思いを巡って真夜中に浮かぶ町を探索する物語『Recolit』


朝比奈 / Asahina

本稿は事前にレビューキーをご提供いただき、執筆しています。

Recolit』は、どこにでもあるような真夜中の町を「明かり」を頼りに探索する、2D横スクロールの謎解きアドベンチャーゲームだ。日本のインディーゲーム開発スタジオ"Image Labo"が手掛ける。

宇宙船が不時着してたどり着いたのは真夜中に浮かぶ不思議な町。そこは何の変哲もない、どこにでもあるような町。だが、ふと気づけば、夜中だというのに住民の姿がそこにある。彼らのささやかな思いに応えるように行動していこう。

Recolit on Steam
Your spaceship crushes, and you find yourself in a dark town that looks just like any other, but that has something different about it. Its people go about their daily lives as if nothing was off, even though the sky above their heads is always black.

真夜中の町を探索して、住民の思いに応えよう

本作のゲームシステムはシンプル。真夜中を町を探索しながら、行ける場所へと先に進んでいくというものだ。

あてどもなく彷徨ううちに、ふと幻のような住民と出会うことがあり、その声に耳を傾けるとささやかな思いが聴こえてくる。それは「喉が乾いた」「待ち合わせの友人が来ない」といった程度だが、そのような思いに応えることで物語は進行していく。

ただし、主人公がアイテムを拾ったり、どこかに置いたりといったアクションを実行するのは必ず「明かり」の近くでなければならない。ロウソクや街灯、コンビニの看板の光でもいい。

明かりを頼りに必要なものを探したり、また明かりを点けることがギミックとして組み込まれていたりと、シンプルなアドベンチャーにとどまることのない工夫の幅があって面白い。

探索範囲はそれほど広くはなく、一定の広さのマップを探索し終えると次のマップへと移る形となっている。ただし、基本的に後戻りはできず、そのマップでできることをすべて達成しなくとも次に進むことができてしまう。

本作には例えば、ゴミ箱や看板といったように、調べられるさまざまなオブジェクトにフレーバーテキストが添えられているので、そうした細やかなものも含めたすべてが本作を形作っていると感じる。満足できるまで探索してから先へ進むように行動すれば、より達成感を味わえるはずだ。

主人公の向かう先はどこなのか

町で出会った住民たちは、不思議なことに主人公という存在を認識していないようだ。出会いは一度限りで、彼らの思いに応えるとその姿は消えてしまう。

だが、不時着して最初に出会った少女だけは主人公に気づいているようで、行く先々でその姿を現してくる。行く宛のない主人公は、そんな彼女を追うように歩みを進めていくのだ。

その先に待つ結末は何なのか、ぜひこの物語を追いかけてみよう。


基本情報 Recolit
開発 Image Labo, Marudice
販売 Image Labo, yokaze
配信日 2024年2月16日 / 日本語有り
定価 1,650円(Steam
Indie Freaks

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