【東京ゲームダンジョン4】里山の風景を現代に届けるビジュアルノベル『里山のおと 夏草こみち』ライター注目タイトル


朝比奈 / Asahina

2024年1月20日~1月21日に東京都立産業貿易センター 浜松町館にて開催された「東京ゲームダンジョン4」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。

なお、基本的にはリリース前の開発中のタイトルや、リリースから間もないタイトルを対象としている。

東京ゲームダンジョン 5 ► 2024年5月4日(土)、東京・浜松町でインディゲーム展示会を開催!
「東京ゲームダンジョン」は個人や小規模チームが制作するデジタル・ゲーム(インディゲーム)の展示会です。手頃な出展料と充実した設備で、気軽に作品を出展・試遊できるイベントを目指しています。主催者も個人でゲームを作っているインディ開発者です。みんなで国内のインディゲームを盛り上げましょう!

墨絵で描かれた里山の生き物たち

里山のおと 夏草こみち』は、里山で暮らす生き物・人・文化を描いたビジュアルノベルだ。

墨絵で描かれた世界と、篠笛による生演奏のBGMによって形作られた、まるで紙芝居や絵本のような作品。タヌキ、キツネ、カエル、ヒト。里山に住む生き物たちの日常が描かれる。

▲テキスト内のオレンジ色の用語をクリックすると、その解説を読むことができる
里山のおと 夏草こみち on Steam
"Satoyama note: natsukusa komichi" is a novel game about the creatures that live in satoyama. Collect illustrated books and take the quiz-style satoyama test. The background music is played live by a shinobue flute, and the world is depicted by hand-drawn ink paintings.

本作のゲームシステムは、画面に表示される画像に合わせて文章を読み進めていくビジュアルノベル形式。ビジュアルノベルにはカラフルな絵柄が使用されることが一般的だが、本作では単色の墨絵ならではの独特な柔らかさが感じられるようになっている。

会場のブースに置かれた試遊台では、里山で開かれた狸大学でタヌキたちがヒトの文化を学ぶ様子が描かれていた。どことなくジブリ作品を思わせるようなところがあるのも、好きな方にはたまらないだろう。

一見して子供向けのようでもあるが、本作を手掛けたスタジオ"里山のおと"のお二人によれば、田舎の原風景を知らない大人世代にも楽しんでもらいたい意図で制作されたとのこと。筆者は関東北部の出身で地元はまさに本作にあるような風景が身近にあったが、それも失われつつあり、今では馴染みのない方も多いことだろう。

また、収録された音響は生録によるものだそうで、動きの無い絵が主軸なこともあって「音」にはこだわったのだそう。

同スタジオでは今作がSteamに向けての初配信タイトルとなるが、過去作品が公式サイトからリンクされたitch.iounityroomからプレイすることが可能。今後は本作のシリーズ化や、過去作品を調整してSteamで配信することも考えているとのことだった。

今後の展開にも含めて注目したいスタジオだ。


基本情報 里山のおと 夏草こみち
開発 里山のおと
販売 里山のおと
配信日 2024年1月18日 / 日本語有り
定価 350円(Steam
Indie Freaks

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