調理場は戦場だ！ エイリアンの食欲を満たす最高の調理場を構築しよう『Kitchen Crisis』

Indie Gemは、リリースを控える期待の作品群から明日を煌めく原石のようなタイトルを発掘し、デモ版を元に紹介していくコーナー！

『Kitchen Crisis』は、エイリアンの食欲を満たすために、さらわれた地球人が素早く料理を提供するタワーディフェンスゲーム。メニューを選び、効率のよい動線を考えながら材料や調理道具を配置し、アップグレードを続けて最適なビルドを組もう。

開発チームであるTeam Samoyedは、韓国を拠点とする兄弟2人によるインディーゲームスタジオ。前作の『Teamfight Manager』はeスポーツのプロゲーマーチームの監督となるシミュレーションゲームで、約5000件のユーザーレビューを獲得した実績がある。

新作の『Kitchen Crisis』は「Stean Nextフェス」の2月エディションに参加し、デモ版が配信された。デモ版の日本語翻訳はフリーランス韓日翻訳者の増渕さち氏（そり氏）が担当している。

この記事では、まずタワーディフェンスというジャンルについて少しご説明してから、ゲームの基本的な流れをご紹介しよう。

Kitchen Crisis on Steam

Kitchen Crisis is a culinary defense game. You are abducted by aliens and must satisfy their appetite. If you want to live to see another day, efficiently arrange your cooking appliances, upgrade your ingredients and tools! In order to survive, make wise decisions according to everchaning recipes.

STEAM

料理ゲームなのにタワーディフェンス！？

「タワーディフェンス」とは、大まかに言うと、味方の陣地に侵入してくる敵の群れを撃退して拠点を防衛するゲームのこと。自動で敵を撃つ砲台のようなものを配置して戦うのが一般的だ。

本作もタワーディフェンスの基本にのっとり、守るべき拠点に向かって進み続けるエイリアンの群れを迎え撃つゲームとなっている。

青いワープから現れたエイリアンは、調理場の外周を回るようにして赤いワープに向かう。エイリアンが空腹のまま赤いワープにたどり着いてしまうと、地球にいる人間が食べられてしまう。それまでに料理を提供して満足させれば危機は回避できる。

つまり、タワーディフェンスにおける砲台などの攻撃ユニットが「料理」に、敵のHPが「満腹度」に置き換えられているのだ。料理によっては、敵の移動速度を遅くする効果や足止めする効果があり、どの攻撃ユニット（料理）をどこに配置するかという戦略性がある。

調理から配膳までの動線を考えよう！

調理場の外周に並んでいる白い台が、食事を載せるテーブルだ。まず、メニューを選んでから、その料理を作るための「材料ボックス」と「調理道具」を配置しよう。

例えば「プルコギ」を作る場合、調理人は材料ボックスから「肉」を取り、順に「まな板」と「フライパン」で少し作業をして料理を完成させ、指定されたテーブルに料理を運ぶ。

営業を開始すると、オートで調理人が動いて料理を作るのをプレイヤーはただ見守る。できることは営業開始前のメニュー選びと調理場のレイアウトだけ、というわけだ。

1日生き延びるたびにメニューの追加や調理場の配置を行い、準備ができたらまた営業開始。一定の日数を生き延びるとステージクリアとなる。

バタバタと準備に追われ……調理場はまさに戦場！

エイリアンは親切にも「クローン」を作れるようにしてくれる。ゴールドを消費して、自分自身とまったく同じ姿のクローンを1人、2人、3人……と増やせば、一斉に調理と配膳を行うことが可能だ。ただし、担当の仕事を割り当てられるわけではないため、調理人たちはそれぞれできることから始める。

つまり、調理人がプレイヤーの意図しない所に行くこともあり、そうなると調理場はバタバタと忙しくなりがちだ。コントロールしきれないが、慌ただしい状況をどうにか乗り切る、そんなハチャメチャさが楽しい。

ちなみに、デモ版の調理人キャラクターは1種類のみのようだが、製品版では個性豊かな特徴を持ったキャラクターたちが登場し、それぞれのクローンを作れるようだ。

飲食店はメニュー作りが命！

1日生き延びるごとに、5つのレシピから1つを選択してメニューに追加できる。必要な材料や調理道具が多くて工程が複雑なメニューほど、強力な効果を持つようだ。

早く出せる一品を選ぶか、それとも時間はかかってもボリュームのあるメインディッシュを選ぶか。効率を考えて、既存のメニューと同じ材料や道具で作れるものにするか……？ というのが考えどころだ。

タワーディフェンスは数あれど、こうして攻撃ユニット（料理）生産の工程の違いがレイアウトで表現され、作業する人員の動きを見ることができるというのは新鮮に感じた。しかも料理というカジュアルな題材で、見た目に楽しく、覚えやすいという良さもある。

シナジーを追求して最高の調理場を作ろう！

本作はローグライトによくある「3択のアップグレード」から選ぶ方式を採用しており、相乗効果を生み出すように数々のアップグレードを選択していくことで、自分のプレイスタイルに合わせた強力なビルドを構築できる。

着実なのはどのメニューにも好影響を与える「材料ボックス研究」のようなアップグレードだが、一方で、狙いを絞った強化もできる。特定のメニューにのみ効くアップグレードを選び、さらに、営業開始前にゴールドを使用した「材料強化」や「道具強化」によって相乗効果を生もう。

強い系統は肉か魚か、はたまた野菜かはまだ分からないが、可能性を感じるアップグレードを見ては新しいビルドを試して、研究してみたくなる。プレイヤーの間で攻略情報を共有して盛り上げていくことができれば、さらに楽しくなりそうだ。

Stean Nextフェスは終了したが、まだデモ版がダウンロードできるようなので、実際に遊んでみながら製品版を待とう！