2024年7月19日~21日(一般公開日は20~21日)にかけて、京都みやこめっせにて開催された日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit Drift(ビットサミット ドリフト)」の出展作品より、魅力的な注目タイトルをご紹介しよう。


『Crow Country』は、モンスターがあふれる閉園したテーマパーク「クロウ・カントリー」で、オーナーが失踪した謎を解き明かすサバイバルホラーゲームだ。開発は、イギリスを拠点とするSFB Gamesが手掛ける。
今回は、初解禁となった日本語対応のデモ版をプレイさせていただいた。当日ブーススタッフを担当されていたジャーナリストADAM BOLTON氏と、本作の日本語翻訳を担当されたフリーランス英日ゲーム翻訳者光藤リナ氏に伺ったお話を交えながら、本作の魅力についてご紹介しよう。

テーマパークオーナー失踪の謎を解け
『Crow Country』の物語は、アメリカにある、閉園したテーマパーク「クロウ・カントリー」から始まる。このテーマパークのオーナーであるエドワード・クロウが突然失踪してから約2年。主人公マーラ・フォレストは、彼がなぜ突然失踪してしまったのか、その謎を解き明かすためにクロウ・カントリーにやってきた。
パズルや謎解きを解き、次々と目の前に現れる奇抜なモンスターたちを銃で倒しながら、マーラはクロウ・カントリーを探索していく。果たして、マーラはエドワード・クロウ失踪の謎を解き明かすことができるのだろうか。


本作の魅力の1つは、クロウ・カントリー内の探索である。2年前に閉鎖された奇妙なテーマパークはゴミがあふれ、遊具も壊れたものばかりだ。その中を一つ一つ丁寧に探索してみよう。ゴミ箱を探索すれば貴重な回復アイテムや弾薬が見つかるかもしれない。
また、自販機や古ぼけた遊具もインタラクトしてみよう。パーク内の壁に貼ってあるポスターは、月刊メガバイツといういわゆるプレイングマニュアルで、摩訶不思議なテーマパークの雰囲気を壊すことなく、操作方法を確認できるようになっている。


本作では、3つの難易度が用意されている。ノーマルモードにあたるサバイバルホラーでは、マップの至る所にモンスターが潜んでおり、戦いと探索を両方楽しめる。これより難易度が高いハードモードが、マーダー・オブ・クロウ。このモードでは回復アイテムなどの資源の数が少ないだけでなく、モンスターがより攻撃的になるとのこと。
一方で、ノーマルモードよりも難易度が低い探索モードも用意されており、モンスターから攻撃されることなく自由にパーク内を探索することが可能。このモード内ではモンスターが何者かに倒された状態でプレイできるのだ。本作のようなサバイバルホラーでは、イージーモードが用意されているケースが増えてきたが、モンスターが何者かに倒された状態というのはあまり見られない設定だ。
筆者は、標準的な難易度のサバイバルホラーモードでプレイしたところ、奇怪なモンスターの動きが全く読めず、最初に出くわしたモンスターに瞬殺されてしまった! 1周目は探索モードでプレイして、2周目はサバイバルホラーモードでプレイするのもいいかもしれない。



奇怪な雰囲気の中で光るマーラの優しさ
本作はすでに英語版が発売されており、発表時には日本語版の発売を求める声が多数上がっていた。今回はそのような声に応える待望の日本語対応となる。日本語翻訳を手掛けるのは、『Iron Harvest』や『Horizon Forbidden West』『Atomic Heart』などの一部翻訳を手掛けてきた光藤リナ氏だ。
本作で登場するキャラクターたちは個性が立っており、中でも主人公のマーラのかわいくて優しい部分を表現できるよう意識しながら翻訳されたとのこと。今回プレイしたデモ版の中でも、クロウ・カントリーの中で負傷していた男性をマーラが介抱する場面があった。白いワンピースを着たボブヘアのかわいい彼女の優しさが、奇怪な雰囲気のゲーム内の唯一のオアシスなのかもしれない。
日本語版のリリースは2024年内を予定。サバイバルホラーが好きな方、テーマパークの雰囲気が好きな方や探索好きな方は、ぜひチェックしてみてほしい。サウンドトラックも発売中だ。

基本情報 | Crow Country |
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開発 | SFB Games |
販売 | SFB Games |
配信日 | 2024年5月10日 / 日本語対応予定 |
定価 | 2,300円(Steam) |
定価 | 未定(Xbox Series X/S) |
定価 | 未定(PS store) |