2024年7月19日~21日(一般公開日は20~21日)にかけて、京都みやこめっせにて開催された日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit Drift(ビットサミット ドリフト)」の出展作品より、魅力的な注目タイトルをご紹介しよう。


血の力と刀を駆使してネオン輝く東京を狩りまくれ
『Tokyo Underground Killer』は、近未来の東京で血の特殊能力と刀を駆使する殺し屋となり、殺人依頼を遂行していくハイスピードFPSだ。開発は大阪を拠点とするPhoenix Game Productionsが手掛ける。
本作の舞台は、ネオン輝く近未来の東京。プレイヤーは、血の特殊能力を持つシンジュク・ヴァンパイアである殺し屋コバヤシ。日本古来の鬼がモチーフの敵を蹴散らし、東京の裏社会を牛耳る殺人組織フラットライナーと対決していく。


本作の一番の魅力は、近未来の東京を演出するさまざまなギミックである。たとえば、本作のストーリーは、漫画のように画面が区切られた絵とセリフの吹き出しによって表現され、クリックする度に1コマずつ展開されていく。
さらに、プレイヤーである殺し屋コバヤシが大暴れする舞台として、実際の東京に存在する街である新宿、渋谷、秋葉原が登場。中には、過去に実在したロボットのレストランから着想を得たロボットクラブもある。艶やかなロボットクラブの店内には、リアルな看板や自販機も確認できる。
プレイをしていると、「ああ新宿駅だ!」と知っている場所を見つけるのが楽しくなってくる。あまり夢中になっていると敵にやられてしまうので、ほどほどにしなければならないが…。


その他に、筆者が面白いと感じたのは弁当屋メニューだ。街中に弁当マンのブースが点在していて、弁当を食べて体力を回復したり、ゲームの進捗状況をセーブしたり、獲得したブラッドスキルをセットしたりすることができるのだ。
弁当を買うと、プレイヤーはその場で弁当を開き、箸を使っておにぎりやウインナー、だし巻き卵などをむしゃむしゃと食べて体力を回復する。日本文化の1つである弁当を使った演出が、本作のタイトル名に寸分違わず東京という街の中にいると感じさせてくれる。

主人公は刀やピストル、ショットガンなどの銃器と、ブラッディパンチなどの血を利用したブラッドスキルを駆使して暗殺任務をこなしていく。本作はハイペースFPSなので、敵に応じて適切な武器やスキルを瞬時に切り替えて立ち回ることが求められる。
東京の裏社会を支配する殺人組織フラットライナーの正体とは。殺し屋コバヤシがフラットライナーと対峙してどんな決断を下すのだろうか。


開発者インタビュー「日本の映画やマンガに影響を受けて」
今回、開発と販売を手掛けるPhoenix Game ProductionsのArt Directorを務めるHans Steinbach氏とEnvironment ArtistのErnesto Elvin Pareira氏にお話を伺った。
Phoenix Game Productionsは、大阪を拠点に活動中の8名のチーム。コバヤシという名前は、見た人が日本人をイメージしやすいようなオーソドックスな名前として選んだそう。また、本作は日本アニメや映画にもインスパイアを受けており、具体的には三池崇史監督作品や、『デビルマン』『AKIRA』が好きだとおっしゃっていた。

コバヤシが上から下に刀を振り下ろし、敵がおびただしい量の血を流して倒れるシーンは、三池崇史監督作品の雰囲気を彷彿とさせる。また、この派手な流血表現も血の特殊能力を持つコバヤシという設定と絶妙にマッチしている。
本作の発売は2025年、プレイ時間は7時間から8時間程度を予定しており、ミニゲームなども盛り込みたいとのこと。刀アクションが好きな方、スキルを駆使してプレイするハイペースFPSが好きな方は、ぜひチェックしていただきたい。

基本情報 | Tokyo Underground Killer |
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開発 | Phoenix Game Productions |
販売 | Phoenix Game Productions |
配信日 | 2024年 / 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |