだ語りきれていないという印象があった。こうしてその後の世界が描かれることで、シリーズの持つ魅力も増しているので、今後のさらなる展開にも期待したい。

反射神経の限界に挑む

高難易度なハイスピードアクションが特徴の本作だが、これは2つの側面を持つ。

今作も前作同様にチャプター制となっていて、ルート上の目的を達成しつつ、ステージの終点までたどりつけばクリア。おおよそリニアな造りだが入り組んでいて、ウォールランやグラップリングフックを駆使して先へと進んでいく。

そして、敵に遭遇すればそのエリアは封鎖されてしまうので、全滅させることで再び進めるようになる方式だ。

敵が5体いれば5体倒せばいいが、こちらがやられると敵は全て復活する。リトライは一瞬だが、敵の数が多ければ多いほど突破は困難。地形を有効に使って、射線が通らない場所を走り抜け、有利な順番で敵を倒していく戦略性も必要となるだろう。

――そもそも何がそんなに難しいのかと言えば、自分も敵も「一撃死」であることに尽きる。多数の敵を相手にしながら、わずかなミスを犯せば即やり直しなのだ。一般的なゲームに存在するHP(ヒットポイント)の概念が如何に偉大だったかが身に染みるというもの……。

▲ボス戦では相手にHPバーがあるが、こちらは一撃死だ……ズルい。

一方、移動パートではこちらもこちらで人間の反射神経の限界に挑まされる。

例えば「レールの上を滑りながら、手裏剣を当ててギミックを操作しつつ、即死トラップを避け、なおかつ、制限時間以内に終点まで到達する」ということが当たり前に要求される。一瞬の判断を繰り返すことがこれほど難しいことなのかを、あらためて思い知らされるようだ。

そうして戦闘でも移動でも、針の目を通すようなトライアル・アンド・エラーを繰り返していくと、次第に無心になっていき……いつしか、自分がTAS(機械的に最適化された動きをさせるシステム)にでもなったような気分に陥ってくる。

その先に待っているのが達成感なのだが、プレイヤー自身の腕と忍耐力が試されるゲームであることは確か。腕に覚えがある方や前作を楽しめた方は、ぜひ今作にも挑んでみてほしい。


基本情報 Ghostrunner 2
開発 One More Level
販売 505 Games
配信日 2023年10月27日 / 日本語有り
定価 4,680円(Steam
4,880円(Epic Games
$39.99(GOG
4,950円(PlayStation 5
4,950円(Xbox Series X/S
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