2024年10月1日、ストリーマー主導によるインディーゲーム紹介を目的としたライブサーキット型ショーケース「IndieLife Streamers」の開催決定と、参加希望ストリーマーのエントリー募集を広く呼び掛ける告知が同イベントの公式Xアカウントより行われた。
本イベントの企画・運営は、自身もクリエイター/ストリーマー(配信者)として活動されている以下のメンバー。最近では、2024年6月22日にベルサール秋葉原にて開催された「TOKYO SANDBOX 2024」の公式番組を担当されているなど、ご存じの方も多いのではないだろうか。
【お知らせ】
— IndieLife Streamers (@IndieLife_Stm) October 1, 2024
ライブサーキット型
ゲームショーケース
『IndieLife Streamers』
㊗開催決定㊗
ショーケースに参加してもらえる
ストリーマーさんを大募集‼
ゲームが大好きなストリーマーさん
お待ちしています✨
<参加エントリーフォーム>https://t.co/uugTVq8iUw#IndieLifeStreamers pic.twitter.com/SoBtfqozv7
ストリーマー主導によるオンラインイベント
公開されている資料によると、本イベントのコンセプトは「複数のゲームストリーマーの視聴者を回遊させて、インディーゲームを紹介するライブサーキット型オンラインゲームショーケース企画」になるとのこと。
今回の配信プラットフォームはYouTubeのみ。あらかじめ決められたタイムテーブルの中で、複数のストリーマーが自身のチャンネル上で2~3タイトルを紹介し、次のチャンネルへとYouTubeライブリダイレクト機能(Twitchのレイド機能と同様の仕組み)を用いたリレー形式でバトンタッチされていく形だ。

企業・団体によって開催されるショーケースは少なからず存在しているが、いずれもゲーム制作を手掛ける側からのエントリーとなることが一般的だ。しかし、ストリーマー側が主体となって行われるインディーゲームを主軸とした番組となると、筆者の知る限りでは日本国内ではほとんど事例がない。
知る人ぞ知るようなニッチな作品も含まれるインディーゲームをピックアップし、そのプレイシーンをライブで直に視聴者に見せ、自身の言葉でリアルタイムに魅力を伝えるストリーマーならではの視点が大いに活かせるイベントとなることが予想できる。
また、番組の視聴者にとっても視野が広がる良い機会となり、普段視聴しているチャンネルとは異なるストリーマーによる、目の付け所の違いといったものが楽しめそうだ。

本イベントのエントリー期間は、2024年10月31日23時59分まで。具体的な時期はまだ未定ながら、2025年1〜3月頃の開催が予定されている。
冒頭のXポストにある「参加エントリーフォーム」から、具体的な開催要項や参加条件が取りまとめられた「企画書(PDF)」を閲覧可能なので、本イベントに賛同するストリーマーはぜひ前向きに参加を検討されてみてはいかがだろうか。
企画・運営インタビュー
ここからは、本イベント「IndieLife Streamers」の企画・運営メンバーから代表して「フェイチャンネル」のフェイ氏へのインタビューの内容をお届けしよう。
先述のとおり、参加を希望するストリーマー向けの企画書も公開されているが、ストリーマー、および、視聴者の双方にとってより詳しくイベントの主旨などをご理解いただけると思うので、ぜひご覧いただければ幸いだ。
――今回のイベントを企画されたきっかけを教えてください。
フェイ氏:
きっかけとなったのは、今年の6月に「TOKYO SANDBOX 2024」というインディーゲームイベントで、公式番組を担当させていただいたのですが、とても楽しかったので「もっとこういうイベントをやりたい!」が一番大きいです。
もともと、TOKYO SANDBOXの主催だったパブリッシャーBeepJapanさんから依頼していただいたのは、もっと軽めの自宅からのリレー配信みたいな内容でした。
しかし、過去にオフラインイベントの企画や、会場からの生配信の経験・実績などを持つVTuberの壬來屋トイ(@mikuriya_toy)と知り合っていたので「これは自分たちでもっと面白い紹介番組が作れるかもしれない……」と思い、交流があったインディーゲーム専門VTuberのしろこりGames(@Shirocory_Games)にも声をかけて、企画や番組のビジュアル面などを制作・提案し、その挑戦をBeepさんが快く受けてくださり実現しました。
その時のメンバーが、今回の「IndieLife Streamers」の運営というか主要メンバーになっています。
そこで得た自信と反省、このメンバーでもっと頻繁に面白いことをやっていきたいなーと思ったときに、お仕事の依頼待ちだとなかなか実施できないので、それなら自分たちで作ったほうがいいんじゃない? となり、挑戦することにしました。
そんな中で、壬來屋トイさんから「歌枠リレー(※)」の構造をベースにしたストリーマーによるゲーム紹介の回遊イベント「IndieLife Streamers」の企画の基礎を提案してもらったときに、3人でいろいろと議論をしましたが、そもそも上手く回遊するのか? といった問題も持ち上がりました。
ですが、リアクションのすごい人がホラーを遊んだり、歴史好きな人がシミュレーションを遊んで語ったり、アクションが上手い子が死にゲーでRTAチャレンジをしたりとか、演者に合ったゲームをマッチングさせることで、ゲームの魅力を最大限に伝えて、視聴者も興味深く見てもらえる。うまくいけばかなり面白い番組になるんじゃないか?これはやってみたい! と思いました。
※歌枠リレー
さまざまな歌い手VTuberがテーマに沿った歌を、チャンネルからチャンネルへとバトンを渡していくように歌っていくフェスのようなもの。
――企画意図はどのようなものになるでしょうか?
フェイ氏:
一言でいえば「インディーゲーム界隈をもっと盛り上げたい」という意図です。
去年の「BitSummit Let’s Go!!」を皮切りに、私のチャンネルで「開発者と遊ぶ!」という、インディーゲームクリエイターさんをお呼びする企画を行っています。幼少期にどんなゲームを遊んだのか? という質問から、開発しているゲームに込めた思いなどを聞いて、熱量高くトークする様子をお届けして、見ている人に「この人のゲームを遊んでみたい!」と感じてもらい、そのゲームに特別な思い入れを持ってもらえるような企画です。
この企画のスカウトも兼ねて、行ける範囲で片っ端からインディーゲームイベントに行ってたくさんの開発者さんやパブリッシャーさんに知り合う中で、「この人たち、この業界がおもしろいな!もっと応援したいな!」って気持ちが高まったのと、面白いのにフォーカスされてないインディーゲームは山ほどあることに気付いて、こういう番組の需要は確実にあるんじゃないか? と感じました。
YouTube再生リスト:開発者と遊ぶ!
しろこりさんも、いろいろなイベントに行って同じことを感じていたようですし、自身のチャンネルで「Steamレビューを書こう!」って企画をコツコツやっていて、もっとこれを大きく拡散する方法はないか? みたいなことを考えていたようです。
それぞれでは微力だけど、力を合わせて大きなイベントにすることで、
- 開発者さんには自身のタイトルをじっくり紹介してもらう機会を提供
- ストリーマーさんには回遊により自身チャンネルの宣伝や開発者さんや企業さんに関わるメリット
- 視聴者さんにはゲームと演者のシナジーによる爆発力の期待や、毎回演者が異なる刺激の変化など
- 僕たち運営は面白いことができて嬉しい
といったように、携わる人たちが全員ニコニコな一石二鳥三鳥みたいなイベントになるといいなー! と、甘い見積もりをしています(笑)実際そう甘くはないと思うのですが……!
とにかく、楽しんでやっていきたいです。
――企画書を拝見しましたが、ストリーマー自身へのメリットや、イベントの将来性も堅実に想定されたものと感じました。一過性で終わることなく今後も継続して開催していきたいということでしょうか。
フェイ氏:
継続的に開催したいと思っています。
今回は「advance」という副題を付けていて、いわゆる「この企画どうなんだろう?やってみよう」っていうお試しなんですが、可能であれば年に何回も開催できたらなと考えています。
この1年、インディー界隈を見ていて感じたんですが、これだけやったとしてもきっとインディーゲームの紹介の場は足りないと思います。
――取り上げるインディーゲームタイトルに何か基準などは設けるのでしょうか。
フェイ氏:
パブリッシャー、個人、プラットフォーム、リリース済か否かなどは、特に基準は設けていません。
一番大事なこととして、演者とゲームの面白さを引き出す面白い放送になることを目指したいです。面白くなるならば、番組の形式にこだわらず臨機応変に姿が変わっても良いと思っています。
なお、応募についてですが、ストリーマーについてはおそらくそんなに多くないだろうというのもあって公募の形をとっています。
取り上げるゲームタイトルに関しては選考やメール対応の工数が少ないので、公募という形だとご迷惑をおかけする可能性が高いと思っていて、しばらくはみんなでインディーゲームイベントに片っ端から通い詰めたり、Steam漁りをしながら日々候補タイトルを検討してお声がけをさせていただくような形でやって行こうと考えています。

――今後の展望などがあれば教えてください。
フェイ氏:
「IndieLife Streamers」が、ゲーム好きの視聴者さんや、インディーゲーム業界の多くの人に愛されることを目指したいです。この企画に参加したことがストリーマーさんにとって価値となって、開発者さんの周知の手助けになれば最高です!
理想は、演者とタイトルのシナジーがうまくハマって両者の魅力を引き出しすことですが、この実現が一番難しいと思っています。挑戦的な企画なので回を重ねながら、ご意見も取り入れつつ創意工夫をしていければなと思っています。
今の運営は、この番組でお金儲けをしようって部分が強くないメンバーなんですが、お金がないとなかなか大きなことができません。いずれはCM枠やスポンサー表示などもやっていけたら、例えば、すごく良い放送をした方にインセンティブを出すとか、予算でグッズを作って、出演していただいた開発者さんのブースにグッズを無償でお渡ししてイベント集客のきっかけになるとか、そういったことができたらすごく良いよね~なんて妄想話はしています(笑)
ご興味あればぜひご連絡いただけますと幸いです!
――参加を検討されているストリーマー、および、視聴者へメッセージをお願いします!
フェイ氏:
今回は我々メンバーも含め、参加ストリーマーさんには心意気を買っていただいて、無償で参加していただくことになります。ですが、まだまだ駆け出しのストリーマーさんには自分のチャンネルの周知の助けになると良いですし、すごく良い出会いになって番組のスターになったり踏み台にして羽ばたいてくれたら嬉しいです(笑)
スタートアップから一緒にやってみたい! と熱意ある人を求めています。
視聴者さんには、ぜひ初回からご覧いただいて、こういった挑戦番組がどうなるか? というのを一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。挑戦して行く中で変わっていく部分もあると思うのですが、回を追うごとにどうなっていくのか? ぜひゲームが大好きな方に応援していただけたら嬉しいです。
ご意見やこういうものが見たい! などもお気軽にお待ちしております。
なるべく早く開催できるようにがんばって準備していきます! 興味を持ってインタビューを読んでいただき本当にありがとうございました!
基本情報 | IndieLife Streamers |
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公式X | @IndieLife_Stm |