2024年9月26日~29日(一般公開日は28~29日)にかけて、千葉・幕張メッセにて開催された「TOKYO GAME SHOW 2024 - 東京ゲームショウ2024(以下、TGS2024)」の出展作品より、魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。


時間を操作して新たなストーリーを創りだす
『CINEMA』は、モノクロ映画の世界観をベースに、プレイヤーが時間軸を操って新たな物語を紡ぎ出す一人称ミステリーアドベンチャーゲームだ。開発はイタリアのTrinity Teamが手掛ける。
なお、本作はその独創的なゲームデザインが評価され、TGS2024の「Selected Indie 80」のタイトルを対象に開催されたピッチコンテスト「センス・オブ・ワンダー ナイト 2024」のファイナリスト8組のうちの1組に選ばれている。


物語は、とあるオフィスの一室からはじまる。プレイヤーである物語の主人公は、自分が何者で、ここがどこなのか何が起きているのかわからない。そこで、目の前にいる貴婦人デ・ノーブル氏に話しかけてみるが、彼女の言うことはいまいち要領を得ない。どうやら、今夜彼女自身が殺されると主張しているようだが…。
オフィスの中にある蓄音機や時計などを調べていくと、主人公の名前がデクスター・ビルという探偵であることが判明する。また、数秒間のシーンごとに時間の流れを一時停止することができるようになるのだ。この一時停止を活用して、探偵としてより詳細に周囲を調査していく。



オフィスを調査した後、主人公はオフィスの外に出られる。ここからは時間の流れを操作しながら、探偵としてノーブル氏がなぜ死んだのか、そして、どうすれば彼女の死を防ぐことができるのかを探り出すこととなる。
さらに調査を進めると、新たな時間軸を創るフェーズへ。このフェーズでは、集めた情報を基に、ノーブル氏の死を回避するために自身がどのような行動を取ればよいかを推理して実行に移す。そうすると、それまではなかった新しい時間軸が形成され、ノーブル氏の死を回避することができるのだ。


本作の最大の特徴は、時間軸を操作することで登場人物の行動の因果関係を変えられる点である。プレイヤーには、モノクロ映画の登場人物である探偵と、映画を演出するディレクターとしての2つの役割があるのだ。
主人公は数秒間のシーンを巻き戻したり、一時停止をしたりすることで探偵として入念に調査を行うことができる。また、物語の流れるカットの順序を入れ替えて、シナリオそのものを変えることも可能だ。単にノーブル氏の死の謎を解き明かすだけでなく、どのようにして彼女の死を防ぐかという推理の二段構えの構造が本作の大きな魅力だ。
時間を操り、新たな時間軸を創るというファンタジー要素と、現代の私たちにとっては遠い昔のモノクロ映画の世界観が見事に融合された非常にユニークな作品だと感じた。
『CINEMA』の発売時期については、今のところ未定とのこと。モノクロ映画やミステリー、ノワールものが好きな方はぜひチェックしてほしい。なお、私たちが生きる世界では新しい時間軸を創ることはできないため、Steamのウィッシュリストに登録をして続報を待とう。

基本情報 | CINEMA |
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開発 | Trinity Team |
販売 | Trinity Team |
配信日 | 未定 / 日本語あり |
定価 | 未定(Steam) |