『ダンジョン・イン』は、絵本のような可愛らしいアートのファンタジーでありながら、商売繁盛のためなら手段を選ばないブラックコメディ風のターン制宿屋経営ゲームだ。争い合うギルドの冒険者たちが鉢合わせしないようにタイミングを調整しつつ、客をどんどん呼び込もう。
開発元は韓国を拠点とするCat Society、販売はSpiral Up Gamesが手掛ける。本作は2024年11月14日にSteamにて早期アクセスで配信開始された。定価は1,500円で、リリース記念セールで11月28日まで10%オフの1,350円で購入できる。
まずは、早期アクセスリリーストレーラーを見てみるとよいだろう。本作の魅力が詰まった楽しげな映像になっている。本稿では、ゲームの基本的な流れを軽くご紹介してから、早期アクセス開始時に実装されているコンテンツの量について触れておきたい。

ダンジョンの前に宿屋を開いて荒稼ぎ!
主人公の「サラ」たち3人組はドラゴンと契約を交わし、ダンジョンの前に宿屋をオープン。この地域では港湾都市の「海ギルド」と山岳都市の「山ギルド」が対立しているが、両方の冒険者を客として呼び込み、鉢合わせしないようにすれば宿屋が儲かる! と思い立つ。


冒険者たちが宿に着くタイミングをずらせ!
宿屋に向かう道は海ギルドからの道と山ギルドからの道に左右で分かれており、それぞれ10マスの距離がある。冒険者たちは1ターンに2~4マスほど進む。5日間(20ターン)営業するとその週が終わり、次の週に向けて準備やセーブができる。

冒険者たちの動きをコントロールするために道に「設置物」を置いてみよう。宿屋に呼び込む「スタンド看板」、買い食いで歩みを遅らせる「屋台」、歩みを速める「栄養ドリンク」、一定ターン歩みを止める「ルーレット」などを配置して、お客さんが宿屋に来るタイミングを調整することができる。

客同士のバトル! どっちに加勢する?
対立するギルドの冒険者同士が宿屋の前で出会ってしまうとバトルが発生! どちらのギルドに加勢するかを選ぼう。加勢したほうのギルドの「疑心」ゲージは下がるが、万が一バトルに負けてしまうと、生き残ったギルドに大きな疑心を持たれてしまう。疑心ゲージが限界に達すると、宿屋を継続できなくなってゲームオーバーだ。

この他にも、ゲームを進めていくと要素が増えていく。ランクの高い冒険者を宿に呼び込むと専用イベントが発生。うまく対処できれば貴重な報酬が手に入る。カフェ、酒場、ジムなど宿屋の設備を拡充していくことで稼ぎの増加も見込める。
ストーリーは、メインキャラたちの会話により展開され、ゲームに少しずつ新しい要素が加わっていくので理解しやすいはずだ。

現状のボリュームと今後のロードマップは?
早期アクセス開始時には、第4章までが収録されている。1つの章が作中の1か月にあたるので、最初の4か月間(16週目まで)をプレイできる。想定プレイ時間は、ストアページによると早期アクセス版で5~8時間とのこと。
途中からサラたち3人組がそれぞれ固有の「特殊行動」を使えるようになり、戦略性に幅が出てくる。トレーラーに「新たな顔ぶれ?」として紹介されている新キャラクターがどうなるのかも気になるところだ。
今後のロードマップは、早期アクセス開始時の告知によると、2025年4~6月に「第5~7章実装」とエンドレスモードの実装が予定されている。さらに、2025年7~12月の製品版発売で第8~12章が実装されるという計画だ。

少し気になるのは、ストーリーを終えた後にも遊べるコンテンツが現時点ではやや不足している点だ。すべての要素が解禁され、毎回違った状況で繰り返し遊べるモードが欲しいところ。ロードマップにあるエンドレスモードが今後実装されるのを期待したい。
現状でも難易度は2つ用意されているので、上の難易度でもう一度プレイできるし、通常の難易度でも、課題をすべて達成できるかどうかチャレンジする楽しみがある。慣れてきたら、計算し尽くされた最高のプレイを目指してみよう。
ボードゲーム風でカジュアル。無料体験版も配信中!
本作は1人プレイ用のデジタルゲームだが、ボードゲームのコマ、カード、チップなどのコンポーネントを意識したデザインが随所に盛り込まれ、遊び心が感じられる。絵本のようなアートと、コメディタッチのストーリーも親しみやすく、ボードゲーム風でカジュアルなゲームに興味のある方にオススメできそうだ。
本作の最初の1か月間の内容は無料体験版の『ダンジョン・イン:プレオープン』でも遊べる。セーブデータを本編に引き継ぐことができない点に注意が必要だが、購入を迷っている方にはまず体験版を遊んでみていただきたい。

基本情報 | ダンジョン・イン |
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開発 | Cat Society |
販売 | Spiral Up Games |
配信日 | 2024年11月14日早期アクセス開始 / 日本語有り |
定価 | 1500円(税込)(Steam) |