『There is NO PLAN B』は、2070年のサイバーパンク世界を舞台とした探偵もので、対話を中心に進行する「ナラティブ」アドベンチャーゲーム。2024年4月17日にSteamストアページが公開された。
SUPERWAVE STUDIOのユン・チャンシク代表は、2019年にアドベンチャーゲーム『The Island: Into The Mist』をリリースした経験があり、また新たにメンバーを集めて5人で『There is NO PLAN B』を開発している。2年間開発を続けて、今は折り返し地点を迎えたというところ。2024年内に日本語対応のデモ版を公開予定で、2025年内に早期アクセスのリリースを予定しているとのことだ。
筆者はストアページの日本語翻訳を担当し、日本向けのプレスリリース配信をサポートする形で本作に関わっていることをあらかじめお伝えしておく。

2Dアニメーションと3D背景の融合
ぱっと目を引くのは、アニメ風の登場人物たちが正面を向いている会話シーンだ。Spine 2Dアニメーションにより、生き生きとした動きが加えられている。一方、都市の描写はリアルに寄せた3Dグラフィックで、証拠品を回転させて調べる機能や事件現場の調査シーンなどに3D表現とカメラワークが活かされている。
本作の舞台となるのは、2070年のSoul City(名前は韓国の首都と似ているが、架空の都市)。巨大企業トリニティ・インクが支配し、人間とアンドロイドの共存による問題が生じ、上流階級とスラムの人々の格差が固定化しているというディストピア的な社会だ。無機質な建造物群にきらびやかな広告が並ぶ。3D技術を取り入れることで、この街の中に入り込んだような臨場感が出ている。


家から出ないで遠隔対話で捜査!
私立探偵の「B」は過去にいろいろあったせいで家から絶対に出ようとしないが、警察の下請けとして働くことになる。事件を解決するためには、嫌でも人と話さなければならない。
家に来た依頼人から話を聞き、自分が外に出る代わりに助手ロボットの「A.I.」を派遣して事件現場を調査。見つけた証拠を分析するために、ロボットを通じて画面越しに協力者たちと会話する。
いよいよ犯人を見つけたら、「緊急逮捕」システムで対決だ。リアルタイムに進む会話の中で、情報を引き出せる選択肢を選び、タイミングを見計らって逮捕するのだ。


近未来世界での人々との交流
家から出ないBが直接会って話す相手は、同居人の「ユジン」や家を訪ねてくる友人たちだ。スラム出身のBたちは栄養パックの食事しか見たことがないが、高貴な生まれのユジンだけは本物の料理を知っていて、食事を作って振る舞ってくれる。料理を囲んで対話する習慣が忘れられた社会で、コミュニケーションの在り方を問い直すかのように、食事のシーンが取り入れられている。
本作が「ナラティブ」アドベンチャーゲームと称しているのは、人との対話を中心に置いているからのようだ。

本作は、韓国国内でのクラウドファンディングに合わせて、STOVEとitch.ioにエピソード1のデモ版(韓国語)が無料で配信されている。実際のゲームプレイが気になる方は、韓国語でもよければ、動画配信者の方々が投稿した映像を探してみてもいいかもしれない。
本作の登場人物たちのオーバーでコミカルなリアクションを見て、『逆転裁判』シリーズを連想した方も多いかと思う。実際、ユン・チャンシク氏は本作を『逆転裁判』や『ダンガンロンパ』に続くような作品にしたいという夢を持っており、本作の日本語対応を実現しようとしている。多言語対応したデモ版を2024年内に公開する予定だ。
基本情報 | There is NO PLAN B |
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開発 | SUPERWAVE STUDIO |
販売 | SUPERWAVE STUDIO |
配信日 | 2025年内に早期アクセスリリース 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |