本稿は、ARTE Franceがサポートする最新タイトルをご紹介するタイアップ記事です。
『30 Birds』は、悪者にさらわれた鳥の女神を救う冒険を描いた、ランタンのような街の上で繰り広げられるストーリーベースのパズル・アドベンチャーゲームだ。ベルギーのゲーム開発スタジオ"RAM RAM Games"と"Business Goose Studios"が共同で手掛ける。
――世界は未曾有の危機に陥っていた。悪しき科学者によって、世界の創造主たる鳥の女神シームルグが連れ去られてしまったのだ。このままでは世界を照らすランタンの灯火が消えてしまう。科学者を追う若き女探偵ジグは、女神を救い出すために冒険を繰り広げることとなる。
本稿では、PC(Steam)にて2024年11月28日にローンチを迎えた本作の内容と魅力についてご紹介しよう。


女神を助けるために冒険とパズルを繰り広げよう
本作は、主人公のジグが空に浮かぶ街々を巡り、女神を連れ去った科学者に迫っていくというストーリー。力を合わせることで女神の歌声を追うことができるという「30羽の鳥」たちの協力を取り付けていくことが目的となっている。
ゲームタイトルを象徴する30羽の鳥たちは各地に散っており、彼らと出会うためには地元の人々と出会い、居場所を探り、要所となるポイントではさまざまなパズルやミニゲームを解決しなければならない。

余談だが、この物語はペルシャの著名な詩人アッタールによって、12世紀末に書かれた詩集『鳥の言葉』にインスパイアされているようだ。同作は、神である霊鳥スィーモルグ(シームルグ)を捜し求める30羽の鳥たち(信奉者)の旅を記したもので、神秘主義を体現するストーリーとなっている。
神秘主義に触れる上では面白い読み物で、難解だが邦訳もされているので、興味があれば探してみるのもいいだろう。これをゲームに落とし込んだところも魅力の1つだ。

探索の舞台となる「ランタンシティ」はその名のとおり、四面体の巨大なランタンを模した構造となっていて、街中や店の内部などの隣り合うエリア同士の移動が、面と面が直角に回転するように描写されるところがユニーク。
その様相は街によって異なっていて、最初の舞台となるセントラル・ランタンシティは如何にも中東の街中といった風だが、また別の街ではより市街地感があったり、緑の多い街だったりもする。その中を巡って鳥の居所を掴んでいくのだ。

例えば、最初に出会うことになる1羽目のフープは、とある店舗の奥に隠された魔法の鳥かごに囚われている。彼女をそこから解放するためには複数のスライダーを操作して模様を動かし、頭上に示された完成形に合わせるというパズルを解く必要がある。
しかし、幾何学模様を形作るのはなかなか思いどおりになってくれず、パズル難易度としてはなかなかのものという印象。パズルが得意という方にとっては挑戦しがいがあるはずだ。


そうして何とかパズルを解き、彼女を解放すると次の鳥にたどり着くためのヒントを与えてくれるので、次の目的が定まっていく。
探索とパズルの良いバランス感が本作の魅力であり、先述のベースとなった神秘主義的な物語を、より現代的な感覚/視点でアレンジしたようなストーリーが、わかりやすく展開されていくところもまた魅力と言える部分だ。
手描きアートと美麗なペルシャ芸術が目に映える
最後にもう1つ、本作の特徴にも触れておこう。それは、さまざまな色によって彩られるペルシャ美術にインスパイアされたアートワークだ。それが、手描き風アートによってキャラクターや背景に反映され、中東風のBGMによって何とも言えない雰囲気を醸し出している。
漠然と思い浮かぶのはペルシャ絨毯ぐらいという、筆者のような日本人プレイヤーにとっては、何ともめずらしく目に映える光景だ。
普段目にしない文化に触れる機会を得られるのがゲームの良いところの1つだが、特にペルシャの文化や神話、神秘主義的な世界観に興味を惹かれつつ、パズルゲームも好きだという方はぜひ一度手に取ってみてはいかがだろうか。


基本情報 | 30 Birds |
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開発 | RAM RAM Games Business Goose Studios |
販売 | ARTE France |
配信日 | 2024年11月28日 / 日本語有り |
定価 | 2,000円(Steam) |