モフモフなケモノのオープンワールドアクションゲーム『Biomutant（バイオミュータント）』3年越しのNintendo Switch版リリース

本稿は事前にレビューキーをご提供いただき、執筆しています。

『Biomutant（バイオミュータント）』は、文明崩壊後の世界を舞台にモフモフなケモノのミュータントたちが活躍する、オープンワールド要素のあるアクションRPGだ。スウェーデンのストックホルムを拠点とするゲーム開発スタジオ"Experiment 101"が手掛ける。

本作はもともと、2021年5月にSteam, PlayStation 4, Xbox Oneにて配信開始。翌年9月にはPlayStation 5, Xbox Series X/Sでもリリースされたものの、コンソールではNintendo Switchのみがリリースされていなかった。

それがこの度、ローンチから実に約3年という期間を経てSwitchでもリリースされたことで、ついに主要なコンソールすべてに対応した形だ。

バイオミュータント（Biomutant） ダウンロード版

任天堂の公式オンラインストア。「バイオミュータント（Biomutant） ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch（スイッチ）やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。

My Nintendo Store（マイニンテンドーストア）

Biomutant – Official Game Site

Biomutant is a post-apocalyptic Kung-Fu fable, with a unique martial arts styled combat system allowing to mix melee, shooting and mutant ability action.

CERO - C

ケモノを主人公にオープンワールドを冒険しよう

本作は、人間のように言葉を喋り二足歩行で歩くミュータント（突然変異体）のケモノたちが生きる世界が舞台の物語だ。

プレイヤーの操作する主人公は、キャラクタークリエイト方式となるため種族は固定ではないが、アライグマやナマケモノのような見た目となっていて、そうした要素がお好きな方にとってはそこが特に魅力的だと映るのではないだろうか。

本作のゲームシステムは、シームレスに広がるオープンワールドの世界を股に掛け、ある大きな目的を求めて各地を旅していくこと。メインの目的を追いつつ、"トライブ"と呼ばれる勢力と有効的・敵対的な関係を築き、豊富なサブクエストにも挑んでいく。

ロボットに乗って戦ったり、ジェットスキーや気球に乗ることができたりと、文明崩壊前の旧世界のテクノロジーを利用しつつ、その様相が残るロケーションに触れていくあたりも面白い。

また、本作は選択するクラスによって得意分野は異なるが、剣術や射撃を用いたアクション性の高いゲームシステムを特徴としていて、その小さな身体からは想像できないアクロバティックな戦いが繰り広げられる。

複数のボタン（キー）によるコマンド入力で発動するさまざまな攻撃アクションを繰り出し、毒キノコのような生物的な要素を利用した"バイオジェネティクス"と呼ばれる攻撃や、言わば超能力である"サイ能力"で炎や氷を操っての攻撃など多彩。

こう書くと、ゲームシステムが複雑でプレイするにはハードルが高いのではと感じる方もいらっしゃるかもしれないが、難易度設定も4段階あるので、ストーリー重視でカジュアルに物語を楽しむこともできる。

ゲーム的な歯応えはほどほどに、特に「ケモノな見た目のキャラクターで冒険したい」というところに重点を置かれる方にとっても、良い感じで楽しめる作品になっていると感じる。

Switch版は何が違う？

Nintendo Switchには3つのプレイモードがあるが、本作における動作要件は以下のとおり。いずれも「30fpsで安定して動作可能」とされているが、Dynamic Resolution（動的解像度）によって負荷の高いシーンでは解像度が自動的に調整されることとなる。

• TVモード：1080p（with Dynamic Resolution）@ stable 30 FPS
• テーブルモード：720p（with Dynamic Resolution）@ stable 30 FPS
• 携帯モード：720p（with Dynamic Resolution）@ stable 30 FPS

筆者はローンチ当初にSteamでプレイ済であるため、Switch版の感触を確かめたいという思いがあった。開発チームにおいてもSwitchでの開発はハードウェア性能に制約があるため、それだけ困難であったことは伺っている。

では実際の手触りはどうだったかと言うと、最適化によってキャラクターのモフり具合が控えめ（これはちょっと残念）になったり、オブジェクト数やテクスチャの表現などが抑えられたりしているものの、アクション重視の本作においても30fpsで安定動作しているならば充分快適にプレイ可能だという印象。

もちろん、パフォーマンスに余裕があるSteam, PlayStation 5, Xbox Series Xとは解像度やフレームレートの面では比ぶべくもないが、今回の約3年という期間を経てのSwitchへの対応は、純粋にユーザーの選択肢を広げるためのものと受け止められるだろう。

プレイ環境がSwitchメインという方にとっては、こうして本作がプレイ可能となったことは喜ばしい。ミュータントのケモノたちの冒険が気になる方は、この機会にぜひチェックしてみよう。