『Over The Horizon』は、父親を探して敵地に乗り込んだ主人公が戦闘補助装置を利用しながら、次々と敵をせん滅していくスタイリッシュな2D探索型アクションゲーム(メトロイドヴァニア)。モーションキャンセルを活かして、疾風迅雷のスピードで華麗なコンボアクションを楽しもう。
本作は、韓国の西江大学校が提供する教育課程のひとつであるゲーム教育院の学生たちのサークルで制作が始まった。ネクソンが大学のサークルの出品作品を審査して表彰した「2024 Nexon Dream Members」にて本作が大賞を受賞。5月23日から開催されたゲームイベント「PlayX4」にも展示された。
韓国発のプラットフォームSTOVEでデモ版が配信されており、先日にはSteamにもストアページが公開。まずは、トレーラーで超人的な動きのハイスピードバトルをぜひ見ていただきたい。
韓国のインディーゲームと言えば、昨年完成した『SANABI』のスマッシュヒットが記憶に新しいが、『Over The Horizon』はまた違ったコンセプトを採用してスタイリッシュな高速アクションを追求している。「次の目玉となるのはこれだ!」と筆者は期待している。
本記事では、デモ版のプレイレポートをお届けする。本作の魅力をいち早くお伝えできれば幸いである。
超人的な機動力を生む装置とサポートチームが活躍
主人公のラビは、父親の消息を知る敵を追い、電撃のムチのような武器で戦う。武装した集団に肉弾戦で立ち向かえるのは、「戦闘補助装置イカルス(IC:ARUS)」によって目にも止まらぬ速度で動けるから、という設定だ。
ラビのそばに浮かんでいるウサギ型ロボットは射撃で援護。2人の仲間は、危険の探知や装置の整備などのサポートをする役割のようで、中継地点で会ったときに、貯めたポイント(資源)と交換に新しいスキルをアンロックしてくれる。
キャンセル技でコンボをつなぎ稲妻のように動け
流れるような動きで一気に攻めるカギは、「モーションキャンセル」だ。通常攻撃、ダッシュ攻撃、ステップでの回避など、いずれも動作中に割り込むようにして次の動作に移ることができる。ただボタンを押すだけでコンボがつながるのだ。
チュートリアルで最初に覚えるコンボは、Aキー、Sキー、Shiftキーを順に押すだけ。攻撃して、ダッシュ攻撃で前進し、バックステップで戻る。この3つを好きな順で組み合わせるだけでも、それなりに地上で戦えそうだ。
空中にいる敵には方向キー上とダッシュ攻撃ボタンを押し、上昇する対空技を放とう。そのまま滞空して攻撃し、落下するときは方向キー下+ダッシュ攻撃でドロップアタックをすれば、広範囲の敵を巻き込むことができる。このようにさまざまな技を組み合わせることが可能だ。
回避に使えるアクションも多彩で、Shiftキーで前後にステップ、Sキーでダッシュ攻撃、方向キー下+ジャンプでスライディングができる。敵の体をすり抜けて、攻撃しつつ離脱することも可能。もちろん、これらの回避動作もキャンセルしてコンボ攻撃につなげられる。
アンカーを射出してレールに沿って宙を舞え
スタイリッシュに戦えるもうひとつの要素は、アンカーとレールだ。
特定のポイントを狙ってアンカーを射出し、ワイヤーに引っ張られるようにして飛び移ろう。さらに、レールに沿って突き進み、ローラーコースターのような猛スピードで、そのまま敵の群れに飛び込みつつ急降下攻撃。シンプルな操作で華麗なアクションが決まる! これが最高に気持ちいい。
貯めたポイントでスキルをアンロック
敵を倒して得たポイントは、新しいスキルをアンロックするために使用できる。中継地点に待機しているサポート役の2人に話しかければ、アップグレードを選ぶ部屋に行ける。ショップのような仕組みでスキルを購入するわけだ。
2段ジャンプ、通常攻撃後の追撃、敵を浮かせてから空中での追撃など、使い勝手のよさそうなものもあれば、キャパシタ(蓄電器)ゲージを消費して強力な必殺技を放つものもある。
一方、ポイントと交換するスキル以外の、ジャンプ力アップや壁キックなど、今まで行けなかった場所に行けるようになるスキルは別の重要アイテムによって習得できる。いわゆる「メトロイドヴァニア」ジャンルによくある、移動能力の拡張によって行動範囲が広がっていく要素が本作にもあるようだ。
要所を守る敵や強大なボスを倒せ
部屋にいる敵を全滅させると開くタイプのシャッターが随所にあり、ときには中ボスのような一回り大きな敵も混ざり、ザコ敵もワラワラといる乱戦になる。大勢を相手にどう立ち回るかがポイントだ。
ボス戦では攻撃パターンを見切ることが勝利の鍵を握る。敵の大技が来る前の警告表示を見て上手く回避していこう。床が赤く光ったときは空中に逃れて、真正面からの射撃はスライディングでかわす。ボスのHPバーが半分ほど減った段階から攻撃が激しくなり、決死の戦いに……!
今後の展開は? 対応言語はどうなる?
デモ版をすぐ遊んでほしいぐらいおすすめの本作だが、まだ韓国語にしか対応していない上に、キーボード操作を基本として開発されているようで、慣れていないユーザーはやや苦戦するだろう。ただ、現時点でもゲームパッドでの移動、攻撃、ダッシュ攻撃、ステップといった基本操作には対応している(他の操作はキーボードを使う形になっているようだ)。
対応言語については、将来的に英語や日本語が追加される可能性はありそうだ。韓国のインディーゲームによくあるのは、学生たちが集まってチームを結成し、まずはゲームの序盤を制作してデモ版を公開できるように準備しつつ、起業して支援事業に申請したり、クラウドファンディングを実施したりして資金を調達。年に何度かある韓国国内の展示会に出展してフィードバックを受けながらデモ版を更新し、展示会に来たパブリッシャーから話を聞くというパターンだ。この過程の中で、言語の追加や海外展開の方針が定まっていく。
テキストの多いジャンルのゲームはともかく、アクションゲームがSteamで発売される際に韓国語のみのままというタイトルは少ないので、英語が追加されることは期待してよさそうだ。ご興味のある方はウィッシュリストに追加して待とう。英語や日本語でデモ版をプレイできるときが来たら、また続報をお届けしたい。
基本情報 | Over The Horizon |
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開発 | Etriel Athanasia |
販売 | Etriel Athanasia |
配信日 | 未定 / 日本語無し |
定価 | 未定(Steam) |