最大4人協力プレイ対応! 1セッション1時間で楽しめるTRPGライクな冒険譚『Baladins』プレイレポート&翻訳者インタビュー

朝比奈 / Asahina

2024/05/28

Baladins』は、テーブルトークRPG(TRPG)やボードゲームにインスパイアされた、1セッション1時間ほどで手軽に遊べる1~4人用ロールプレイング・アドベンチャーゲームだ。フランスを拠点とするゲーム開発スタジオ"Seed by Seed"が手掛ける。

2022年5月に開発資金を募ってKickstarterで実施されたクラウドファンディングでは、目標額の€18,000を大きく上回る€52,872(現在の為替レートで約900万円)を獲得して制作が進められた経緯があり、実は筆者もそんな支援者の1人。本稿ではその魅力的な内容についてご紹介しよう。

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Embark on a whimsical journey and bring joy to a bright fantasy world in this roleplaying adventure for 1-4 players. Craft your own story and solve quests how you like, but beware, for every time you fail the Dragon will send you back in time!

バラディンとなって大仕事に挑もう

本作の物語は、タイトルにもなっている「Baladins(バラディン)」と呼ばれる"みんなを楽しませること"を目的に活動するギルドの一員となって、突如として巻き込まれた"とある伝説上の存在を楽しませる"という大仕事を解決するため行動していくというものだ。

しかし、あの手この手を試してもそう簡単には満足してくれず、もう一度挑んでこいとプレイヤーは過去へと送り返されてしまうのだ。こうして、プレイヤーは前回までの経験を武器にトライアル・アンド・エラーで解決法を探りながら、少しずつ変化していく世界を舞台にタイムループを繰り返していくこととなる。

▲キャラクターはバード、パイロ、コック、ダンサー、ルクソマンサーから選択する

本作のゲームシステムは、バラディンを操作して平和記念祭までの「6週間」という限られた時間の中で、ボクセルアートで描かれたボードゲーム風のマップを巡っていく。大小さまざまなイベントをクリアし、それによって起こった出来事や出会い、決断といったものを経て、第7週目での祭当日にその存在から采配を受けるというもの。

プレイヤーは、ペーパークラフト風のキャラクター5人から1人を選択して冒険に出るのだが、それぞれが個性的な能力を持っている。それによってイベントの展開にも変化が生じるので、ソロでも楽しめるが、最大4人までのフレンドとのオンライン協力プレイで挑めばより物語を楽しむことができるだろう。

先述のとおり、舞台となるマップはボードゲーム風となっていて、ひとマス(ゲーム内では"トークン"と呼ばれる)ずつ進んでいく方式。ルート上には街や洞窟といった確定でイベントが発生する場所と、山賊の襲撃のようなランダムに遭遇するイベントが散りばめられている。

キャラクターがなにか行動する際には、6面ダイスを3個振って補正値を出し、能力値に足して成否を判定するというTRPGやボードゲームらしい要素がキモとなる。また、イベントでのアクションには"AP(アクションポイント)"を、マスの移動には"MP(ムーブポイント)"を消費し、いずれかを使い果たすとターンエンドとなって1週間経過となるわけだ。

その存在からは「私を楽しませるにはこれをしろ」といった親切なコメントはないので、本作にはわかりやすい形での攻略手順はない。訪れていない場所、試していない選択肢といったものを、あれこれ試していくところに目的達成の方法を突き詰めていく面白さがある。

この手のゲームでは、何度も繰り返される内容に飽きが出てしまいがちで、本作にも確かにルーチンワーク的なイベントも含まれている。しかし、ちゃんと中身のあるイベントが豊富に用意されており、それぞれが小さなストーリーを持っている。

プレイヤーの小さな決断の積み重ねが、この世界と物語に影響を与えるかもしれない。そんなところに魅力を感じる印象だ。

今後のロードマップには家庭用ゲーム機展開も

開発チームからのアナウンスによれば、今後も新たなコンテンツの追加が計画されており、ローンチには間に合わなかったKickstarterのストレッチゴール(資金獲得額に応じて追加される要素)で約束された要素も実装予定。また、本稿の執筆時点ではSteam版のみとなるが、今後はコンソール版(PlayStation 4/5, Nintendo Switch)のリリースも予定されている。

より詳細な内容は近日中にロードマップが公開される予定なので、今後の展開に期待していきたい。

Baladins-Baladins is OUT NOW!!! 📯✨-Steamニュース
The game has release for PC players!

日本語翻訳者インタビュー

本作は、国内外のインディーゲームのパブリッシング、および、パブリッシングサポートを担う「架け橋ゲームズ」のローカライズサポートのもと、英日ゲーム翻訳者のChisato氏が翻訳を担当されている。

2023年9月21日~24日にかけて、千葉県の幕張メッセにて開催された「東京ゲームショウ 2023(TGS2023)」にてブース出展された際、本作の翻訳についての興味深いお話を伺っており、その模様は別記事にてご紹介しているので、併せてご覧いただければ幸いだ。

【TGS2023】1セッション1時間で楽しめるループ型ロールプレイング・アドベンチャー『Baladins』「架け橋ゲームズ」ブースレポート
「東京ゲームショウ2023」出展タイトル『Baladins』のブースレポートをお届けしよう。日本語対応が発表された、1セッション1時間ほどで手軽に遊べる1~4人用ロールプレイング・アドベンチャーゲームだ。

なお、TGS2023の記事の内容には少々ネタバレが含まれているため、チュートリアルにあたる初回のセッション(第7週目まで)を終えてからご覧いただければと思う。


基本情報 Baladins
開発 Seed by Seed
販売 Armor Games Studios
配信日 2024年5月15日 / 日本語有り
定価 2,800円(Steam

この記事で紹介されているゲーム

Baladins

インディー

RPG

アドベンチャー

2024年5月15日
日本語対応
¥2,800