Indie Gemは、リリースを控える期待の作品群から、明日を煌めく原石のようなタイトルを発掘し、体験版を元に紹介していくコーナー!
2024年10月15日~22日に開催された「Steam Nextフェス2024年10月エディション」の参加タイトルから、魅力的な注目タイトルをピックアップしてご紹介しよう。
Steamにて定期的に開催されるイベント「Steam Nextフェス」は、近日登場予定のゲームの祭典。約1週間にわたり、多数の開発中タイトルの体験版が公開され、開発者のライブストリーミングが放送される催しとなっている。

もっと冒険者が集まるダンジョンに作り変えよう!
『Novice Dungeon Master』は、ターン制のダンジョン経営シミュレーションゲーム。初心者向けダンジョンを探索していた主人公がダンジョンの主となり、30日間かけて、ダンジョンをより多くの冒険者たちが訪れる場所に変えていく。
Steam Nextフェスに向けて配信開始された体験版では、20日目までプレイできる。なお、Nextフェスの期間が過ぎた後も、体験版の配信は続けられる予定だ。
開発元は韓国を拠点とするLazyCnD。筆者は8月にプサンで開催された「BIC Festival 2024」で開発者にお会いして以来、日本向けプレスリリース配信などを個人でサポートさせていただいている。本記事でも、ゲームの基本的な流れをご紹介できればと思う。
冒険者たちの目的に合ったものを揃えよう!
ダンジョンにやって来る冒険者たちは、薬草や鉱石、モンスターとの戦いや財宝など、それぞれ求めているものが異なる。「マナ」や「ゴールド」を消費して冒険者に求められている物をダンジョンに配置し、冒険者を満足させてから帰して、ダンジョンの「人気度」を上げていこう。
序盤からダンジョンにやって来るのは戦闘力の低い薬草採りや鉱員だけ。日数(ターン)が経過するにつれ、武器を持った冒険者がダンジョンに入って来るようになるので、モンスターを配置しよう。財宝の入った宝箱も配置しておけば、さらに満足度が上がる。幅広いニーズに応えていくことで、ダンジョンに来る冒険者が増えていく。
冒険者たちがダンジョンで何かをすると、たいていの場合はマナが増えて、さらにダンジョンを開発するための資源となる。例えば、薬草や鉱石が採取されるだけでもマナは増える。店の在庫を補充するような感覚で、薬草や鉱石を追加するために再びマナを消費することになるが、余剰分のマナをモンスターの召喚に使ってダンジョンを充実させていこう。
もうひとつの資源であるゴールドを手に入れるには、チュートリアルで説明されるように、ターンごとに与えられる「AP(行動力)」を消費して「彫像に祈る」という方法がある。他にもゴールドを稼ぐ方法を見つけるとダンジョン経営の幅が広がるので、自分でプレイして探してみよう。
危険なダンジョンとして知られる存在にしよう!
APには様々な使いみちがあり、「訓練」によってモンスターを成長させることもできる。他にも、冒険者を危険な目に遭わせるためには、ゴールドを消費してトラップを仕掛けるのも有効だ。ダンジョンの「危険度」が上がると、それもまた次の冒険者を引き寄せる要因となる。理由は定かではないが、一部の冒険者はあえて危険なダンジョンを目指してやってくるのだ。
しかし、薬草採りや鉱員まで危険なダンジョンを望んでいるわけではなさそうなので、浅い階層では安全に採取できるようにしておくのがよいだろう。深い階層に進むほど危険なモンスターやトラップがある、というのが幅広い層に喜ばれるダンジョンということになりそうだ。
ダンジョンを30日間守り抜こう!
本作にはタワーディフェンスの要素もあり、ダンジョンの最深部にある「卵」の防衛に失敗するとゲームオーバーになってしまう。強力なモンスターやトラップを配置して最後の防衛線を突破されないようにしつつ、冒険者を満足させるための設備にも投資するというバランスが考えどころだ。
無事に30日間を過ごした後のエンディングは、プレイヤーの行動によって変化するという。何度も繰り返しプレイして、見たことのないエンディングを探す楽しみがありそうだ。先述のように、体験版でプレイできるのは20日目までとなっているので、結末は製品版で見届けてほしい。
ゆる~くダンジョン作りを楽しむこともできる!?
プレイヤーがダンジョンの管理者となるタワーディフェンスゲームは今までにもあったが、本作のように、冒険者のニーズを満たしてもっとたくさん引き寄せるというゲームシステムは記憶にない。
敵ユニットでもある冒険者が増えていくほど防衛は難しくなるだろうが、総合的に見て、本作はゆるやかに難易度が上がっていくタイプのゲームのようだ。いわゆるサンドボックスゲームのように、自分なりにいろいろとダンジョンを作り変えて楽しむことができるはずだ。
もしゲームオーバーになっても、自動保存されたセーブデータからやり直して、モンスターやトラップを追加すれば乗り切れることがほとんどだろう。再開したときに、手持ちの資源で戦力を増強しても対応できない場合もあるかもしれないので、もう少し前に遡れるセーブデータも手動で残しておくことをオススメする。
ステージをクリアするごとに難易度が上がっていくタワーディフェンスゲームよりも、本作は間口が広くて遊びやすいと感じたので、とにかくダンジョン作りと聞いて興味が湧いた方には、まだ配信が続いている体験版をプレイしてみていただきたい。製品版は11月発売予定で、あまり待たされることなく遊べるようになるのも嬉しいところだ。
基本情報 | Novice Dungeon Master |
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開発 | LazyCnD |
販売 | LazyCnD |
配信日 | 2024年11月 / 日本語有り |
定価 | 1400円(Steam) |