モバイルゲーム『チャッケビ茶屋』は、移動式茶屋のオーナーとなり、お茶のおばけ「チャッケビ」を育ててお店を手伝ってもらいながら、飲み物を提供する育成&経営シミュレーションゲームだ。
本作は2024年7月にサービスを開始し、基本プレイ無料。課金要素として、アイテムやシーズンパスのアプリ内購入がある。10月24日のアップデートで日本語が追加された。

本作は、韓国を拠点とするMALMAL Studio(公式サイト)のマルマル氏が一人で開発を始めたプロジェクトだ。日本語翻訳を担当したのはフリーランス韓日翻訳者の「ふじこ」さんこと、向井志緒利氏(プロフィール)。日本語の文字の途切れなどは徐々に修正されていくとのこと。筆者も日本向けPRを少しだけお手伝いさせていただいている。
お茶のおばけの「たまごっち」型育成ゲーム
以前から、女性ユーザーや低年齢層を含めた幅広い層が楽しめるカジュアルなゲームを紹介したいと考えていた。『チャッケビ茶屋』はスマートフォンで遊べるためオススメしやすいし、ゆるくてかわいいキャラクターが好きな方にピッタリだ。
本作は、かつて社会現象と言えるほど大ブームとなった「たまごっち」を意識した育成ゲーム。60種類以上のチャッケビを集めながら、ご飯をあげたり撫でたりしてチャッケビの親密度を上げていくと成長した姿に変わる、という「たまごっち」ライクな楽しみがある。「たまごっち」型のゲームが今も海外で作られていると聞くと、親しみが湧いてくるのではないだろうか。

お茶を作ってお客さんに提供しよう!
では、最初から始めたときのゲームの流れに沿ってご説明しよう。主人公は茶屋を開店しようと準備中だが、困ったことにお茶を淹れる才能がまったくない! そこで、お茶から生まれたトッケビ(おばけ)の「チャッケビ」たちがお茶作りを手伝ってくれる。

チャッケビのお腹が減りすぎないように適度にご飯をあげておくと、時間とともに「ティーバッグ」を生み出す。茶屋を営業するステージを選んで、仕事を始めよう。
茶屋に来るお客さんの注文に合わせて、お茶を淹れていく。蛇口をひねって、お湯・水・お湯+水の3パターンの中から必要な温度の水を入れる。そして、お客さんが注文したお茶を手持ちのティーバッグから選ぼう。
一日の営業が終わると、お茶を販売した分の「ゴールド」が手に入る。お客さんからの評価はGREAT・GOOD・BADの3段階。成績に応じて「評判」が上がり、評判が高いほどお客さんがゴールドをたくさんくれて効率が上がるので、素早く正確にお茶を提供できるかチャレンジしてみよう。
ティーバッグは、最初は緑茶1種類しか所有していないが、ゲーム内通貨の「キャンディー」を使って「召喚」で新しいチャッケビをお迎えすると、庭でさまざまなティーバッグを生産してくれる。

チャッケビをお世話して成長させよう!
チャッケビは庭を走り回るうちに汚れてしまう。お風呂に入れてブラッシングしてピカピカにしてあげよう。お風呂以外にも、タップしたり撫でたりするとチャッケビの「親密度」が上がりレベルアップする。チャッケビが成長するとツノやしっぽが生えたり、アクセサリーのようなトッピングが付いたりして、成長した姿を見せてくれる。
また、お腹がすいたり、体が汚いままだと「幸せ度」が下がってしまい、ティーバッグの生産スピードが落ちるようだ。チャッケビの元気がなくなっているときは見た目で分かるので、何をどうお世話すればいいのか直感的にわかるようになっている。

おいしいご飯をあげて味レベルを上げよう!
それぞれのチャッケビには、かぐわしさ・こうばしさ・あまさ・すっぱさという4つの「味レベル」がある。この味レベルが、生産されるティーバッグにも影響する。どの味レベルを上げたいかを考えながら、食べさせるご飯の種類を選ぼう。
チャッケビのご飯はショップでさまざまな種類が販売されており、ゴールドと交換できる。茶屋を営業してゴールドを稼ぎ、ショップでご飯を買うというサイクルを続けよう。あとで「畑」が解禁されると、作物を育ててチャッケビのご飯にすることもできる。
先のステージに進むほど販売基準が高くなっていて、お客さんを満足させるには味レベルの高いティーバッグが必要になるが、もらえるゴールドも多くなる。チャッケビにおいしいご飯を食べさせて成長させ、先のステージを目指そう。

ミニゲーム、畑、カスタム。徐々に増えていくコンテンツ!
2番目の茶屋をオープンして何度か営業する頃には、庭の「カスタム」が解禁される。それまでにチャッケビの親密度を上げられる「ミニゲーム」と、ご飯となる作物を生産できる「畑」も利用できるようになる。
畑に作物の種をまいておき、数分経つと収穫できる。ただし、配置したチャッケビが畑の管理者となっている間はティーバッグを生産しない。ティーバッグ不足に気を付けよう。

「カスタム」では、ゴールドで購入したカスタムアイテムを庭に配置して、お好みの外観に作り変えることができる。アイテムを追加すると星マークのカスタムスコアが増え、永続的なアップグレードである「庭の強化」につながる。
さらに、一部のカスタムアイテムはチャッケビの満腹度や清潔度に良い影響を与える。例えば、回し車を配置してチャッケビを乗せると、運動してお腹が空きやすくなり、そのぶんご飯を食べて成長を早めることができる。
こうして書くとやや説明的になってしまうが、メイン画面に畑やカスタムのボタンが並んでいるので、よくわからずに利用しないままになるということはないだろう。チャッケビを増やしてカスタムでアイテムを充実させていくと、どんどん見た目ににぎやかになっていき、素敵な庭作りを楽しめる。

告知が中心の公式SNS(X/Twitter)とは別に、マルマル氏のアカウントがあり、ユーザーが撮ったスクリーンショットやファンアートがリポストされている。他のユーザーの庭も見てみよう。チャッケビの色とトッピングのかわいい組み合わせを見つけたり、こんな庭を作ってみたいなと思ったりして楽しみが広がりそうだ。
韓国のインディーシーンから生まれた成功例
最後に、『チャッケビ茶屋』が制作された背景をご紹介したい。韓国のクラウドファンディングプラットフォーム「Tumblbug」のモバイルゲーム部門を後援金の多い順に見ると、現時点での上位10タイトルはすべて女性ユーザーをターゲットにしたゲームのようだ。韓国の大手ゲーム会社があまりカバーできていない分野が、女性ユーザーたちの後援を受けて制作されている、という傾向がうかがえる。
その10タイトルの大半は恋愛ゲームだが、かわいい動物キャラクターのゲームが2つあり、その1つが『チャッケビ茶屋』(プロジェクト専用ページ)である。本作は性別を問わず広くオススメできるゲームだけれども、女性であるマルマル氏には、企画した当初、自分と同じ趣味を持つ女性ユーザーたちが楽しめるゲームを作ろうという意図もあったという。
クラウドファンディングの後援者は944人、集まった後援金額は3846万1900ウォン(現在のレートで約421万円)。まだ実績のない一人開発スタジオのゲームにこれほどの支援が集まったことに驚いたが、一人でもインディーゲーム開発を始めることができて、趣味を同じくする後援者たちが集まるというのは夢のある話だ。マルマル氏がチャッケビというキャラクターを思いついたのは大学生のときで、チャッケビの育成ゲームを1つ作ったあとに本作を企画した。
そして、本作は韓国最大のゲームショウG-STARで昨年「Best Indie Game of G-STAR」を受賞。そこからまた長い道のりを経て今年7月に正式発売された。個人的には、韓国のインディーゲーム生態系から生まれた成功例と言ってもいいくらいだと思っているが、『チャッケビ茶屋』はまだ日本では認知度が低い。広まれば、きっと気に入ってくださる方が多くいるはずだ。日本でも、同じ趣味を持つユーザーたちがチャッケビを育てながら、このプロジェクトが大きく育ってくれると嬉しい。

基本情報 | チャッケビ茶屋 |
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開発 | MALMAL Studio |
販売 | MALMAL Studio |
配信日 | 2024年7月3日 / 日本語有り |
定価 | 基本プレイ無料+アプリ内課金(App Store)(Google Play) |