2024年9月26日~29日(一般公開日は28~29日)にかけて、千葉・幕張メッセにて開催された「TOKYO GAME SHOW 2024 - 東京ゲームショウ2024(以下、TGS2024)」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトルを対象としている。


資本主義者からロケットを守り抜け!
『絶対ロケット防衛主義』は、独裁国家の将校となり、建設中のロケットを邪悪な資本主義者の魔の手から守る革命的基地建設ストラテジーゲームだ。日本のゲーム開発スタジオ"tiny cactus studio"こと、はちのす氏が手掛ける。
舞台は東西に分断された国、ヴァルナキア。プレイヤーはその東側の将校となって、祖国が建造中の巨大なロケットに向けて迫り来る西側から、絶対にロケットを防衛するという任務を負うこととなる。ロケットを守り抜き、資本主義に染まった敵の思想を"矯正"する秘密兵器「思想衛星」を打ち上げよう!



本作のゲームシステムは、一言で言えばタワーディフェンス。ロケット完成までに要する日数に対して、日毎に波状攻撃(ウェーブ)を仕掛けてくる敵をその都度全滅させ、すべてのウェーブを無事に乗り切ってロケットを発射できればステージクリアとなる。
ドット絵で描かれたステージは一定の広さを持った見下ろし型の閉鎖空間で、プレイヤーキャラクターは1人だけ。そこに西側は多数の兵士や戦車を展開して攻め込んでくる。もちろんそのままでは多勢に無勢なので、補給部隊を通じて兵士(ユニット)の増員や、防衛網を固めていくのだ。

補給部隊からはウェーブとウェーブの合間、要するに日に一度「カード形式」で兵士や兵器が配給されるが、それには対価として倒した敵が落とす「資本トークン」が必要。時間経過で消えてしまう前に、可能な限り拾えるよう気を配っておきたい。
一度に交換可能なカードは3点までだが、賄賂を贈ればさらに追加で交換も可能。兵士を雇い入れて自由に動けるプレイヤーキャラクターと隊列を組ませるか、トーチカを築いて迫り来る敵に銃弾を浴びせるか、バリケードを置いて敵の進軍を遅らせるのも良いだろう。

トークンは持ち越せるので毎度使い切る必要はないが、出し惜しんで守り切れなければ本末転倒。このあたりのやりくりは、繰り返し挑んでコツや塩梅といったものを掴んでいくことになりそうだ。
プレイを重ねると交換できるカードのバリエーションが増えていき、ステージ選択時にデッキを組んで始めることになるので、プレイヤーごとのスタイルやステージ構成に合わせた試行錯誤も楽しめるだろう。

また、戦いの最中には反乱分子が出てきてしまうイベントが発生することも。その汚名をそそぐために前線送りにしても良いし、人間の盾として死ぬまでこき使っても良い。こうした世界観にマッチした出来事が起こるのも、何とも"それらしくて"素敵ではないだろうか。
さあ、我らが祖国のために絶対にロケットを防衛するのだ!
作品を彩るビビッドカラーに注目
本作のユニークなポイントはどこかと言えば、やはりそのビジュアルデザインだろう。作中世界はレトロフューチャーな要素を持たせつつも、かつてのソビエト社会主義共和国連邦(旧ソ連)を彷彿とさせる。
だが、それでいてポップな印象を感じるのは作中の登場人物たちの調子に加えて、やはり作品全体を彩るビビッドカラーの効果が大きい。TGS2024の「Selected Indie 80」エリアでもひときわ目立っていた印象だ。

今回会場では、開発者のはちのす氏にお話を伺ったが、なぜ旧ソ連がモチーフとなっているのかについては、シンプルにこの時代の歴史が好きだからで趣味も入ってきているとのこと。
試遊体験版は1ステージのみだったが、製品版では全8ステージを予定。ゲーム全体のテンポも良く、比較的ミニマルにまとめられた形とはなるが、先述のとおり、繰り返し遊べる構成となっているのでそれ以上のボリュームに感じられそうだ。
『絶対ロケット防衛主義』は、Steamにて2025年リリース予定で鋭意開発中だ。
基本情報 | 絶対ロケット防衛主義 |
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開発 | tiny cactus studio |
販売 | tiny cactus studio |
配信日 | 2025年 / 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |