2024年9月26日~29日(一般公開日は28~29日)にかけて、千葉・幕張メッセにて開催された「TOKYO GAME SHOW 2024 - 東京ゲームショウ2024(以下、TGS2024)」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトルを対象としている。


わずか10秒間のパズルアクション
『十秒奪取!』は、わずか10秒間の制限時間内にスタートからゴールまでを駆け抜ける、タイムパフォーマンス重視の2Dパズルアクションゲームだ。日本のゲーム開発スタジオ"Messed Software(メシードソフトウェア)"が手掛ける。
ゲームシナリオライター・グラフィックデザイナー・ライトノベル作家(代表作:KADOKAWA・MF文庫J 刊『ぼくたちのリメイク』)・VTuberなど、多方面で活躍されている木緒なち氏を代表として、今年5月に立ち上げられた新興スタジオによるタイトル第一弾となる。


▲現在、公式サイトはゲーム紹介画像のみの仮設とのこと
本作のストーリーは、城勤めの女騎士エリシルが、王宮の生活が嫌になって逃げ出した王女テレナを追い、彼女が逃げ込んだ仕掛けだらけの古城を突破して連れ戻そうというもの。
そのゲームシステムは、ステージ攻略型の2Dパズルアクション。プレイヤーはエリシルを操って、移動とジャンプ、空中ダッシュなどのスキルを駆使して10秒以内にそのステージのゴールゲートまでたどり着くことが目的だ。制限時間を過ぎればタイムアップとなり、即座にスタート地点からのリトライとなる。

今回、TGS2024の出展ブースでは開発中の10ステージを試遊することができた。
スクロールすることなく画面内に収まるように作られたステージは、足場やオブジェクト、敵キャラクターが絶妙に配置されていて、シンプルなルールながら「これを10秒以内に?」と手を止めて考え込んでしまいそうな構成。

しかし、アクション自体は操作方法をたくさん覚えなくとも直感的に操作可能で、精密な操作を要求されこそするがプレイフィールは良好。そのおかげか、いざ走り出してみれば序盤のステージは何とかゴールゲートにたどり着くことができた。
――だが、新たなステージに進むとその構成は複雑さを増し、容易にゴールにはたどり着けなくなっていく。何せ時間がないので慎重に進む余裕などなく、トライアルアンドエラーを重ねながら、用意されたアクションを駆使して自分の信じる最適なルート取りで時間を刻んでいくしかない。

そうして何とかゴールを迎えると、毎回のようにちょうど10秒ギリギリとなっているのが凄いところだ。
筆者は試遊時間をめいっぱい使っても8ステージまでしか行き着けなかったが、製品版では全100ステージになるとのこと。また、今回の試遊体験版には登場しなかったさまざまなスキルを駆使することになるので、シンプルながらも奥深いボリュームを感じさせるものになるだろう。
リリースは今冬を予定
今回、会場にて代表の木緒なち氏にお話を伺ったところ、開発期間はTGS2024の時点で半年ほど。今冬リリース予定なので1年未満での制作となるが、開発サイクルはスタジオの方向性によって異なるもの。今後も同様のスパンでミニマムなタイトルな中心となるかというと、そうではないとのこと。
1作目はメシードソフトウェアとしての「練習のつもり」なのだそうで、次回作は2年ほどかけてじっくりと作りこんだ作品を目指したいと話し、タイトルの規模としては長短を織り交ぜていく構想で考えているとのことだった。

業界でも経験豊富な木緒なち氏が、インディーゲームという新たなフィールドでの活躍に引き続き注目していきたい。そのスタジオ設立の経緯や思いなどは、設立発表時に弊誌でも取り上げているので、併せてご覧いただければ幸いだ。
『十秒奪取!』は、PC(Steam)にて今冬(2024~25年)のローンチに向けて鋭意開発中。なお、現時点でSteamストアページは公開されていないが、10月中に体験版を公開予定とのことなので、最新情報は公式Xをチェックしてほしい。

基本情報 | 十秒奪取! |
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開発 | メシードソフトウェア |
販売 | メシードソフトウェア |
配信日 | 今冬(2024~25年) / 日本語有り |
定価 | 未定(Steam)※ストアページ未公開 |