2023年12月14日、海外ゲーム業界におけるマーケティング調査機関"GameDiscoverCo"が、Hooded Horseから提供されたデータを裏付けとして「ローカライゼーションが与えるプラスの影響」について報じている。
同社は、Simon Carless氏が創設した、PCおよびコンソールゲーム市場における分析的な情報を提供することを目的に運営されている調査機関だ。数々のデベロッパーから提供された一次情報をベースとしていることなどから、その信頼性には定評がある。

今回、GameDiscoverCoが主題としているのは、Steamにおける「ローカライゼーションがゲームの発見に与える影響」だ。
ゲーム自体、または、Steamストアページの紹介文がローカライズされていることによって、その言語圏におけるユーザーがゲームを発見しやすくなり、ウィッシュリストがより登録されやすくなる可能性について主張している。
この見解は実態として的を射ており、Steamにおいてあらかじめ目的を決めずに新たな出会いを求めて検索している場合や、Steam Nextフェスのようなイベントなど、多くのシーンで(意識せずとも)実際に恩恵を受けている方も大勢いらっしゃるのではないだろうか。
売り上げに与える影響
タイトルの発見やウィッシュリスト登録から期待されるのは、リリース後の売り上げだ。この主張は、ストラテジーやシミュレーションゲームを得意とするインディーゲームパブリッシャー"Hooded Horse"から提供されたデータをもとに展開されている。
例えば、日本語を含む多言語をサポートし、多くの国に向けて展開される都市建設シム『Against The Storm』では、アジア諸国(中国、日本、韓国、台湾)の売り上げが32%を占めている。

一方で、現時点で早期アクセス期間中でオリジナルの英語のみがサポートされている、宇宙艦隊を編成・指揮するSFストラテジーゲーム『NEBULOUS: Fleet Command』では、ユーザー言語のトップ10にアジア諸国からは中国の2%のみしか含まれていないことが見て取れる。

特定の言語をサポートしていないことによる影響が数字としてはっきり表れた結果となっている。加えて、『Against The Storm』については日本市場における売り上げ本数が、カナダやイギリス、フランスを上回っていることは特筆に値するのではないだろうか。
実際、売り上げについてはゲーム自体のクォリティも相当影響しそうではあるが、紹介された分析はローカライゼーションの重要さがよくわかる結果と言えそうだ。
GameDiscoverCoは全編英語での提供となるので、読み解くには一定のハードルがあるが、他にもさまざまな興味深い情報が公開されているのでご覧になってみてはいかがだろうか。
基本情報 | GameDiscoverCo |
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公式サイト | gamediscover.co |
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基本情報 | Hooded Horse |
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公式サイト | hoodedhorse.com |
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