コカイン中毒による幻覚と戦いながら深夜のアメリカをドライブするアクションゲーム『Coke Bugs』ブースレポート【TGS2024】

ばんじーよこすか

2024/10/26

2024年9月26日~29日(一般公開日は28~29日)にかけて、千葉・幕張メッセにて開催された「TOKYO GAME SHOW 2024 - 東京ゲームショウ2024(以下、TGS2024)」の出展作品より、魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。

本稿では、コカイン中毒に関する描写を含むゲームを紹介しています。

TOKYO GAME SHOW 2024 - 東京ゲームショウ2024
ゲームで世界に先駆けろ。――世界最大級のゲーム展示会、9月26日~29日の4日間、幕張メッセにて開催

真夜中のアメリカをバッドトリップ&ロードトリップ

Coke Bugs』は、薬物依存による幻覚に悩まされながらも深夜のアメリカをドライブし、ハイウェイの先にある謎めいた町を目指すローグライトアクションゲームだ。開発は、アメリカのCommon Operaが手掛ける。

舞台はアメリカのオハイオ。物語の主人公は、さまざまな幻覚に悩まされているひとりの少年だ。彼は幻覚と戦いながら、オハイオのハイウェイをドライブする。その果てには、何が待っているのだろうか。

Steam:Coke Bugs
A hallucinatory bender of a late night road trip sketched in nervous lines of arcade action and exploration.

本作のグラフィックは全体的に真夜中を表す黒色を基調として、アクセントに血のような赤色が採用されている。手書きのモーションアニメのような作りになっており、まるで学校の黒板に描かれた絵が動いているかのようだ。

本作には、大きく分けてドライブパートと探索パートの2つがある。ドライブパートでは、主人公の少年がオハイオのハイウェイをドライブする。

▲主人公の少年がソファに座っている

画面の下には、左から少年の脳みそ、幻覚と戦う少年の姿、少年の手とクリスタルが表現されている。脳みそは経過時間を、クリスタルは少年のHPのようなものを表しているそう。ドライブモードでは、少年の運転する車やガソリンメーター、現在地が表示される。

ドライブパートでは、いわゆるMode7といわれる90年代の任天堂のスーパーファミコンで使用されていたスタイルが採用されている。具体的には、『マリオカート』シリーズをイメージしていただけるとわかりやすいと思う。画面の中央に自分の運転する車が描かれ、周りの道路や地形などの背景が斜めに、かつ遠近感を持って描かれているのだ。そのため、プレイヤーは、まるで3Dゲームのように、画面の奥に進んでいくかのように感じられる。

そうして、少年が真夜中のドライブを続けているとガソリンがなくなってしまう。よし、ガソリンを調達しに町に入ろう! 探索パートのはじまりだ。

▲ガソリンがないと車は走りません

探索パートでは、町に入ってガソリンを見つけよう。家の中に入って住人と話したり、ミニゲームをクリアしたりするとガソリンをゲットできる。ガソリン以外にも、さまざまなアイテムをゲットすることが可能だ。

筆者が当日プレイした際に訪れた町では、住人がトゥイーカービジョンというなんとも不気味なアイテムをくれた。一見ただの目玉だが、マウスを大きく動かすと、より遠くまで見ることができるアイテムらしい。

また、ガソリンをかけたミニゲームもプレイできる。筆者がプレイしたのは、左右にのびた細長いスペースのフチに当たらないようにマウスをドラッグするゲーム。何度か失敗しながらも、どうにかクリアしてガソリンをゲットできた!

▲町の住人がくれたアイテム
▲一直線にドラッグだ!

本作を手掛けたのは、アメリカの開発チームCommon Opera。チームメンバーは3人で、プログラミング、音楽、グラフィックをそれぞれ分担しているそうだ。これまで複数のフリーゲームを製作してきており、本作の開発は3、4年前に始めたのだそうだ。当日のブースには、ステッカーや景品付きのスクラッチカードが用意されていた。ブースに来た方に楽しんでもらうために寝る間を惜しんで準備したとのことだった。

なお、本作のタイトル『Coke Bugs』は、コカインの中毒者が見る幻覚という意味である(Cokeはコカイン、Bugは虫の意味)。コカインを乱用すると、幻視や幻聴、強迫観念などの症状が出る。その中でも、最も特徴的な症状が「蟻走感」と呼ばれるものだ。皮膚と筋肉の間に実在しないはずの虫が、這っているようにムズムズするのだそう。そのため、自分の身体を傷つけるコカイン中毒者も多いと言われている。

本作では少年が見ている幻覚が随所で挿入される。どれも薄気味悪く、意味のわからないものばかりだ。コカイン中毒による幻覚に悩む少年が、真夜中のハイウェイを疾走する。その道の先には、いったい何が待ち受けているのか。続きは製品版のお楽しみだ。

▲少年の幻覚が表現されている
▲頭の中に虫がいるように感じているようだ…

ダークでサイケデリックな世界観や、ドラッグ中毒というアングラな題材が新たな体験を生みそうな本作『Coke Bugs』は、2025年内に無料で公開される予定とのこと。少年のバッドトリップの結末を知りたい方は、ウィッシュリストに登録しておこう。

Steam:Coke Bugs
A hallucinatory bender of a late night road trip sketched in nervous lines of arcade action and exploration.
基本情報 Coke Bugs
開発 Common Opera
販売 Common Opera
配信日 2025年 / 日本語あり
定価 無料(Steam

この記事で紹介されているゲーム

Coke Bugs

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インディー

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