コックピットからの一人称視点で荒々しい戦場を駆けるメカアクションシューティング『Mekkablood: Quarry Assault』プレイレポート

朝比奈 / Asahina

2025/01/21

Mekkablood: Quarry Assault』は、コックピットからの一人称視点で激しいロボット・メカバトルを繰り広げる、90年代レトロスタイルの3Dアクションシューティングゲームだ。アメリカ・オハイオ州の個人ゲーム開発スタジオ"KRUMB Games"こと、Chad Crumbaker氏が手掛ける。

時は2082年。資源の乏しいこの世界で、希少なエネルギーの採掘権を所有する主人公ビルから、その権利を奪おうと悪徳企業のトルクス社が汚い手を仕掛けてきた。ビルの愛機のメック(二足歩行の搭乗型ロボット)に飾ってあった大事なフィギュアを盗み出し、ガールフレンドのベスを誘拐したのだ。

怒りに駆られたビルはメックに飛び乗り、大切なフィギュア、ついでにベスを助け出すために友人のラスティと共にトルクス社に戦いを挑むのだった!

Steam で 13% オフ:Mekkablood: Quarry Assault
The Year is 2082. You play the role of Bill, a grizzled, and extremely hairy robojockey. It’s up to you to take the reigns of Bill’s Mekk, with your friend Rusty, to get your revenge against TorxCorp, who’s trying to steal your mining claim.

メックを操って敵を撃破しろ!

本作のゲームシステムは、メックに乗り込み、立ちはだかる敵勢力のメックをさまざまな武器で撃破していくアクションシューティング。オーソドックスな一人称視点ではなく、コックピットに座って操縦桿を握る手元が見えるところがプレイヤーに臨場感と迫力を感じさせる。

90年代の『Doom』『Shogo: Mobile Armor Division』『アーマード・コア』からインスピレーションを受けたという本作は、古き良き時代の16ビットの雰囲気に近づけたレトロなグラフィックで制作されていて、上手い具合に本作にマッチしているようだ。

ゲームの進め方としては、複雑に広がるステージ内を動き回り、立ちはだかる雑魚を打ち倒しながら探索を進めていく。マップが存在せず、やや迷いやすいかもしれないが、ステージ内に隠されたフィギュアを発見するとコックピットに並べられていくところが面白い。

武器は豊富で、インファイトになるが高速回転する電動丸ノコを基本武装に、取り回しやすいセミオートライフル、近距離から散弾を撃ち込むショットガン、連射可能なレーザーブラスター、誘導ミサイルを放つ破壊的なロケットランチャーがある。後述するARMORとSHIELDも含めて、オブジェクトを破壊するとドロップする形だ。

コックピット中央のモニターには「AMMO装備中の武器の残弾数)」「ARMOR残りHP)」「SHIELD数値分のダメージ軽減)」と、現在の機体の状態を表示。右手のモニターには武器種ごとの手持ちの残弾数、左手のモニターは機体後方を映すリアカメラとなっている。

ゲーム画面のインターフェース上に表示されるのではなく、あくまでビル視点でコックピット内部に表示されているところが本作のこだわりなので、どこに目を配ればよいかは慣れが必要。加えて、操縦席からの視点ならではの視野の狭さも同様だ(視点もめちゃめちゃ揺れる)。

また、メックはガシャンガシャンと踏み出すように歩くが、前方と左右へとゲージ消費で高速ダッシュが可能なので、思いのほか動きは軽快。ただし、ロボットらしく大味なところがあり、それが操作難度の高さに繋がっている。

そのおかげでロボットを操縦している感があって筆者は気に入っているのだが、攻撃を加えるにも避けるにも意識しないとうまく動いてくれない。敵の数も多いので、特に序盤は何度かゲームオーバーになりながら、コツを掴んでいくことになりそうだ。

ARMORをすべて失ってしまえば容赦なくゲームオーバーとなるが、決して高難易度アクションというわけでなく、そのプレイフィールは爽快感が勝るという印象。あえて操作性に制約を課しているように思える部分もあるが、こうしたゲームバランスは、インスパイア元である『Doom』の影響が大きいのではないかと思うところだ。

なお、本作はSteamストアページの表記どおり日本語をサポートしていないが、先述のストーリーはバックグラウンドとして語られている程度。フルボイスで交わされるビルとラスティの口汚い会話が聞こえてはくるが、英文テキストを読ませるようなものではないので、気にせずプレイを楽しめるだろう。

プレイヤーの興味を引き寄せるゲームデザイン

本作の魅力は、古き良き90年代のアクションシューティングを再現したようなビジュアルだが、もともと筆者は以前に偶然にもXでトレーラーを見かけてから、そのキャッチーな映像に魅せられてしまった。

銃火をかいくぐり、こちらの攻撃が敵の機体へと突き刺さり、生活感あふれるコックピットが揺れる臨場感。メカデザインのカッコ良さ。メタルなサウンド。何より、"極端に毛深い中年男"と説明されているほどの毛むくじゃらの腕が操縦桿を握り、野性味あふれる強烈なインパクトを放っていたのだ。印象の残し方はさまざまだが、狙ったのだとしたらこの腕毛は英断かもしれない。

Mekkablood: Quarry Assault』は、2025年1月20日よりPC(Steam)にて配信中だ。

余談だが、本作はOpenAI社のChatGPTによる画像生成AI「DALL-E3」を用いて、ゲーム内のテクスチャとピクセルアートが制作されている。これにあたっては特定のアーティストの権利を侵害することがないよう配慮され、また、生成されたものをそのまま用いているわけではないとのことだ。


基本情報 Mekkablood: Quarry Assault
開発 KRUMB Games
販売 Judatone Studios
配信日 2025年1月20日 / 日本語無し
定価 1,700円(Steam

この記事で紹介されているゲーム

Shogo: Mobile Armor Division

ストラテジー

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アドベンチャー

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Mekkablood: Quarry Assault

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13%¥1,479

DOOM + DOOM II

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